マリン 制御実験
「マリン 制御実験」を担当する社員の仕事内容を紹介します。
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エンジンサプライヤーからシステムサプライヤーへ。
ヤマハ発動機のマリン事業における主力製品の一つ、船外機。約180の国や地域で販売されており、世界シェアは3割を超える。主要市場の北米・欧州では、プレジャーボートの需要拡大に伴って大型船外機の需要が伸びている。
こうした状況の中でヤマハ発動機は、さらなる成長につなげていくため、エンジンサプライヤーからシステムサプライヤーへとポテンシャルを高める戦略を推進している。船外機中心の事業から、「操船システム」などの周辺システムへ事業を拡大していく取り組みだ。山中はその操船システムの開発に携わっている。
「操船システムとは、ステアリングやシフト操作、スロットル開度など、船外機のコントロールを電子制御するものです。ヤマハ発動機は『ヘルムマスター(※1)』という独自の操船制御システムを開発し、すでに市場に導入しています」
ヘルムマスターは、低速時にジョイスティック1本で前後左右への移動や360度の旋回ができるという革新的な特長を持つ。さらにGPSを利用して船の位置を維持する「定点保持機能」も搭載している。特定ポイントで釣りをしたいときなどに便利な機能だ。
「入社以来、定点保持機能のアップグレードなど、操船システムをより進化させる開発に携わってきました。現在は開発段階のシステムを実際の船で実験評価するプロジェクトを担当しています」
「制御を感じさせない制御」を目指して。
電子制御は、ヤマハ発動機におけるコア技術の一つだ。バイク、ゴルフカー、電動車いすなど、あらゆる製品に先進の制御技術が盛り込まれている。そして各製品の制御技術には、共通している点がある。それは「人の感性」に近づくことを目指して技術が磨かれている点だ。
「操船システムの実験においても、定量的な評価だけでなく、フィーリングを大切にしています。制御が働いていることに気付かないほど、自然に、スムーズに、船を操れる。そんな操船システムを追求しています。『制御を感じさせない制御』を実現するのが、理想と言えるかもしれません」
主要市場である北米・欧州に出張し、現地の提携ボートビルダー(ボートを建造する企業)と直接対話する機会もある。
「お客さまの使用シーンと制御のフィーリングが合っているかどうか、現地で初めて知ることもあるので、海外出張は貴重な機会です。実は入社当初は海外に興味がなく、英語も苦手だったんです。そんな私にも海外出張の経験をどんどん積ませてくれました。『自分にできるかな』と不安に感じている仕事も『思い切ってやってみろ』と挑戦させてくれる。こうした風土も、ヤマハ発動機の魅力だと実感しています」
自ら休日を楽しむことも大切。
多彩な経験を積む中で、制御エンジニアとしても、グローバル人材としても、幅を広げることができた山中。さらにはオフタイムの楽しみ方も、想像以上に広がったという。
「先輩が所有する船で釣りに行ったり、オフロードバイクで砂浜を走ったり。周りが多趣味な人ばかりですから、ヤマハ発動機に入社しなかったら体験できなかったかも、と思う休日は多いですね。そうそう、『何も持たずに無人島に行って、釣った魚だけで過ごそう』と言い出した同僚もいて。本当に実行したんですよ。ほとんど釣れなくて、腹ぺこで帰ってきましたけど(笑)」
自分自身が休日を楽しむことは、お客さまに楽しい休日を過ごしていただくためのモノ創りにもつながっていくと思う、と語る。
「ボートで休日を過ごすお客さまに『この機能がないボートはもう考えられない』と思っていただけるような新機能をいつか生み出したいですね。そのためにも、市場でお客さまの声を聞く機会を増やしたい。お客さま自身も気付いていないニーズを発見できるようになると、もう一歩先に行けるのかなと思います」
マリン事業では「マリン文化を変える、日常が変わる」という言葉を掲げている。その中で山中は、操船システムの進化を通じて新たな感動体験を創造し、日常の喜びとして浸透させていくことを目指している。
長崎で生まれ、福岡で育ちました。子どもの頃は、自転車でよくバス釣りに行っていました。学生時代は、バイクでよくイカや青物を狙って海釣りに行っていました。バイクも釣りも好き、という理由で、ヤマハ発動機に入社しました。
※所属部署、記事内容は、取材当時のものです。