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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.50 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.50(2014年12月)

巻頭言:「発」「悦・信」「魅」+「結」

巻頭言

「発」「悦・信」「魅」+「結」 PDF

柳 弘之

今、世界市場で、私達が企画・開発・生産したニューモデルが続々と投入されています。2013-2015年の中期計画に織り込んだ250モデルの60%が、2014年末迄に投入される見込みです。個々のモデルが、市場・お客様に「これがヤマハらしさです」と語りかける素晴らしい商品になっていて、私達の思いが伝わり始めています。マーケティングも、過去の繰り返しではなく、そこまでやる・そんなことまでやるという気概あるモデル導入により、思いを最大限に響かせようとする工夫が見られます。私自身、いろいろな現場でRevs Your Heartを実感しています。商品は、ブランドを表現する究極的な媒体です。それを企画・開発・生産・販売する仕事の過程で、「らしさ」を磨き・極めることがモノ創りです。「らしさ」とは、勝ちたい(負けたくない)ことです。それが何なのかを、語り抜き・考え抜き。そしてやり抜くことが真のモノ創りだと考えています。
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技術紹介
技報No.50 技術紹介1 説明画像

TRICITYの開発 PDF

高野 和久

小型の2輪オートマティックコミュータは、その手軽さから欧州や日本、アセアン地域の都市部で機動性のあるパーソナルビークルとして普及している。近年、交通渋滞の激しい各国の都市部で、小型ビークルの有用性が広く認知されるようになって、経済的な理由や環境問題からも、小型のパーソナルコミュータの支持は一層拡がる傾向にある。そのような中、4輪車ユーザの関心層も流入し、新たなカテゴリを形成しようとする動きがある。TRICITYは、当社が長期ビジョンで掲げる「パーソナルモビリティのフロンティア」創出のための新しい価値を提案するヤマハLMW(リーニング・マルチ・ホイール)の第1弾である。なお、本製品は当初より欧州や日本、アセアン地域へのグローバル展開を想定して開発を進めた。本稿では、当社にとって初となるリーニング・マルチ・ホイール開発の技術的トピックスを紹介する。
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技報No.50 技術紹介2 説明画像

船外機用機能プロペラの開発 ~SDS(SHIFT DAMPENER SYSTEM)~ PDF

恒川 弘之/湯川 俊介/黒木 陽平

近年、北米を中心とした市場ではヤマハ発動機(以下、当社)がけん引する形で船外機の大型化が進んできたが、他社もこの動きに追従し、競争が激しくなってきていた。そのような中、2007年に当社が他社に先駆けて、世界最大馬力となる船外機F350A(V85330㎤)を市場に投入した。F350Aは、プロペラのボス(筒部)や翼も船外機としては最大のものとなり、慣性マスが増大した。その結果、シフトイン時の衝撃音(シフトショック)も今までの船外機とは比べ物にならない程の大きさとなり、生産立ち上げ後に市場からコンプレイン(不満の声)が上がったため、早急な対応が求められた。対応に関しては、既に販売しているモデルであり、市場対応を考慮するとエンジン、ロワーユニットの大幅な改良による対策は困難と考え、市場で交換可能なプロペラで対応する方向で開発を進めた。本稿では、シフトショック衝撃音低減のために開発したSDS(Shift Dampener System)について紹介する。
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技報No.50 技術紹介3 説明画像

産業用搬送装置 リニアコンベアモジュールLCM100 の紹介 PDF

高木 克幸

ヤマハ発動機(株)IM事業部では、1979年にモーターサイクルの社内設備向けとして開発したスカラロボット“CAME”をきっかけに産業用ロボット事業が始まった。その後、スカラ以外にも単軸、直交、パラレルリンクなど各種のロボットを開発し、工場の自動化を支援する産業用機械メーカとしての発展を続けている。ものづくりにおいて、工場内の自動組立てラインで製品を生産する場合、一般的には「部品を供給し」、「その部品を製品に組付け」、「次の工程に運ぶ」という動作を繰返すことで製品は組立てられていく。このうちの「次の工程に運ぶ」ことは、「搬送」、あるいは「工程間搬送」と呼ばれ、ベルトコンベア、ローラーコンベアが多く用いられている。リニアコンベアモジュールは、モジュール構造による運用の柔軟性、リニアモータによる圧倒的な搬送速度、サーボ制御による多彩な動作をもって、工程間搬送に新しい提案を行うべく開発された。本稿では、リニアコンベアモジュールの開発の背景と特徴を紹介する。
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技報No.50 技術紹介4 説明画像

