YRA活動事例:タイ
タイの教習施設ライディングアカデミーと免許講習をご紹介します。
ヤマハ・ライディング・アカデミー(YRA)は、タイ・サムットプラカーン県のタイ・ヤマハ・モーター敷地内に設立されたトレーニング施設です。設立当時、タイ国内では年間7万件以上のオートバイ事故が発生しており、交通安全の向上が社会的課題となっていました。こうした背景のもと、タイ・ヤマハ・モーターは2005年より安全運転の普及活動に取り組み、年間40~50回の安全運転講習を実施するとともに、公式試験の実施および技能認定証の発行を行ってきました。これらの活動のさらなる拡充と質の向上を目的として、2008年8月、ヤマハグループ初の海外トレーニング拠点としてYRAが設立されました。YRAは、安全運転教育を通じて社会の安全意識向上に貢献し、持続可能なモビリティ社会の実現に寄与する拠点として機能しています。
YRAでは、まだ免許を取得していない初心者から、すでにモーターサイクルを所有するベテランライダーまで、幅広い層の顧客を対象とした多様なプログラムを提供しています。また、スクーターや大型モーターサイクルの安全な乗り方に特化した講習も実施しています。これらのプログラムの一環として、参加者一人ひとりのレベルやニーズに応じた実践的なトレーニングを行い、安全運転に必要な知識・技能の習得を支援しています。特に、基礎技術の習得から高度なライディングスキルの向上までを段階的に学べる体系的なプログラム設計により、継続的な安全意識の定着と行動変容を促進しています。
また、本プログラムでは免許取得に向けた指導に加え、タイ運輸省と連携したオンラインシステムを導入しており、受講者はトレーニング施設内において直接ライセンス試験を受験することが可能です。これにより、受講から試験までを一貫して提供する環境を整備し、ライダーの利便性向上とともに、正規ライセンス取得の促進を図っています。こうした取り組みは、安全運転の普及をより実効性の高いものとし、社会全体の交通安全向上に貢献する重要な仕組みとなっています。
YRAは施設内での活動にとどまらず、2018年には職業訓練校と安全教育運営に関する包括的な協定を締結しました。これにより、ヤマハ・ライディング・アカデミーのインストラクターが、各職業訓練校で採用された地域指導員の育成を行い、その指導員が全国各地においてイベントなどを通じた安全運転講習の普及活動を展開しています。現在、本取り組みは38校で実施されており、これまでに合計349回の講習を行い、22,785人が参加しています。さらに、2026年までに48校への拡大を計画しており、より多くの地域に安全運転教育を広げることで、社会全体の交通安全水準の向上に貢献していきます。
過去2年間において、サムットプラカーン県において計8か所の横断歩道が設置されました。地域における歩行者の安全確保と交通事故の抑制を目的とした持続的貢献・取り組みの一環として、タイ・ヤマハ・モーターは今後も毎年横断歩道の設置を拡大していく計画です。
タイ・ヤマハ・モーターは、交通安全への取り組みが高く評価され、「ロードセーフティアワード」を受賞しました。首相主導の表彰制度である同賞を2022年および2024年に受賞したほか、2026年にはRSO(Road Safety Organization)およびTAIA-AICによる「トラフィックセーフティアワード」も受賞しています。これらの受賞は、同社が継続的に推進してきた安全運転教育や地域社会における交通安全活動が社会的に評価されたことによります。