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特集1 - アニュアルレポート2016

特集1に関する基本的な考え方をご覧いただけます。

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SPECIAL FEATURE 1

Challenge and Dedication for Prosperity世界の人々に豊かさと喜びを

アフリカにおける
社会的価値創出ビジネス

現在の12億人から、2050年には23億人へと急速な人口拡大が予想されるアフリカ。私たちは1970年代にアフリカに進出し、ヤマハの商品とサービスを提供し市場を開拓するとともに、事業を通じてその国の発展に貢献する「社会的価値創出ビジネス」を展開してきました。現在では、特約店とのパートナーシップにより、アフリカの52カ国で、二輪車、船外機、ボート、発電機、小型浄水装置などの販売・サービスを展開しています。

アフリカの市場開拓においてもヤマハらしさを追求

 ヤマハ発動機は、常に地域やお客さまに密着したビジネスを展開することで、高い信頼性を築いてきました。アフリカで展開している「社会的価値創出ビジネス」においても、それが変わることはありません。1970年代から関わってきた漁業プロジェクトにおいては、現地への日本式漁業の普及を推進し、地域の漁業振興につながりました。
 船外機やボート、二輪車など、当社の製品を長い期間、安全に使っていただくためにはメンテナンスが重要です。そこで、日本からサービススタッフを派遣し、現地のメカニックのトレーニングを実施しました。各国の特約店においても、プライベートメカニックにサービス技術の講習を行っています。また、メンテナンスに必要なアフターパーツの供給ネットワークも構築し、お客さまに迅速にサービスを提供できるようにしています。こういった取り組みは、お客さまからの信頼を得るだけでなく、地域における雇用創出にもつながっています。人々の暮らしが変わり、地域が発展することで、二輪車やマリン製品などのヤマハ製品が暮らしをより豊かなものに変えていきます。「社会的価値創出ビジネス」は、未来に向けた種まきなのです。

第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)への参加

写真:第6回アフリカ開発会議(TICAD)の様子

 当社は、2016年8月27日から28日まで、ケニア・ナイロビで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD)に参加しました。
「経済多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進」に関するテーマ別会議に出席した社長の柳は、当社が1970年代から関わっているアフリカの漁業振興をテーマに、船外機販売とメンテナンス技術普及および人材育成による多角的な貢献についてスピーチを行いました。
 また、TICADと併せて開催された経済産業省と日本貿易振興会主催のジャパンフェアでは、「保健衛生改善(感染症対策、安全な水の供給、医療、医薬)」分野のブースに出展し、小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」やワクチン輸送用に活躍する二輪車などの展示を行い、アフリカ各国の関係者に向けたPR活動を行いました。

※アフリカ開発会議(TICAD=Tokyo International Conference on African Development)は、アフリカの開発をテーマとする国際会議で、1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)および世界銀行と共同で開催されています。

漁業支援を通じた船外機ビジネス

 アフリカの漁業には手漕ぎ木製ボートが主に使用されていました。ヤマハ発動機は漁業振興のために、漁村に日本の漁法を紹介しながら船外機の普及に努め、アフリカ漁業の近代化に寄与しました。漁業の振興とともに、木製ボートは、ヤマハが多くのノウハウを持つFRPボートへと進化を遂げていきます。FRPボートは耐久性、安全性、経済性に優れ、また森林伐採の削減という環境問題の改善にもつながりました。ボートを日本から輸送するにはコストがかかるため、現地でFRP船が製造できるように、工場立ち上げと製造の技術移転を6カ国で進め、現在モーリタニア、ケニア、モザンビークで年間約80隻が製造されています。今後も積極的に技術移転を進め、安全なボートの普及と高品質なボート製造のための人材育成を行うことで、技術者が育つ社会づくりに貢献していきます。

手漕ぎボートから動力ボートへ

動力化したことで、漁に出る回数が増え、漁獲量も増える。

写真:手漕ぎ木製ボート使用
手漕ぎ木製ボート使用
→ ↓
写真:船外機導入(水産無償援助活用)
船外機導入(水産無償援助活用)

木製ボートからFRPボートへ

耐久性が向上し、船を作り換える費用が減る。森林伐採の削減に貢献。

写真:木製ボート使用
木製ボート使用
→ ↓
写真:FRPボート導入(水産無償援助活用)
FRPボート導入(水産無償援助活用)

アフリカにおける漁業近代化

二輪車事業における公的需要への貢献

 アフリカにおいて、二輪車の多くは、バイクタクシーなど業務手段として利用されています。そこで当社は、ブランドの浸透に向けて、ポリスバイクや医薬品を搬送するNGO車両など、公益性が高い分野への二輪車供給、メンテナンスサービスを積極的に行っています。これにより、ヤマハブランドの信頼性・耐久性に高い評価をいただけるようになりました。また、「ヤマハライディングアカデミー(YRA)」の開催による安全運転の啓発・普及や、YRAのインストラクター育成、二輪車のメンテナンスを行うメカニックへの技術支援なども行っています。さらに2015年には、仏商社のCFAOと合弁会社を設立し、ナイジェリアにおいて二輪車の組み立てを開始しました。豊かな社会づくりに貢献すると同時に、ヤマハブランドの価値向上を図り、「楽しい移動を創るパーソナルモビリティー」の世界を、アフリカにおいても実現していきます。

NGO車両
NGO車両
写真:Riders for Health supported by Two Wheels for Life
写真:ウガンダ バイクタクシー
ウガンダ バイクタクシー

クリーンウォーターシステムによる生活環境改善

SDGs 目標3:すべての人に健康と福祉をSDGs 目標4: 質の高い教育をみんなにSDGs 目標5: ジェンダー平等を実現しようSDGs 目標6:安全な水とトイレをみんなにSDGs 目標 8: 働きがいも経済成長もSDGs 目標15: 陸の豊かさも守ろう

 WHO/UNICEFの2015年のデータによると、「安全な飲料水」を利用できない人の数は世界で6億5,000万人以上に上るとされています。ヤマハ発動機は、小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム(YCW)」の普及を進めており、これまでにアフリカでは7基を設置しました。YCWは、自然の浄化作用を利用した緩速ろ過システムであり、構造がシンプルでメンテナンスも容易、しかもランニングコストがほとんどかからないといった特長があります。浄化した水を飲用や食事に使えるようになったことで、下痢や皮膚病などの病気が減り、母親の衛生意識の向上につながり、乳児の死亡率も減少しています。水汲みという重労働から解放された子どもたちも、学校に通う時間が増えています。 (関連記事)

小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム(YCW)」の普及状況
写真:ヤマハクリーンウォーターシステム(YCW)
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