自律ビークル用ECU ソフトウェアの短期開発技術について PDF

藤井 北斗/神谷 剛志

近年、燃費向上や環境への配慮からモーターサイクルや自動車用エンジンでダウンサイジング化に伴う小型軽量化と高機能化が進められている。そのため、エンジン部品を構成する鉄物鍛造部品に関しても、完成品に近い素材形状(以下、ニアネットシェイプ)により材料費を低減しつつ軽量コンパクトかつ高強度化することが求められている。そして、そのニーズを具現化するための鍛造金型技術の向上も必要不可欠となっている。ヤマハモーターエンジニアリング(株)では、板金プレス技術をベースとした金型技術を活用して、鍛造金型についても成形金型を保持しながら加工精度を補完するダイセット金型の開発を行っている。今回、モーターサイクルで使用されるニアネットシェイプ鍛造品を標準的なプレス機で鍛造加工できるコンパクトなダイセットを開発した。その結果、設備投資を抑制したグローバルな工法展開が可能となった。
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技報No.50 技術紹介5 説明画像

水系電極スラリーを用いたリチウムイオン二次電池セルの開発 PDF

近藤 光央/大西 範幸

ヤマハ発動機(以下、当社)ではこれまで、屋外で人の代わりに測量や監視などを行う自律ビークルの研究を進めてきた。当社自律ビークルの制御システムは、自律制御など上位の制御を行う自律制御PCと、PCからの指示でスロットルやブレーキなどをアクチュエータモータによって制御する複数のECU(Electronic Control Unit)から構成されている。このような自律ビークルの研究において、ECU用ソフトウェアの実装や評価に必要な工数は決して少なくない。このことは開発期間の長期化を招き、開発コストを増大させるため、ソフトウェア開発速度の改善が切望されていた。そこで、自律ビークル用ECUをプラットフォーム化することで、ソフトウェアの開発期間短縮を実現した。本稿ではその開発技術について紹介する。
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技報No.50 技術紹介6 説明画像

冷間鍛造用コンパクト閉塞ダイセットの開発 PDF

北郷 博成/鈴木 幸人

近年、環境負荷の低減、将来のエネルギー問題等を背景として、様々な車両で電動化が進んでおり、使用するバッテリには小型・軽量なことから、リチウムイオン二次電池が注目されている。現在、リチウムイオン二次電池の正極スラリー(=塗工液)は、有機溶媒を用いるものが主流となっており、材料を結着させるバインダとしてポリフッ化ビニリデン(以下、PVdF)、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(以下、NMP)が用いられる。一方、負極については水系分散型バインダであるスチレン-ブタジエンゴム(以下、SBR)、および溶媒として水を用いたスラリーが主流となっている。そのような中で、NMPの工業的な利用はさまざまな形で制限されてきているため、環境負荷の少ない正極製造工程が求められている。当社では正極スラリーのバインダ-溶媒として、従来のPVdF-NMP系ではなく水系分散型バインダと水を用いる手法を検討した。その結果、従来にない超低発熱という特性を持つ、製造上の環境負荷が少ないリチウムイオン二次電池セルを実現させた。
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製品紹介
技報No.50 製品紹介1 説明画像

