レース結果・ニュース
ヤマハ発動機は新たな「レース」の場で、新たなチャレンジに取組みます。舞台は電気自動車のF1とも称される「フォーミュラE」


2025年6月1日
シーズン11 第11戦 上海(中国)
上海インターナショナル・サーキット
タイムスケジュール(現地時間)
6/1(日) |
07:00 - 08:15 フリープラクティス3 |

ヤマハ発動機からチームに帯同している
エンジニアのNorickです。
フォーミュラEの現地レポートをお届けします。
フリープラクティス
悪天候に伴い、8時開始予定が7時開始に変更される。雨が断続的に降る中、セッションがスタート。各マシン、ウェットのセッティング。セッション開始後、多くのマシンがオーバーランを繰り返したため、安全上の理由でセッションは途中で中止となった。セッティングのチェックをする間もない状況であった。
予選
#22ゼイン・マロニーはグループA、#11ルーカス・ディ・グラッシはグループBにてグループ予選に挑む。
セッション開始は9時が予定されていたが、雨がひどくディレイを繰り返す。9時45分、デュエルを中止し、グループ予選の結果で決勝レースのグリッドを決める旨がアナウンスされた。雨の中、12分のセッションでタイムを残さねばならず、アウトラップ(ピットからコースインした直後の1周目)以降、各ドライバーはプッシュを繰り返すこととなる。
グループA予選。アタックを繰り返すが、タイムを縮めることができず、ゼインはグループ6番手で終える。
グループB予選。雨がひどくなり、各ドライバーはタイムを伸ばせない状況。ルーカスはアタック時間を減らしながらも、ライバルとの車間を調整。少しでもコースがクリアな状況をつくり、少ないラップで高タイムを狙う。アタック3ラップ目、グループ2番手のタイムを叩き出す。残り4分のところで、#16セバスチャン・ブエミがトラブルによりコース外でストップ。セッションは赤旗で一時中断となる。その後、セッションが再開されたが、雨脚がひどく、安全上の理由でセッションは終了となった。ルーカスはグループ2位が確定。
最終的な結果はルーカスが4番グリッド、ゼインが11番グリッド。シーズンを通し、チームにとって最も良い予選結果となった。


決勝レース
当初13時スタートが予定されていたが、強い雨のため、約1時間半遅れの14時34分に変更。セーフティカー先導でスタートし、タイヤを温めつつ、7周を隊列走行。8周目、ローリングスタートとなった。
直後、ルーカスを除く上位9台がアタックモードを使用。ルーカスは先頭集団からずらし、翌9周目にアタックモード(4分)を使用。ウェットコンディション下でオーバーステア傾向な車両と終始格闘するも、ポジションを落とす展開。ゼインも同様にオーバーステア傾向な車両と格闘しながら、9周目にアタックモード(4分)を使用。
10周目、6番手を走行していた#21ニック・デ・フリース(マヒンドラ)がコースアウト。7番手のルーカスは6番手にポジションアップするが、その後、徐々にポジションを下げていく。コースはラインを少しでも外すとスピンしそうな状況で、シビアなレースが続く。雨に強いゼインもポジションアップができない。
18周目、8番手を走行していたルーカスが二度目のアタックモード(4分)を使用。20周目、7番手を走行していた#7マキシミリアン・ギュンター(DSペンスキー)のスローダウンもあり、ルーカスは7番手、ゼインは10番手へ。23周目、ゼインが二度目のアタックモード(4分)を使用。
当初28周のレースが予定されていたが、セーフティカー先導でのスタートが考慮され、3周が追加。最終的に#11ルーカス・ディ・グラッシは9位でフィニッシュ。貴重な2ポイントを獲得した。#22ゼイン・マロニーは11位でフィニッシュ。残念ながらポイントは獲得できなかった。


サーキットから
今シーズンから、アタックモードは出力350kWで全輪での駆動が可能になり、圧倒的な加速でレース中のポジションアップに非常に有効に使えるようになりました。昨シーズンまでのようなレース中の無理な追い越しが不要になり、大きな波乱が減少しているため、レース中のストラテジーやオペレーションがさらに重要になってきています。些細なミスで1つ、2つのポジションを簡単に落としてしまうことから、より高い精度の予測と完璧な準備が求められるのです。
シーズン折り返し。私たちは序盤の信頼性の問題を乗り越え、パフォーマンスの向上に取り組んできました。今のローラ・ヤマハABTのポテンシャルは、コンスタントにポイントに手が届くポジションまで来ていると感じています。
東京(第8・9戦)→上海(第10・11戦)→テスト(スペイン)→ジャカルタ(第12戦)→ベルリン(第13・14戦)→ロンドン最終戦(第15・16戦)と連戦続き。なかなかタフな状況が続きますが、参戦1年目の私たちにとって毎戦毎戦が新しい発見と学び。一丸となってハードワークでチーム力を上げて行きます。応援、よろしくお願いいたします!



