モーターサイクル CAE解析
「モーターサイクル CAE解析」を担当する社員の仕事内容を紹介します。
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シミュレーションにより、開発効率化に貢献。
倉田の担当する「CAE解析」のCAEは、Computer Aided Engineeringの略称。直訳すると「コンピューター支援工学」となる。実際に倉田はコンピューターを活用し、より良い製品をより短期間で開発できるよう、設計担当や実験担当を支援している。
「バイクのフレームやカウルの強度解析、流体解析などを行っています。『部品の強度が成立しているか』『走行時に空気がどう流れるか』などを、試作品による実験評価の前に、コンピューター上でシミュレーションすることが私の役割です」
CAE解析には数多くのメリットがあるという。
「強度の弱い部分や空気の流れを可視化できたり、数値で表したりできるのがCAE解析の大きな利点です。また、たくさんの形状を短期間で評価できるので、最適な形状を発見するまでにかかる時間も短縮できます」
さらに倉田は、単に解析結果を示すだけでなく、設計担当のアイデアを手助けすることも心がけている。
「強度が不足しているという結果が出たときに、なぜ不足しているのか、どうすれば強くなるのかを算出し、『このように形状を変えたら、この問題は解決します』と設計担当に提案することもあります。一歩踏み込んだ解析で設計を手助けできたときは、感じるやりがいも大きいですね」
航空機にはない、バイクを解析する難しさ。
大学時代は航空宇宙工学を専攻していた。
「スペースシャトルのような羽のある宇宙機は、どのような形状が適しているのかを、流体解析技術などを使って追究していました」
同じ解析でも、航空機とバイクの違いは大きいという。
「バイクは航空機と違って地面の上を走りますし、操作するライダーが構造に大きく影響する乗り物なので難しいですね。体重50キロの人が乗ることも、100キロの人が乗ることも想定する必要があります。山道を走るか、舗装路を走るかでも、必要な強度は変わります。解析に当たって考えるべきことが思っていた以上にたくさんあり、だからこそ面白いとも感じています」
大学での研究と、社会でのモノ創りの違いも実感している。
「シミュレーションは理想状態のもとで計算した結果なので、試作した部品で実験した際、想定通りの強度が出ないこともあります。そこで『合わなかった』で終わるのではなく、なぜシミュレーション結果と合わないのか、設計担当・実験担当と共に原因を突き詰めながら、モノをつくり込んでいくのが楽しいですね。大学での研究では味わったことのない楽しさです」
バイクに動く羽根を付けられたら。
構造解析と流体解析のさらなる知識・スキル向上に取り組む倉田。目標は、この2分野を組み合わせた解析を行えるようになることだという。
「今、解析の世界では『いろんな分野の解析を組み合わせることで、解析精度をより高めよう』という潮流が起きています。その流れに対応できるよう、社内で率先して取り組んでいきたいと考えています」
2分野を組み合わせた解析は、新たな製品づくりにもつながると考えている。
「例えば私は航空宇宙工学を専攻していたこともあり、バイクに動く羽根を付けられたら楽しいのではないかと思っているんです。自動車のエアロパーツのような、整流効果を高める羽根です。もし開発するとしたら、空気の流れを解析できると同時に、羽根にどのような強度が必要になるのかも解析する必要があります。これは一例ですが、このように構造解析と流体解析を組み合わせることで、新しい製品づくりに役立てられるのではないかと考えています」
その先に見据えているのは、バイクに限らない「モビリティ」の開発だ。
「陸・海・空、どのフィールドかは問いません。『操る楽しさ』を伝えられる乗り物の開発に携わりたいですね。移動するために乗るのではなく、乗ること自体が目的になる、そんな楽しいモビリティ。車両の開発において人の感性をとても大切にしているヤマハ発動機だからこそ、実現可能だと思っています」
海外拠点に解析技術を展開・教育する仕事も担当しています。これまでに台湾とイタリアに行きました。現地では指導する立場だったのですが、一方で驚くような発想力を持つ人が各国にいることも感じました。そのような人たちといつか、一緒に新しいモノ創りに取り組むことができたらと考えています。
※所属部署、記事内容は、取材当時のものです。