Nozza Grande PDF

岡本 直紀/村上 豊/藤原 祐

ベトナム二輪市場は、2013年には約280万台の需要があり、この中でスクータ(ATコミュータを含む)市場は約4割にあたる110万台規模で推移している。当社は、このベトナムスクータ市場に、102ccのCuxi、113ccのNozza、125ccのLuvias等を投入し市場を牽引してきた。本モデルは、優れた走行性能、燃費性能、環境性能を調和させる次世代エンジンとして開発された空冷4ストローク125cc・FIのCVTエンジンを、前後12インチホイールの洗練された造形美に優れたボディに搭載したベトナムスクータ市場の新たな牽引役となるモデルである。
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技報No.50 製品紹介2 説明画像

2015年型スーパースポーツ YZF-R1 PDF

安永 稔之/平野 啓典/矢野 真介/都丸 雄吾/佐川 勇輝/渡邊 隆志/藤原 英樹

コンパクトな車両にハイパワーエンジンを搭載し「セカンダリーロード最速」をコンセプトとした初代YZF-R1が誕生したのは1998年である。あれから17年、3度目のフルモデルチェンジを受けた2015年型YZF-R1は、主戦場をサーキットとし「競争で勝つための車」として完全に刷新された。
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技報No.50 製品紹介3 説明画像

「TRICITY」のデザイン開発 PDF

野口 浩稔/水谷 玄

「TRICITY」は、フロント2輪構造を特徴とする125ccのオートマチックシティコミュータである。当社の長期ビジョンに掲げる「パーソナルモビリティのフロンティア」を具現化する製品群の一つとして、新たなコミュータ市場の創造を目指して開発を行った。新しい楽しさを感じさせる軽快かつスポーティな走りや、扱いやすさと安定感を感じさせる各種の機能・性能に加え、それらを視覚的に伝える「お洒落で皆に好かれるカタチ」を目指したデザイン開発を行った。
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技報No.50 製品紹介4 説明画像

XT250P 災害対策用オフロード白バイ PDF

市川 真弓/鈴木 通之

ヤマハモーターエンジニアリング株式会社(以下、当社)は、白バイや教習車、消防活動二輪車(以下、赤バイ)といった特別装備車両(以下、特装車両)の商品企画および開発を行っている。赤バイなどの消防関連機器は日本国内、白バイは主に海外の国々に導入されており、当社はこれらの製品を通じて世界の人びとに安心で快適な環境を提供してきた。特装車両は一般向け車両とは異なり、顧客によってニーズも様々で、同じ白バイでも案件ごとに要求仕様が異なる場合もある。仕様書に落とし込まれた顧客の要望・ニーズを咀嚼して、これまでに蓄積した市場情報と照らし合わせながら、製品の導入目的・使用用途にマッチした商品を企画し、最終的な製品として具現化していくことが特装車両の企画・設計開発のポイントといえる。本稿では、特装車両開発のポイントを交えながら、XT250P災害対策用オフロード白バイを紹介する。
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技報No.50 製品紹介5 説明画像

フィッシングボート DFR, DFR-FB PDF

馬上 隆之

ヤマハ発動機株式会社では2011年にSR-X,YF-24の発売を開始し、フィッシングボートにおけるスクエアバウの機能と外観とを提案してきた。お客様からはご好評をいただき、新しい価値を提供できたと確信した。一方、35フィート以上のフィッシングボートのラインナップは、漁船から派生したモデルであり、性能、機能、外観はプレジャーボートとは異なるものであった。そこで、スクエアバウを有するフィッシングボートの最上位機種として36フィートのボート開発を行った。
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技報No.50 製品紹介6 説明画像

