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扱いやすいCVTエンジン

ヤマハ発動機の技術ストーリーをご紹介します。

「ベルーガ50」

ベルーガとは北極圏に棲むシロイルカのことですが、その名で登場したヤマハスクーターが1981年の「ベルーガ50」でした。ヤマハの量産スクーターとして初めて扱いやすいCVT(Vベルト自動無段変速機構)エンジンを搭載、以後CVTは多くの原付1種50cc及び各排気量のスクーターに熟成されながら織り込まれ、いまもスクーター、スポーツスクーターの扱い易さを支えています。
1977年発売の原付1種スクーター「パッソル」は、フラットなフットボードをもち、足を揃えて乗れるステップスルーが特徴でした。主婦を含め女性の新しいお客様を増やし、ヒット商品となりました。姉妹モデルも続いて登場してマーケットを広げました。ただ軽さを優先した「パッソル」系は変速装置がなく、速度を上げるとエンジン回転数も上昇するものでした。そこでさらなる扱いやすさを追求し実用化したのがCVTエンジンの「ベルーガ50」だったのです。
CVTは、駆動力伝達と無段階の変速を同時に行うシステムです。谷形の前後のプーリー(滑車)の中に、断面がV字型のベルトが挟まりつなぐようになっており、プーリーとベルトの摩擦で駆動力を後輪に伝えながら、変速作業を行います。エンジン回転数に応じてプーリーが動くので、Vベルトとの接触部が変わり(事実上プーリー外径が変化)、変速比を無段階で変えることができるのです(#1)。特に「ベルーガ50」のCVTでは、スノーモビル用のCVTからヒントを得てトルクカムと呼ぶ機構を織りこみ、再加速時や登坂などでも、負荷に応じた変速比を得ることができるようになっていました。
このCVTは、以後50ccから250cc、400ccとヤマハの全スクーターに、用途に応じ最適なセッティングにより搭載されています。現行の「Majesty YP250」では、YCC-ATと呼ぶ電子制御によるCVTを搭載、さまざまな走行状況に合せ変速特性を3種から選べ、モーターサイクルのような「シフトダウンによるエンジンブレーキ」や、「力強い加速感」をボタン操作の切替えで得られます。高精度な制御技術の織り込みにより、CVTが新しい走りの味を提供しているのです。

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