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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.49 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.49(2013年12月)

特集:陸・空・海

巻頭言

コンセプト、マーケティングセンス、そして起業家精神 PDF

滝沢 正博

右足をペダルに乗せ、グッと踏み込んだ瞬間に感じるものは軽さだけではない。自転車の固定概念を打ち破る異次元の新しい乗り物に出会った「感動」だった。このPAS(電動アシスト自転車)が今年20周年を迎えた。当社は企業目的に「感動創造企業」を標榜している。その達成のために経営理念の中で、「顧客の期待を超える価値の創造」により感動を提供することを宣言している。「期待を超える」という表現の持つ意味は非常に重く、単なる性能や価格、スペックで表現できる性格のものではない。また、先端技術や革新的な新技術が導入・実現できないわけでもない。しかし、対象顧客への深い理解や顧客自身が言葉にならないレベルのニーズへの気づきなど、どう実現するかイメージできる感性などのマーケティングセンスを持っていることが重要である。すなわち、顧客が持つどのような期待に応えるべきか、それをどう超えると感動に繋がるか、というコンセプト構築が非常に重要な思考プロセスだと言える。技術やノウハウは仮に自分が保有していなくとも獲得可能であるが、この製品・事業コンセプト構築は自ら生み出していくべき常にオリジナルな価値である。
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特集
技報No.49 特集1 説明画像

2014 年モデル XVS950CU BOLT PDF

都澤 大樹/大達 康弘/鷹野 好秀/森本 高弘/前谷 直紀

ヤマハ発動機は、北米市場において「Star」というブランド名でクルーザーを販売している。2006年モデルからは、新生「Star」として、「エモーショナル」「先進性」「パフォーマンス」などをキーワードにモデルの刷新を開始し、1900cc、1300cc、950ccの3種類のエンジンを核に、Roadliner、V Star 1300、V Star 950のクラシックライン3モデルを市場に投入してきた。最近では市場の変化に対応し、よりダイナミックで個性的なスタイリングのカスタムラインとして、チョッパースタイルのRaider、Strykerの2モデルを、クラシックラインと同系統のエンジンを使用して開発し、市場に投入してきた。Boltは、カスタムラインの最後のピースを埋めるべく開発された、最も排気量の小さい950ccエンジンを搭載したカスタムモデルで、前述の2モデルとは異なり、若者の間で盛り上がりを見せているボバースタイルを採用した。ボバースタイルの特長であるミニマム/スリムが、扱いやすさを求める排気量1000cc以下のユーザニーズとも合致して、スタイリングと機能が融合したモデルとなっている。
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技報No.49 特集2 説明画像 産業用無人ヘリコプタ FAZER(MP4:8MB)

産業用無人ヘリコプター "FAZER" の紹介 PDF

吉原 正典/林 隼之

現在、農業散布分野で活躍するRMAXは、日本市場だけで2,400機(2013年度登録台数)を越えており、水稲防除における無人ヘリコプタの防除面積は、日本全国における水稲の3割以上を担う市場規模に達し、産業用無人ヘリコプタの必要性を確固たるものにした。しかし、好評を博している現行のRMAXも初期リリースからマイナーチェンジを繰り返しながらも15年を経過しており、各種システム・プラットフォーム・積載重量などの制限があり、今後の発展に対し、十分な対応ができない状況である。そのため、フルモデルチェンジを行い、次世代の無人ヘリコプタを開発するに至った。本稿では、その産業用無人ヘリコプタ”FAZER”について紹介する。
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技報No.49 特集3 説明画像 HELM MASTER(MP4:2.1MB)