ヤマハらしさを追求した 2015年 VX / VXR PDF

佐藤 英吉/木野本 直樹/藤野 健一/森江 厚志/山本 尚志/吉田 竜也

Personal Water Craft(以下、PWC)は、夏のレジャーに欠かせない商品となってきた。今回、「新しいデザインでより快適により便利に」というお客様のニーズに合わせて大ヒットしたVXとVXRのフルモデルチェンジを実施した。VXはファーストタイムバイヤ(初めてPWCを購入されるお客様)でも扱いやすい性能や機能を備え、求めやすい価格で2005年より販売しているモデルである。今回もお客様が家族と一緒に水辺で過ごす様々なシーンを想定して、快適さと便利さを体感いただけるよう開発を行った。また、VXRはVXと部品を共用し、手軽でありながら業界トップクラスの性能を有したモデルである。1人で乗船しているお客様が水辺を高速で爽快に滑走するシーンを想定して性能の作り込みを行った。デザインは側面にクロムオーナメントを追加し、前後に広がるキーラインを特徴的に配置した。また、これまではメカ操作による前後進のシフト機構であったが、直感的にニュートラルや後進操作ができる電子制御を用いたRiDEシステムを導入した。この全てが新しい2015年モデルのVXとVXRを本稿で紹介する。
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技報No.50 製品紹介7 説明画像

船外機用PTT(F115 用)プラットフォームモデル PDF

浦野 真樹

ヤマハモーターハイドロリックシステム株式会社(以下、当社)は、船外機用パワーチルトに代表される電動油圧シリンダ製品や4輪・2輪のショックアブソーバなどの油圧製品をヤマハ発動機(株)やオーリンズレーシングAB、その他の客先へ提供している。当社のパワーチルトのラインナップは、船外機の必要性能およびコストとのマッチングから、小型船外機向けにはチルト機能(船外機を水面から上げる)のみのPOWER TILT(PT)、中型船外機向けにはトリム機能(プロペラ推進角調整)を重視した1本シリンダのPOWER TILT & TRIM(PTT)、大型船外機向けには3本シリンダのPTTとしており、ヤマハ発動機製船外機への装着率は80%を超えるシェアとなっている。このような背景から近年、事業戦略の一環としてさらなる事業拡大に注力し、新しい顧客獲得を進めてきた。そのために今回、従来は3本シリンダPTTの領域だった115馬力の船外機向けに大幅な製造原価低減を実現しながら、1本シリンダのPTTで性能を満足させるモデルを開発したので紹介する。なお、本モデルはプラットフォーム戦略の第一弾モデルであり、その考えについても紹介する。
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技報No.50 製品紹介8 説明画像

PAS PW ユニットの開発 PDF

島田 慎也

1993年に世界で初めて電動アシスト自転車PASを開発・発売して以来、“人間感覚を最優先する”開発当初の理念を受け継ぎながら、年々商品の熟成を重ねてきた。国内の電動アシスト自転車市場は幼児2人同乗仕様など新需要の創出も合わせ年々拡大している。同様に欧州市場もここ数年増加の一途を辿っており2012年度は図1に示すように85万台を超える規模となっている。今回、日本と異なる自転車文化や法規のもとに進化している欧州市場にマッチする小型・軽量で高性能なOEM用ドライブユニットを開発したので紹介する。
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技報No.50 製品紹介9 説明画像

2015 モデルROV VIKING VI PDF

鈴木 孝典/林 智之/長尾 訓成

北米のROV(Recreational Off-Highway Vehicle)市場は現在、年20万台規模の需要があり、今後も伸長していくことが予想される。その用途は農業/酪農などの業務から狩猟などのレクレーションまで多岐に渡っている。それら広範な用途をカバーするために、昨年(2013年)VIKINGを開発、市場導入した。ところで、近年農業/酪農では「多人数」の人の移動に、狩猟などのレクレーションでは、家族や仲間との「多人数」乗車に加えて、「快適に」「楽しく」移動したいというニーズが高まってきている。そこで、VIKING(2014年モデル)より多人数が乗車可能で、走行性や居住性および実用性などを最適化した6人乗りモデル「VIKING VI」を開発したので、ここに紹介する。
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技報No.50 製品紹介10 説明画像

OT91 電動無人小型艇の紹介 PDF

青木 啓高

近年、マルチコプタをはじめ、無人機が様々な業種で活用されている。ヤマハ発動機(以下、当社)でも、農薬散布の産業用無人ヘリコプタを中心に無人機による事業を展開している。その中で、OT91電動無人小型艇は平水面の環境下で、遠隔操縦および自動航行が可能な小型艇として開発された。その主な用途は、無人艇による監視や観測・測量等、新規事業を創出するための運用検証である。加えて、船舶制御の研究開発用プラットフォームも兼ねている。本稿では、OT91電動無人小型艇の概要とその活用事例を紹介する。
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技報No.50 製品紹介11 説明画像

