技術は常に人々とともにあります。
人々の願いや発想、希望を重ねることで、
技術は新たな技術を創出し、製品を生み、
価値観を創造します。
1955年に誕生した125㏄エンジンを原点に、
様々な技術を研磨するなかで
パワートレイン、電子制御、車体・艇体、生産の
4つのコア技術を軸に、
私たちは事業と製品、そしてお客様を
拡げてきました。
人々の願いを叶え、その期待をも超えてゆく――
ヤマハ発動機の[技と術]。
やまももの木:
ヤマハ発動機の本社工場には樹齢50年を越す1本のやまももの木があります。第1号製品「YA-1」が誕生した創業の地(現在の浜北工場)にも、当時から数本のやまももの木が並び、今もその枝を伸ばし続けています。例年、無数の花を咲かせ、実りを迎えるやまももの木は、「技と術」を磨き続けてきたエンジニア達の奮闘のすべてを見守ってくれています。
ベルサイユ宮殿の噴水に水を汲み上げる労力を軽減したい。そこにエンジンの必要性を感じたのは、土星の輪の発見者であるC・ホイエンス氏だと言われています。その着想は後に世界中の技術者たちに引き継がれ、やがて19世紀になって今日のエンジンの基本形が誕生しました。
ヤマハにとっての最初のエンジンは、その第1号製品である「YA-1」に搭載した2ストローク125㏄。以来、半世紀以上にわたって研究を重ね、レースで競い、人々の暮らしに寄り添うことで、性能や品質を高め、その用途を拡げています。
人間の感性に訴えるモノ創り。それはヤマハが最も大切にしていることの一つです。制御技術は目覚ましいスピードで進化・発展し、電磁誘導によるゴルフカーの自動走行、二輪車のクルーズコントロール、産業用無人ヘリコプターや電動車いすにも先進の制御技術が盛り込まれています。しかし大切なのは、やはり人の感覚、人のきもち。操作に違和感のない最適な制御の追求は、人の感性にもっと近づくためにヤマハは制御技術を磨いています。
ヤマハ発動機の主な製品は二輪車や船といった陸上や水上で活躍する乗りものです。エンジンや電気モーターが生み出したパワーは、優れた車体や艇体との組み合わせによって初めて、人が意図するままに動き、使いこなすことができるようになります。ヤマハは常に、軽量素材の加工・応用技術の開発、人の感性による評価、その技術的な定量化などに取り組みながら、パワートレイン技術・電子制御技術との組合せによって、人機一体感を生み出すモノ創りに取り組んでいます。