HELM MASTER- 高度統合操船制御システム PDF

菅野 功

北米ではボーティング文化が根付いており、余暇にボートやヨットなどのマリンレジャーを楽しむことは珍しくなく、広い居住空間とパワーを併せ持つ大型ボートの人気が高い。その一方で、ボートサイズが大きくなるほど離着岸操作が困難になることが、経験の浅い操船者だけでなく熟練者をも苦しめている。このような複雑でストレスの多い離着岸時の操船を支援するために、今回大型4ストローク船外機(225~350馬力)を2機あるいは3機搭載する大型ボートを対象とした操船制御システム「HELM MASTER」(以下、本システム)は開発された。本システムは、ステアリングやシフト、さらにスロットル操作など船外機の操船に加えて、真横移動、その場回頭など、360度のボート操作が可能となり、離着岸や狭水路、マリーナ内など特に狭いスペースでの操船をサポートする。本稿では、多岐に渡るボート操船をサポートする機能を織り込み、操船者の負担を大幅に軽減できる統合操船制御システム「HELM MASTER」を紹介する。
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技術紹介
技報No.49 技術紹介1 説明画像

車いす用電動化ユニットの開発コンセプトと今後の展開 PDF

伊藤 孝史

ヤマハ発動機は、産業用ロボットや電動アシスト自転車の開発で培った高度な制御技術や駆動技術などを活用することで、福祉・高齢化社会に対応できる商品のひとつとして、車いす用電動ユニット「JW-Ⅰ」を1995年に市場に投入した。JW-Ⅰは発売以来、簡易型(手動兼用型)電動車いす市場で常に高いシェアを維持し、2006年に発売した後継モデル「JWX-1」とあわせて多くの人々に愛用されている。本稿では、開発の経緯を振り返り、開発コンセプトと今後の展開について述べる。
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技報No.49 技術紹介2 説明画像

産業用無人ヘリコプター FAZER用 4サイクルエンジンの開発 PDF

村松 浩義

フルモデルチェンジを果たしたヤマハ発動機(株)の産業用無人ヘリコプタ「FAZER」には、ヤマハモーターエンジニアリング(株)で新たに開発した4サイクルエンジンが搭載されている。2サイクルエンジンを搭載した現行モデル「RMAX」に対し、安定したペイロード(離陸重量)の確保と環境性能の向上を達成するために4サイクル化と排気量の拡大を進めるとともに、様々な軽量化施策を織り込むことで、産業用無人ヘリコプタとして法規上の重量の制約もクリアした。本稿では軽量化施策を中心に「FAZER」用4サイクルエンジンについて紹介する。
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技報No.49 技術紹介3 説明画像

YAMAHA DRIVING MONITOR SYSTEM の開発 PDF

山谷 正貴/大城 郡二/望月 靖之

昨今、海外におけるポリスバイクは国内、海外の各社から販売されている。海外で使用されるポリスバイクは、各国のレギュレーション対応が要求される。そのため、車両に搭載されている機能は類似しており、各メーカの特徴は薄れているのが現状である。一方、被疑者の追跡など緊急走行をするポリスバイクには、車両の機能・性能を常に最良の状態に維持しておくことが求められている。そこで、四輪車向けに広く普及している車両の走行状態を記録、閲覧する装置に着目し、これらの機能を海外で使用される予定の次期モデルFJR1300APに搭載することを目的としてYAMAHA DRIVING MONITOR SYSTEMは開発された。本稿で紹介する本システムは、FJR1300AP専用のアクセサリ部品であり、海外拠点のみの取り扱いである。
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技報No.49 技術紹介4 説明画像

PAS用「トルクセンサ」の開発 PDF

松井 太憲/永田 俊彦/小林 秀之/堀内 慎高/竹山 弘晃/佐藤 和生/高野 行康/片渕 喬大/久木野 史宣/辻村 拓/渡邉 俊幸/大谷 晋哉/鈴木 康祐

人のこぐ力を「電動モータ」がアシストする自転車として、1993年に世界で初めて電動アシスト自転車PASを開発・発売して以来、ユニットの小型軽量化やバッテリ性能の向上に加え、乗り心地の熟成を重ねてきた。今回、国内初の自然な乗り心地を実現した「トリプルセンサシステム」に搭載されている「トルクセンサ」について紹介する。
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技報No.49 技術紹介5 説明画像

