1955年7月1日に誕生したヤマハ発動機は、2005年に創立50周年の節目を迎えた。世界各地でさまざまな記念事業や式典が実施されたが、その一つが公益財団法人ヤマハ発動機スポーツ振興財団(YMFS)の設立だった。

もともとヤマハには、モータースポーツやマリンスポーツ、さらにはサッカーやラグビーと長く向き合ってきたことで、スポーツ振興における豊富な実績とノウハウがあった。創立50周年という節目を迎えるにあたり、スポーツ振興財団の設立が検討されたのは、公共財であるスポーツを支援することでヤマハらしい社会への還元を考えてのことだった。

ヤマハらしさは、その事業活動にも盛り込まれた。ヤマハの企業風土の一つである「チャレンジ精神」をキーワードに、YMFSのビジョンも「スポーツを通じて、夢の実現にチャレンジする人を応援する」ことと位置づけられた。「チャレンジする人」の定義や対象は、競技レベルや種目(分野)、選手や指導者、研究者といった立場に関わらず、夢を実現するために情熱を燃やすその「心」を応援し、「チャレンジする姿勢が称賛される社会づくり」に貢献したいという願いが込められた。

助成対象者からオリンピックやパラリンピックで活躍する選手も複数生まれている

2006年11月に正式に発足したYMFSの主な事業活動は、世界に羽ばたくたくましい人材の育成を目指す「スポーツチャレンジ助成事業」、表彰や調査・研究を行う「スポーツ文化・啓発事業」、そして心身ともに健全な子どもたちの育成を目指す「スポーツ振興支援事業」。スポーツチャレンジ助成事業で支援を受けたアスリートには、その後、オリンピックやパラリンピックで活躍した競技者も存在する。

スポーツ医・科学などスポーツ振興につながる学術研究も支援
心身ともに健全な子どもたちの育成を目指した事業活動も展開

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