人々が心に抱くモノ:誰もが連想する言葉は「繁栄」「現代」「存在感」である。自ら訪れ、その空間に身を置いても、この施設のシンボル・六本木ヒルズ森タワーを首都高やどこかの街角で遠くから眼にしても、度合いは異なるものの、その印象には独特なものがある。時代の牽引車となる多くの企業や人が集まり、その吸引力を感じるがゆえに、また、“失われた10年”が落とす影とは対照的な輝きを六本木ヒルズに感じるがゆえに、人々は六本木ヒルズに集うのではないか。 つづきを読む
概要:オープンエアの展望施設としては日本一の高さ(海抜270m)を誇る「スカイデッキ」や「森美術館」が最上階にある地上54階建て・高さ238メートルの超高層オフィスビル 「六本木ヒルズ森タワー」を中心に、集合住宅 「六本木ヒルズレジデンス」、ホテル 「グランド ハイアット 東京」、テレビ朝日本社社屋、映画館「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」などの文化施設、その他の商業施設、江戸時代の大名屋敷のなごりを今に伝える広大な日本庭園「毛利庭園」などで構成されている。 つづきを読む
歴史:現在、六本木ヒルズがあるエリアは江戸時代には有力な大名のひとつ毛利家の屋敷などがあった場所で、現在の六本木の繁華街まで視野を広げても、屋敷や寺・神社が立ち並ぶ静かな街だった。他の大名屋敷の例に漏れず、毛利家の御屋敷も明治になって民間人の手に移り、以降、1990年代までは企業や住宅が密集する土地となった。現在と異なり、当時の六本木の繁華街は六本木交差点周辺に集中し、人々の流れは乃木坂や飯倉方面に向かうほうが多く、このエリアは江戸の頃とさほど変わらぬ静かなエリアであった。 つづきを読む