無人車開発用環境シミュレータの開発 PDF

平松 裕二/藤井 北斗/神谷 剛志/望月 靖之/大沼 和樹

ヤマハ発動機ではこれまで、屋外で人の代わりに測量や監視などを行う無人ビークルを開発してきた。無人ビークルはGPSによる位置情報とレーザセンサによる周辺情報にもとづいて適切なルートを選択して走行する。その中でもレーザセンサによる認識機能を開発するためには机上検証可能なシミュレータの活用が必要になる。そこで今回は、ゲーム開発に用いられるツールを活用して、「実際のテストコースに相当するバーチャルな三次元オフロードコース環境」や、「車両の目となる機能(レーザを飛ばし周囲の地形距離情報を大量に取得する機能をバーチャルコース内で再現)」といった、従来にない機能を搭載した環境シミュレータを開発した。
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技報No.49 技術紹介6 説明画像

鉛フリーはんだ接合部の熱疲労寿命予測 PDF

意眞 哲也

エンジン制御を始め、安全・通信などの分野で車載用電子機器は今後さらに増加傾向にある。車載用電子機器は、温度・振動・湿度などの面で、家電製品と比較して過酷な環境で使用されることが多く、また耐用年数が長いことから高い信頼性が要求される。電子機器を構成する抵抗およびコンデンサなどの電子部品と配線基板を接合する方法として、はんだ付けが多く用いられる。車載用の配線基板および電子部品には、環境温度の変化並びにエンジン周辺の輻射熱および電子部品の自己発熱などによって、大きな温度変化が繰り返される。一般的に配線基板と電子部品の熱膨張係数は異なることから、膨張収縮量の差によってはんだ接合部に熱応力が発生する。その結果、はんだ接合部に疲労亀裂(はんだクラック)が発生し、破断することで導通不良を引き起こす。はんだの熱疲労特性は、高温・低温を繰り返し印加する温度サイクル試験によってその信頼性が検証されるが、加速試験でも数ヶ月を要する場合が多い。一方、開発期間の短縮および手戻り工数の削減が求められ、最適品質によるコストダウンも重要な課題となっていることから、はんだ接合部に関する寿命予測技術の必要性が高まっている。このような背景から、車載用電子機器における温度変化に着目して、はんだ接合部の信頼性技術について開発を進めている。今回は、有限要素法シミュレーションを用いた温度サイクル環境下におけるはんだ接合部の寿命予測技術について紹介する。
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製品紹介
技報No.49 製品紹介1 説明画像

2013 年モデル Spark115i PDF

吹田 善一

タイの二輪車市場は年間販売台数200万台(ヤマハ調べ/2011年)で推移しており、その半数がマニュアルトランスミッションのモペットタイプで占められている(残りの半分はオートマティック車)。近年オートマティック車の割合が増えているが、実用性や燃費に優れるモペット、特に価格が手ごろなベーシックモペットは地方都市を中心に安定した需要がある。その中で現行モデル「Spark Nano」は、走りと実用性で高い支持を得ているが、燃費向上や扱いやすさなどの要望を受けて、「Spark 115i」(以下、本モデル)は開発された。本モデルは、日々の買い物や通勤などの実用面における「快適さ・気軽に乗れる親しみやすさ・気持ち良い乗り心地」をベースとして、きめ細やかな設計を施した商品である。エンジンは新設計の空冷114cc・SOHC・4速オートクラッチ式、燃料供給はFIを採用することで、抜きん出た出力特性と低燃費との両立が図られた。また、新設計された車体部品を搭載することで、低速から高速まで優れた操縦性と快適な乗り心地を実現した。
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技報No.49 製品紹介2 説明画像

