レース結果・ニュース
ヤマハ発動機は新たな「レース」の場で、新たなチャレンジに取組みます。舞台は電気自動車のF1とも称される「フォーミュラE」


2025年7月26日
シーズン11 第15戦 ロンドン(イギリス)
エクセル・ロンドン・サーキット
タイムスケジュール(現地時間)
7/25(金) |
16:00 - 17:10 フリープラクティス1 |
7/26(土) |
10:00 - 11:10 フリープラクティス2 |

ヤマハ発動機からチームに帯同している
エンジニアのNorickです。
フォーミュラEの現地レポートをお届けします。
フリープラクティス
前回の第14戦ベルリン大会で#22ゼイン・マロニーのマシンを襲ったMCU(モーターコントロールユニット)のトラブルの原因を特定。更なる調査が必要と判断し、スペアのパワートレインに載せ替え、マシンをセットアップ。
エクセル・ロンドン・サーキットは屋内と屋外の複合コース。屋内や屋外、場所によって路面の状況が大きく変化する、非常にトリッキーなコースとなっている。
7/25(金)、フリープラクティス1。天候は晴れ。
#11ルーカス・ディ・グラッシは3周のウォームアップの後、プッシュを開始。2回目のプッシュラップでバンプ(路面の凸部分)を乗り越える際にクラッシュセンサーが反応してしまい、その場でストップ。赤旗中断。コースマーシャルに牽引されてピットに戻る。原因の特定ができず、センサーをクリアし、セッションを再開するが、また同じ場所でストップ。再度、赤旗中断を引き起こしてしまう。まともに走行チェックが行えないまま、セッションを終える。原因はバンプに乗り上げた際に生じた配線トラブルであった。
#22ゼイン・マロニーはセッティング出しに苦しみ、ペースがまったくあがらない状況が続いた。ブレーキング時のジャダー(激しい振動)やタイヤロックに悩まされる。


予選
気温は25℃、ドライコンディション。
ゼインはグループA、ルーカスはグループBでの予選。ペースがあがらず、ともにグループ予選11位の結果。ルーカスが21番グリッド、ゼインが22番グリッドからのスタートとなった。
決勝レース
37周・ピットブースト※あり
気温25℃・ドライコンディション
※ピットブースト
34秒間のピットストップと10%分の急速充電。これをレース中に一度、行わなければならない。バッテリー残量が60~40%の時に実行することができる。
#11ルーカス・ディ・グラッシ
ライバルたちがピットブーストに入り、前方がクリアになるタイミングで可能な限りポジションアップを狙う戦略。21番グリッドから絶好のスタートを切り、15番手にジャンプアップ。レース序盤、エネルギーをセーブしながら、ポジションキープに徹する。ライバルたちも最大限エネルギーをセーブする展開。
17周目、各車一斉にピットブーストへ入りだす。ここでルーカスはアタックモード(2分)を使用し、ポジションアップを図る。23周目までに5番手までポジションアップ。
ピットブーストのタイミングに、セイフティカー(隊列走行・追い抜き不可・車間が詰まる)やフルコースイエロー(全車速度制限50km/h・追い抜き不可・車間はキープ)が重なれば、ピットブーストでロスする時間が最小限に抑えられる。こういう状況になることを期待しつつ、タイミングを図っていたが、特に起こらなかったため、ピットインしピットブーストを開始。25周目、18番手でコース復帰するが、その際、ピットロードのホワイトラインを跨いでしまい、5秒のタイム加算ペナルティを受けてしまう。
2回目のアタックモード(6分)によるポジションアップに賭け、ぎりぎりまで使用を引き延ばすが、32周目に#33ダン・ティクタム(クプラ・キロ)がクラッシュし、セイフティカーが入ってしまう。セイフティカーが入っている間はアタックモードを使えない。35周目、グリーンフラッグが出て、ようやくセイフティカーが解除。あわせて総周回数が1周追加で、全38周となることが告知される。残り周回では6分のアタックモードを使い切れないことが確定してしまい、ルーカスはさらに10秒のタイム加算ペナルティ。16番手でチェッカーフラッグを受けるも、これらのペナルティにより、最終的に17位フィニッシュとなった。
#22ゼイン・マロニー
22番グリッドからのスタート。1周目早々、#7マクシミリアン・ギュンター(DSペンスキ―)がクラッシュし、マシンストップ。これにゼインも巻き込まれ、コース上に停止してしまう。セイフティカーが入り、隊列走行。この間にゼインはフロント周りのダメージチェックを行うため、ピットイン。すぐに隊列に復帰した。
16周目、1回目のアタックモード(2分)を使用。19周目までに9番手までポジションアップし、ピットブースト。20周目に20番手でコース復帰。21周目に2回目のアタックモード(6分)を使用した。29周目、テクニカル・トラブルのためにピットイン。残念ながら、そのままリタイアとなった。
22台中5台がリタイアするという波乱のレース展開であった。




サーキットから
明日が今シーズン最後のレース。ここまで長いようで、あっという間にも感じます。
チームメンバー、そしてドイツABTのサポートメンバー、日本ヤマハ発動機のサポートメンバーのみんなと協力してレースに臨みます!



