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モーターサイクル 鋳造技術

「モーターサイクル 鋳造技術」を担当する社員の仕事内容を紹介します。

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本当の意味での一貫したモノ創りを実現させたい。

創業以前から培われてきた重要な技術。

高温で熱して溶かした金属を型に流し込み、目的の形状にする製造方法を「鋳造」という。湯煎したチョコレートを型に入れて固めるシーンを想像していただければ分かりやすいだろう。

ヤマハ発動機にとって鋳造は、「品質のヤマハ」「デザインのヤマハ」という評価を支えている重要な技術の一つだ。1955年に創業する以前から、ピアノフレーム製造を通じて鋳造技術を培ってきた。その技術は創業後、軽量かつ外観の美しさが求められるバイク、高い信頼性・耐久性を求められる船外機など、多様な製品へ広がっていく。

2002年には、それまで困難といわれていた薄肉と大物を両立させるアルミダイキャスト部品(溶かしたアルミを高圧で型の中に射出し、成形する部品)を量産化できる「CFアルミダイキャスト技術」の開発に成功。この画期的な技術は今も多彩な製品の部品製造に使用されている。

独自開発にこだわって進化してきたヤマハ発動機の鋳造技術を、さらに進化させるために、森部は幅広い仕事に携わっている。

「デザイナーや設計担当の意図をくみ取り、量産体制に落とし込む『生産準備』、より高品質な鋳造部品を造るために新たな材料などを探る『工法開発』、デザインから設計、生産へと至る仕事の進め方を見直す『プロセス改革』などを担当しています。要は、鋳造に関することは何でもやります、という話です(笑)」

社員紹介写真
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直接会って話し合える、という強み。

鋳造において金型の中は、いわばブラックボックスだ。溶かした金属が金型の中をどのように流れ、どのように固まっていくのかを、直接見ることはできない。そこに鋳造の難しさがある。

「どこから溶湯(溶けた金属)を入れ込んで行き渡らせれば、狙い通りの形を高い品質で造ることができるか。それを予測することは、生産準備において重要なポイントの一つです。もし質の悪い生産準備をすると、溶湯が途中で固まってしまい、完成品に筋が入ってしまいます。溶湯を流し込むときに空気を巻き込み、それが原因で『巣』と呼ばれる空洞が生じてしまうこともあります」

こうした事象を防ぐために、製品形状をデザイナーや設計担当に提案することもあるという。

「このような形状にすると、この凝固変化が起こらないので、より低コストで高品質な部品にできます――と私から提案することもあります。デザイン・設計担当の機能要求を満たしながら、高品質・高効率に生産するための要件も満たす。その着地点をうまく見つけることは、鋳造の生産準備担当にとって非常に大切な仕事です」

デザイン、設計、生産が一体となったモノ創りを進めやすい環境であることも実感している。

「ヤマハ発動機は磐田市の本社とその周辺に、デザイン、設計、生産の各部門がある程度集中しています。このメリットは大きいと思いますね。他部門と直接顔を合わせて打ち合わせをする機会を作りやすいですから。やはり直接会って話した方がお互いに意思を伝えやすいと実感しています」

社員紹介写真
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「思い」をしっかりと把握して取り組む生産を。

一人ひとりのチャレンジを支える風土も肌で感じている。

「今取り組んでいる工法開発やプロセス改革は、私から『これをやりたいのですが』と言い出して進めているものです。上司も『いいよ、やってみよう』と一任してチャレンジさせてくれました。ヤマハ発動機には、社員のチャレンジ精神に対して自由で寛容な風土があると思います。ただし、自由には責任も伴います。責任に対して自分が向き合えるか、という覚悟が必要であることも伝えたいですね」

自ら仕事の幅を広げた結果、他部署からも協力の要請が届くようになったという。

「社内で『森部は広い視野でモノ創りの改善に取り組んでいるな』と認めてもらえて、今では部品の投資戦略にも関わらせてもらっています。他部門の業務ですが、声がかかりました。部署の垣根を軽く飛び越える感じがヤマハらしいですよね」

今後は「デザインから生産まで、本当の意味での一貫したモノ創り」の実現を目指していく。

「デザイナーが生産技術をもっと知り、生産技術担当がデザインをもっと知る。そんな一体感をさらに高めていきたいですね。『この形状の部品を造ってほしい』という情報だけを基に生産するのと、デザイナーや設計担当の思いをしっかりと把握して取り組む生産は、まったく違うと思いますから」

デザイン、設計、生産。それぞれの熱い思いが融合することで、ヤマハ発動機のモノ創りは進化してきた。森部はその伝統を受け継ぎ、鋳造技術の枠にとらわれず、モノ創りそのものを進化させようとしている。

社員プロフィール写真

モーターサイクル 鋳造技術

スーパースポーツのバイク「YZF-R6」に採用された、マグネシウム製リアフレームの生産準備を担当した時に、デザイナーと一緒にちょっとした「遊び心」を入れました。シートの隙間からリアフレームをのぞくと「MORIMACHI JAPAN」という鋳出し文字が見えるようにしたんです。リアフレームを製造する森町工場の名を世界に響かせようという狙いでした。

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ヤマハ入社後に初めて買った愛車でツーリング。

※所属部署、記事内容は、取材当時のものです。

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