クラス最軽量4 ストローク大型船外機 F200F の開発 PDF

平岡 徳由/渡辺 敬英/鈴木 賢明/大谷 佳邦

1995年以降、北米の環境排気ガス規制が導入されてから、環境へ配慮したエンジンの開発が求められている。従来の小型軽量・シンプルな構造の2ストロークキャブレタガソリンエンジンから、2ストローク筒内直接燃料噴射ガソリン方式へと変わり、そして現在の主流は4ストローク吸気管燃料噴射ガソリン方式へと変遷してきている。この変遷にともない、排気ガスの清浄化と燃費・低速の静粛性は大幅に改善されたが、その一方で重量およびコストが増加した。本稿では、軽量・コンパクト設計の徹底などにより2ストローク船外機と同等の重量と航走性能を達成した大型船外機F200Fの開発について紹介する。
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技報No.49 製品紹介3 説明画像

E028 軽量二焦点型可搬式投光器 PDF

鈴木 春博

ヤマハモーターエンジニアリング株式会社では、1985年に消防自動車へ積載する電動式ホースレイヤー(消防自動車から火災現場まで消防ホースを延長する消防用資機材)の販売を始めてから、今日まで消防機関向けの製品を提供している。乗用運転できる電動式ホースレイヤーは国内唯一の製品であり、消防隊員の負担を軽減して消火活動に専念できるとの評価を得ている。そのほかにも、手引きホースカーや消防活動二輪車(通称:赤バイ)などの製品化にも取り組んでいる。今回紹介する軽量二焦点型可搬式投光器は、東京消防庁からの、「もっと明るく・軽くできないか」との要請を受け、1996年に実施した当社との共同研究の成果にもとづいて製品化された。
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技報No.49 製品紹介4 説明画像

2014モデル スノーモビル SRViper PDF

鈴木 豪仁/窪田 隆彦/宮崎 政直/中村 明彦/澤淵 敦志/衣笠 健/松土 真一/Jim Vizanko/Jeffrey Stoxen/Patrick Trapp

過去10年に渡り、北米におけるスノーモビル(以下、SMB)の新車需要は減少傾向にあったが、2011年以降はようやく回復の兆しが見え始めている。そのような中で、相互商品供給という新たなビジネススタイルを取り入れることにより、モデルバリエーションの拡充を図ることとなった。その第1弾として、昨年SRX120というKidsカテゴリのモデルをリリースした。そして今年、第2弾としてスポーツカテゴリのモデルであるSRViper(以下、本モデル)をリリースした。本モデルは、市場で評価の高い当社製の3気筒4サイクルエンジンと相互商品供給先のシャシをベースに開発したヤマハブランドSMBである。
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技報No.49 製品紹介5 説明画像

2014モデル ROV VIKING PDF

鈴木 孝典/新堀 雅秀/望月 茂弘/Todd Booth

北米のROV(Recreational Off-Highway Vehicle)市場は現在、年20万台規模の需要があり、今後も伸長していくことが予想される。その用途は農業やハンティングさらにトレール走行まで多岐に渡っている。それら広範な用途をカバーするために開発されたのがこのVIKINGである。業務用途に必要な実用性と共にレジャー用途で求められる快適な走行性や居住性を兼ね備えている。当社ATV(All Terrain Vehicle)、ROVの2012年の出荷台数は約7万台だったが、今後2015年までには11万台に規模を拡大していく予定である。本稿ではその先陣となるVIKINGについて紹介する。
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技術論文
技報No.49 技術論文1 説明画像

TIGMIG ハイブリッド溶接の開発と実用化 PDF

阿曽 秀明

モーターサイクルのアルミ車体フレーム溶接をロボット施工する際、種々の要因で「手直し」と呼ばれるハンド修正が行われる。本研究ではこの手直しの削減を目指し、アルミMIG溶接に共通する原理課題である、溶接始点の溶け込み不足に着目した。TIGアークによる事前溶融池形成を行うTIGMIG複合プロセスを検証し、複雑な形状の車体フレームに適用できるコンパクトなハードウェアの開発と、安定生産のための施工条件作り込みを行うことで、オンロードモデルにおいて68%の手直し工数ロス削減が実現した。
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技報No.49 技術論文2 説明画像