電動式乗用ホースレイヤー PDF

原田 雄三/吉野 靖彦

ヤマハモーターエンジニアリング株式会社では、1985年に消防自動車へ搭載する電動式ホースレイヤー(消防自動車から火災現場まで消防ホースを延長する消防用資機材)の販売を始めとして今日まで、手引きホースカーや消防活動二輪車(通称:赤バイ)、軽量二焦点型可搬式投光器などの消防機関向け製品の開発・販売をしてきた。今回紹介する電動式乗用ホースレイヤーは、立ち乗りで乗用運転できる電動式では国内唯一の製品であり、消防隊員の負担を軽減して消火活動に専念できるとの高い評価を得ている。1992年に初号機を発売して以来、基本スペックはそのままに小改良を重ねてきた。しかし、近年になって消防関係者から「もっと力強く走れないか」との要請を受けた。さらに、2010年から実施してきたヒヤリング結果から浮かび上がった操作性の改善要望も考慮してモデルチェンジを行った。本稿では、その概要と特徴を紹介する。
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技術論文
技報No.50 技術論文1 説明画像

小型船外機エンジン アルミ部品コストダウンへの取組み~理論値に基づいた高品質・高能率切削加工~ PDF

中井 典子/坂本 祐輔

近年、BRICS諸国の急成長によるマリンレジャーの多角化や、北米を中心とした環境対応、アジア・アフリカを中心とした根強い2ストロークエンジン要望など、顧客ニーズが多様化している。当社の船外機事業もこれに対して多彩な商品群を持つことで幅広いお客様にご支持をいただいてきた。一方、製造側にはこの多種多用な商品の製造に迅速に対応できる高い加工技術に加え、近年は国際競争力(特にコスト競争力)が求められている。今回の取組み対象であるシリンダライナ部は高温にさらされながらピストンと摺動する重要部位である。通常この加工には主軸剛性の高いボーリング専用機を用いるが、これは高額な上に汎用性も乏しい。そこで、今回の取組みでは「設備・刃具等の道具の選定方法」、「切削条件などパラメータ設定方法」に安定限界理論を用いることにより、安価な汎用機で高精度・高能率切削を可能にした。
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技報No.50 技術論文2 説明画像

Predictive Simulation of PFI Engine Combustion and Emission PDF

後藤 久司/森川 健志/山本 峰生/飯田 実

近年のコンピュータの発展およびエンジンにおける原理原則の研究解明により、3次元流動・燃焼シミュレーションを用いたエンジン開発の可能性が高まっている。これが可能になれば、試作・実験等の行程を減らせ、コスト削減・開発の短期化が達成できるだけでなく、計測不可能な現象やその要因を可視化できることから、開発の高効率化も見込める。これらの利点から、我々はこのシミュレーション、3次元CFD(Computational Fluid Dynamics)を開発フローに折り込むことを目的とし、そのツール化と高精度化、および突合せのための高度な計測を行ってきた。これまでのシミュレーション開発の結果、複数の条件において短時間で燃焼パターンおよび排ガスを精度良く予測できることを確認したので、これについて紹介する。
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技報No.50 技術論文3 説明画像

Reduced-order Modeling of Intake Air Dynamics in Single-cylinder Four-stroke Engine PDF

赤間 俊一/村山 恭規/迫田 茂穂

サージタンクのない自然吸気4ストロークガソリンエンジンの吸気ダイナミクスを低次元モデリングする手法を提案する。これにより吸気マニフォールド圧力を組み込みマイコンでリアルタイムに推定することが可能になる。なお、このモデリング手法は単気筒エンジン、および、独立スロットルを備えた多気筒エンジンに適用することができる。本稿ではまず吸気のダイナミクスについて図説し、次いで吸気マニフォールド圧力の推定手法を説明し、最後に本手法の実験結果を紹介する。
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