基盤技術
モビリティや暮らしに変化をもたらしてきた技術の「軌跡」
ベルサイユ宮殿の噴水に水を汲み上げる労力を軽減したい。そこにエンジンの必要性を感じたのは、土星の輪の発見者であるC・ホイエンス氏だと言われています。その着想は後に世界中の技術者たちに引き継がれ、やがて19世紀になって今日のエンジンの基本形が誕生しました。
ヤマハ発動機の起源となったパワートレイン技術は、創業とともに世に送り出されたオートバイ「YA-1」に搭載されていた2ストローク125㏄に端を発し、以来、半世紀以上にわたって研究を重ね、人々の暮らしに寄り添いながら、性能や品質を高め、その用途を拡げています。
人間の感性に訴えるモノ創り。私たちが大切にしているのは人の感覚、人のきもち。電磁誘導によるゴルフカーの自動走行、二輪車のエンジンや車体の制御などに始まり、電動アシスト自転車・電動車いす、船外機やボート、産業用無人ヘリコプター・ドローン、ロボティクスへとヤマハ発動機の電子制御技術は拡がり続けています。
ヤマハ発動機の製品の多くは陸や水上で活躍する乗りものです。エンジンやモーターなどのパワートレインが生み出す「力」は、優れた車体・艇体と組み合わさることによって初めて使いこなすことができるようになります。さまざまな設計技術、素材の加工・応用技術の開発、人の感性による評価、その技術的な定量化などに取り組みながら、人と機械の間に「人機一体」感を生み出すモノ創りに取り組んでいます。
「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」ために作られるヤマハ発動機の製品は、創業の地に連なる日本の磐田をはじめ、さまざまな地域で生み出されています。エンジニアやデザイナーの企画やアイデアが、実際の製品となって多くの人々の手に渡り、暮らしを彩り、役立つようになるには、「生産」のためのさまざまな技術開発や知見の蓄積も欠かせない技術要素です。