人々が心に抱くモノ:サラリーマン意識を世に広めた“名曲”にある通り、基本的には「気楽な稼業」である。「一億総中流」という意識が日本社会に広く共有されていた1970年代には、サラリーマンが主役のコメディ映画が大人気を博し、その後も現在に至るまで、サラリーマンの日々のありよう、喜びや哀しみを描く漫画やTVドラマは、日本人のライフスタイル・価値観の変遷に多大な影響を与え続けている。
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典型的なサラリーマンの姿として大多数の人がもつのは「朝の出勤風景」「取引先との名刺交換」「仕事あがりの居酒屋」である。営業・外回りが仕事であれば、休憩&サボりのオアシスとなる「喫茶店」も欠かせない。そして、必須アイテムは「スーツ」「ネクタイ」「肩掛けカバン」「缶コーヒー」といったあたり。
サラリーマンの街として筆頭にあげられるのは「新橋」である。聖地と呼ばれることも多い。神田や有楽町(どちらもコアゾーンはガード下)、八重洲なども、サラリーマンを語る文脈でよく耳にする街である。
サラリーマンには、「しがない」「うだつがあがらない」などの枕詞がついて回ることもある。しかし、サラリーマンの頑張りなくして、“極東の島国”の今があるは誰も思っていない。けれども、サラリーマン生活を送るほとんどの人は、脚光を浴びる機会がまずないことを知っている。自負があっても、声をあげて主張するのは「ちょっとカッコ悪いね」と思う、日本的な“恥”の価値観もある。
そうしたことが、多くの日本人がサラリーマンを主役にしたフィクションを好む背景かもしれない。歴史小説やドラマの世界でも、英雄物語と同じように、“しがない”の侍の話を好む人は実に多い。そしてモチロンのこと、アニメにおいても、サラリーマンは欠くことのできない“役者”である。
概要:会社に所属し、あらかじめ決められた給与と就業条件で働く人の総称で、主に事務労働に従事する人を指す言葉。和製英語だが(英語圏ではoffice worker、white‐collar workerなどが使われる)、近年は欧米でも「日本のホワイトカラー」という意味で使われるようになってきている。「中間層」や「平均的な層」と同意で使われる場合もある。
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応用編もしくは複合語としては、「リーマン」「脱サラ」などがある。また、基本的に会長・社長・取締役などの経営層は含まれないが、創業者もしくは創業者の親族などが、会社のオーナーと社長を兼任しているケース、それ以外のケースを区別する際には、後者に対して「サラリーマン社長」という表現も使われる。