復興和船 2段積み輸送方式の開発 PDF

野村 佳孝

東日本大震災の復興支援として、ヤマハ発動機では和船の大増産を展開したが、それと同時に増産した舟艇の輸送能力の強化が求められた。そこで、三次元CADやCAE解析を活用し、新たに2段積みラックを3ヶ月という短期間で開発した。その結果、輸送能力は2倍になり、商品のタイムリーな供給が可能になっただけでなく輸送コストの50%削減も同時に実現した。
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技報No.49 技術論文3 説明画像

画像による無人車の不整地自律走行技術と果樹農業への活用提案 PDF

石山 健二/吉田 睦/深尾 隆則/村上 則幸

車輪が路面から受ける外乱が大きく、草や樹木の枝葉などが車両周囲状況の安定した計測を阻む不整地において、実用的な無人車の自律走行技術は確立されていない。我々は果樹園での農作業支援を想定し、比較的安価でシンプルな構成により、厳しい不整地環境に対応した技術を開発し実機検証してきた。本稿では上記取り組みの1つである、全方位カメラ画像による無人車の直接制御方法について提案する。また応用例として調査用カメラを搭載した無人車システムと果実検出手法について紹介する。
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技報No.49 技術論文4 説明画像

有効視野を用いたメンタルワークロード推定手法の基礎検討 ― ドライビングシミュレータ操縦を題材として― PDF

森島 圭祐/大本 浩司/山中 仁寛

近年、自動車において運転中に利用される情報通信サービスの普及が始まっている。これの安全な利用のために、運転者の情報処理の負担レベル(メンタルワークロード)に応じて運転者に提供する情報量をコントロールする必要がある。これを実現するためには、運転者のメンタルワークロードを推定する手法が不可欠である。そこで、本稿では運転者の有効視野に着目し、運転者のメンタルワークロードと有効視野との関係を明らかにした上で、ドライビングシミュレータの操縦を題材として、運転者の運転行動を妨げずに有効視野を推定する手法について検討を行った。その結果、メンタルワークロードの増加により有効視野が狭窄することを定量的に示すことができた。また、頭部を固定せず自由な視線移動が可能な状態において有効視野を計測する手法を確立した。さらに、処理の深さと広さを表す眼球運動関連パラメータを用いることで、運転者の有効視野を推定できる可能性があることを示した。これらより、視線情報を用いて運転者の運転作業に影響を及ぼさずにメンタルワークロードを推定できる可能性を示すことができた。
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技報No.49 技術論文5 説明画像

Support Effects of the Haptic Throttle Grip by the Friction Circle on the Driving Wheel PDF

藤戸 学/坂井 浩二/原薗 泰信

ライダーに対する運転支援システムの開発を目的として、モーターを接続することで操作反力を可変としたスロットルグリップを作製し、触覚・力覚を通して減速要求の情報を伝達することができるシステムを構築した。この情報伝達のための基本的な考え方として、タイヤの限界摩擦力を全方位でプロットしてつなげるとできる円(摩擦円)を使用した。これに対してエンジンから出力される駆動力と旋回によって発生する横力との合力が摩擦円の大きさに近づいた場合、それ以上駆動力を上げるとスリップする可能性があると判定して、このスロットルグリップの操作反力を増すことで減速要求を提示することとした。本システムを搭載した試験車両にて走行試験を行った結果、全てのテストライダーがこの操作反力の増加を試験車両からの減速要求として感じることができ、さらに駆動力と横力の合力が摩擦円を越えないように操作を導く運転支援効果があることが分かった。
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