調達 部品バイヤー
「調達 部品バイヤー」を担当する社員の仕事内容を紹介します。
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「買う」だけではない調達の仕事。
あなたは調達の仕事と聞いて、どのような内容を想像するだろう。
「ヤマハ発動機の製品は、ヤマハ発動機でつくった部品だけでできているわけではありません。モーターサイクルにも、船外機にも、サプライヤーさまから購入する部品が数多く使われています。その購入部品を取り扱うのが、調達の仕事です」
こう説明するのは、調達部門でゴム部品を担当するバイヤーの藤田。
「購入部品といっても、基本的にヤマハ発動機のためのオーダーメード部品です。多くの部品は、ヤマハ発動機の設計担当が図面を描き、その図面を基にサプライヤーさまに製造を依頼、製作していただいた部品を購入します」
その依頼を担うのが調達担当である。ここまでは想像がつくはずだ。しかしそれだけではない。設計図を描く段階から調達担当は開発に参画している。
「図面についてサプライヤーさまと共に検討し、設計担当に『形状をこのように変えるとコストを抑えられます』『あるサプライヤーさまが新しい素材や工法を開発しました』と提案をすることもあります。目指すのは『価格は下げつつ、機能は上げる』。部品一つひとつに対してこのような取り組みを行っています。こうした仕事を『部品の作り込み』や『開発購買』と呼んでいます」
部品1つでも納入が止まると、生産が止まる。
部品の作り込みの他に、調達担当には重要なミッションがある。既存部品を安定的に調達するための取り組みだ。
「私たちが仕事で最も大事にしていることは『日々の生産を止めないこと』です。たとえ1部品でもサプライヤーさまからの納入が止まると、その日はモーターサイクルや船外機の生産ができません。工場での生産の準備も、貨物船の手配も、無駄になります。何より、製品を楽しみにしているお客さまをお待たせしてしまうことになってしまいます」
ならば在庫を持てばよいのではないか、と思うかもしれない。
「在庫を持つと倉庫代が必要になりますし、部品が劣化する恐れもあります。製品のマイナーチェンジで結局、部品が使えなくなることもあり得ます。だから基本的に在庫は持ちません。『日々の生産を止めないこと』とは、つまり『日々の部品供給を止めないこと』なんです」
モーターサイクル・船外機の全製品が生産できなくなる危機。
調達は国際情勢や自然災害の影響も受ける。世界的な半導体不足のニュースを覚えている方も多いだろう。
「世界のどこでどのような問題が起きても、私たちの仕事に関わってきます。リスクヘッジをどう図るかを常に検討しています」
実際、コロナ禍の影響で大きな危機に直面したことがあった。あるサプライヤーから「材料が入手できない。このままでは部品が供給できなくなる」という連絡が入ったのだ。それはモーターサイクル・船外機の全製品が生産できなくなることを意味する。
「迅速な行動と判断が必要でした。問題の報告を受けた当日にサプライヤーさまと協議を開始。情報を整理し、供給網のどこがボトルネックかを洗い出し、短期間で対策の検討を行いました。関連する多くの部門のメンバーを巻き込み、その結果、『生産を止める』という最悪の事態を避けることができたんです。あの時の緊張感と安堵感は忘れられません」
海外駐在のチャンスが多い部署。
調達の仕事の醍醐味の一つは「利益責任と裁量の大きさ」だと藤田はいう。
「部品の価格を決定するのも調達の役割です。例えば1つの部品の価格を1円下げると、その部品を年間で100万個購入するとしたら、年間100万円の原価低減となります。交渉はサプライヤーさまの社長や役員の方々など、普段接することができない方と行う機会も多く、そのような方と入社数年目の私が対等な立場で交渉できることも調達の仕事の面白さだと思います」
今、目標としているのは海外駐在。
「調達部門の先輩には海外駐在の経験者がとても多く、若いうちに行った人もたくさんいます。チャンスが多い部門なので、ぜひ私も早く経験したいですね。モノ創りの技術や調達スキルを海外拠点のメンバーに展開することで拠点の競争力を上げ、より良い製品を、より安く、安定的にお客さまに提供できるようにすることで、お客さまと会社に貢献することが今後の目標です」
休日には同僚とサーフィンに行きます。よく行くのは静波と御前崎。伊良湖まで行くこともあります。
それとヤマハスタジアムでサッカー観戦。応援しているチーム? もちろんジュビロ磐田です。
※所属部署、記事内容は、取材当時のものです。