ヤマハが産業用無人ヘリコプターの第1号モデル「R-50」を完成させたのは、1987年のこと。優れた性能と安定性から、農薬散布をはじめ写真撮影などにも活躍するようになった。その後1997年10月には積載能力や作業性を向上させたヤマハ・エアロロボット「RMAX」を発売し、このモデルをベースに自律制御で目的地への正確な自動飛行を可能にした新機種の開発を進めた。

有珠山噴火を観測する「自律航行型 RMAX」(2000年3月)

さらに1999年には、カーナビに使われている全地球無線測位システムGPSを搭載した「自律航行型 RMAX」が完成。プログラム航行による可視範囲外での自律飛行観測に成功し、自律航行式無人ビークルの第1号として実用化した。この「自律航行型 RMAX」は、2000年3月の有珠山噴火の際に実施された「周辺の立ち入り・有人飛行禁止区域での地形・地質調査・観測」で活躍したほか、2001年2月の三宅島火山噴火では現地被害状況の調査にも成果を上げた。このGPS搭載モデルは、2003年4月より「RMAX Type G(UAV)」として商品化されている。また、2014年には4ストロークエンジンを搭載した応用性や汎用性の高いニューモデル「FAZER」を導入し、農業分野に加え防災業務や観測など、新たなソリューション領域での活躍も期待されている。

自律航行型無人艇「UMV」(2004年2月)
自律航行型無人陸上機「UGV」(2004年2月)

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