レース結果・ニュース
ヤマハ発動機は新たな「レース」の場で、新たなチャレンジに取組みます。舞台は電気自動車のF1とも称される「フォーミュラE」


2025年5月18日
シーズン11 第9戦 東京(日本)
東京ストリートサーキット
タイムスケジュール(現地時間)
5/18(日) |
08:00 - 08:55 フリープラクティス3 |

ヤマハ発動機からチームに帯同している
エンジニアのNorickです。
フォーミュラEの現地レポートをお届けします。
フリープラクティス
前日のレースと異なり、路面はドライ。気温も高くなく、レースとして好条件。グループ予選のアタックに向け、セッションを実施。タイヤのウォームアップ確認を中心に、350kW走行のチェックも行った。
予選
#11ルーカス・ディ・グラッシ、#22ゼイン・マロニー、両ドライバーともにグループA予選。マシンの挙動も安定し、トラクションも良く、ともにセッション前半で良いタイムを残す。各マシン、最後のアタックに向け準備をしている最中、グループA予選の残り3分のところで#9ミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)がクラッシュし、赤旗中断。
フリープラクティスの残り3分が再開。この時点で#11ルーカス・ディ・グラッシはグループAのトップタイム。残り3分では2周が限度であり、デュエル進出を見据えたアクションを取った。コースがクリアになるのを待ち、1周目はタイヤを温め、2周目に最後のアタック。ライバルたちがタイムを更新する中、#11ルーカス・ディ・グラッシもグループAトップタイムをたたき出し、デュエル進出が確定した。#22ゼイン・マロニーもタイムを大幅に更新するが、グループA予選を8位で終える。
#11ルーカス・ディ・グラッシのデュエル(クォーターファイナル)は、#25ジャン‐エリック・ベルニュ(DSペンスキー)との一騎打ち。惜しくも敗退。
最終的な予選の結果は、#11ルーカス・ディ・グラッシが6番グリッド、#22ゼイン・マロニーが15番グリッドとなった。


決勝レース
#11ルーカス・ディ・グラッシはシーズン最高の6番グリッドからのスタート。東京ストリートサーキットはコース幅が狭く、オーバーテイクが困難なため、ポジションを落とさないことが重要。コースレイアウト上、レーシングラインから外れた位置からのスタート。ダスティな路面で、マシンの蹴りだしで遅れてしまい、スタート早々、ポジションを3つ落としてしまう。その後、一時12位まで後退するが、9周目に一度目のアタックモード(4分)を使用し、7位まで挽回。ライバルたちの激しい攻防で接触により壊れたパーツがコース上に落ちており、これの回収のため、12周目にフルコースイエローフラッグ(速度80km/h制限と追い抜き禁止)が振られる。中盤以降、先頭集団が数珠つなぎで走行する展開。23周目、前方の上位陣が全車アタックモードに。この時点で#11ルーカス・ディ・グラッシは9位。上位陣からずらし、24周目に二度目のアタックモードを使用し、7番手までポジションを上げる。29周目、先頭争いをしていた#5テイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン)がクラッシュによりリタイヤ。クラッシュしたマシンの回収のため、セイフティカーが入る。アディショナルラップ無し、残り1周半。6位でチェッカーフラッグを受けるが、クラッシュを誘発した#48エドアルド・モルタラ(マヒンドラ)に5秒加算のペナルティ。結果、5位でフィニッシュとなり、大きな10ポイントを獲得した。
#22ゼイン・マロニーは15番グリッドからのスタート。下位集団から抜け出せない厳しい状況が続く。アタックモードは4分・4分を選択。2回目のアタックモードはセイフティカーの影響で短縮となってしまい、活かすことができない。最終的には一つポジションを上げた14位でフィニッシュ。


サーキットから
前日に引き続き、多くのヤマハ発動機の仲間やファンたちが来場し、応援してくれました。本当にありがたく、心強かったです。5位という結果を見せることができたのがすごくうれしい。
スタート時のポジションダウンがなければ、もう少し上の結果だったかもなどと考えてしまいますが、これは贅沢というものですね。
レース中のちょっとしたオペレーションミス、たとえば予選でタイヤの温めが上手くいかなかったり、決勝でアタックモードやピットブーストのタイミングが1周ずれたり、みたいな。これまでのレースでは、そういう小さなミスでポジションを落とすことがありましたが、今回はとてもうまくいきました。
レース後のショートブリーフィングでルーカスが言ったのです。「今日のレース、良い点がたくさんあったが、今日は敢えて言わない。もっと上を目指すために更なる要改善点を語ろう。」と。彼の姿勢に感服するとともに、このチームでさらに高みを目指したいと改めて感じました。
次は二週間後の上海ダブルヘッダー(第10・11戦)。
上を目指して準備を進めます!



