重要な社会課題(マテリアリティ)解決への取り組み
重要な社会課題解決へのヤマハ発動機らしい取り組みをご紹介します。
企業価値の持続的な成長とともに社会・地球環境の持続的な発展を目指す私たちは、SDGsなどから抽出した社会課題のうち当社が展開する幅広い分野での事業活動を通して解決することができる重要な社会課題を特定して取り組みを推進しています。
2022年にはそれまでの4つの課題の見直しを行い、「交通・教育・産業」は「交通・産業」とし、「イノベーション」は「環境・資源」と「交通・産業」に含まれる要素が大きいことから振り分けを行い、「環境・資源」「交通・産業」「人材活躍推進」の3つの課題に再構成しました。また、取り組みテーマも社内外の環境変化に伴って見直しを行い、重点化して絞り込みました。
さらに2023年は、目標をより具体的に表現し、人権に関わるKPIを新たに設定するなど、全体を通して見直しを行いました。
なお、進捗確認を含めたマテリアリティの分析は、サステナビリティ委員会や取締役会を通して年1回以上実施しています。また、ESG経営の指標となるマテリアリティKPIの実績は担当役員の個人業績報酬の非財務評価の一部に、総合的な進捗(外部評価機関によるESG評価を含む)は代表取締役社長を含む役員の全社業績報酬の一部になっています。
当社が取り組む重要な社会課題(マテリアリティ)
環境・資源
カーボンニュートラルの実現を目指して
SDGsのアイコンに触れると設定したターゲットの詳細を確認できます。
当社の課題 | SDGs テーマ |
目指す姿(2030) | 中期目標(2022~2024) | 実績(2023) |
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二輪車・船外機等CO2を排出する基幹製品の環境負荷軽減 | 12.2
2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。 13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。 13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。 |
生産活動から排出されるCO2(売上高原単位)を2010年比で80%削減 (2035年までにネットゼロを実現) |
|生産活動からの売上当たりCO2排出量を2010年比で58%削減 *カーボンニュートラル2035年前倒しに伴い、目標を2024年58%削減に上方修正 |
|65%削減(2010年比) |
|再生可能エネルギー設備を10以上の国・地域に展開 | |14の国と地域に導入済、 ー電力に占める再生可能エネルギー比率は37% ー日本、インドネシア、インド、ベトナム、タイ、台湾、アメリカ、パキスタン、フィリピン、コロンビア、ブラジル*、イタリア*、フランス*、中国* *2023年新規導入国 |
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|ヤマハ発動機の国内事業所にCO2が排出されない方法で発電された電力を導入 | |国内主要事業所に水力発電由来の「静岡Greenでんき」を導入(2022年7月) グループ全体におけるスコープ1.2. CO2排出量の19%を削減 |
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9.4
2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。 13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。 |
電動化をはじめとする環境負荷の低いヤマハらしい製品開発・販売の推進 | |カーボンニュートラル燃料*を利用した、内燃機関の研究開発を推進 *水素、合成液体燃料、バイオ燃料など |
|国内二輪メーカー4社による水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE)の設立 |カーボンニュートラル対応のパワートレイン研究開発設備を導入、本格的な研究開発開始 ーHySEによるダカールラリー参加車両用水素エンジンの適合開発 ーゴルフカー用水素エンジン開発(北米発表) ーマリン用水素エンジン開発(マイアミボートショー発表) |
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|新たに8機種以上の電動二輪車をグローバルに市場導入 | |1機種導入済 ※累計で3機種導入。コロナ影響等で数か月の遅延はあるも、ほぼ計画通り進行中(2025年中盤までに8機種投入) |
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|新たなマリン電動コンセプトモデルの試作評価完了 | |マリン電動推進器メーカー トルキード社の買収契約を締結 |電動推進機と周辺技術を組み合わせたコンセプト艇の研究と試作評価を継続 |
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|新たに6機種以上の電動アシスト自転車をグローバルに市場導入 | |2機種市場導入 ※2023年度目標を達成、累計で5機種導入 |
海洋資源の保全を目指して
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当社の課題 | SDGs テーマ |
目指す姿(2030) | 中期目標(2022~2024) | 実績(2023) |
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マリントップブランド企業として海洋生態系の破壊や漁業資源枯渇のリスクを低減 | 9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。 |
ボート製品のリサイクル性向上 | |FRP廃材リサイクル技術研究を進め2024年までに実現技術を獲得 | |産学連携による研究を継続 |FRP廃材から抽出した原材料のリサイクル用途を開発中 |
|FRPの素材を自然由来素材に切り替え、2024年量産モデルより順次導入 | |植物由来セルロースナノファイバー強化樹脂を水上オートバイなど24年モデルのエンジンカバーに採用 | |||
14.2 2020 年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。 |
漁業の持続可能性に寄与するソリューションを確立 | |漁獲管理ソリューションの実証実験を経て、2024年にパイロット導入 | |パプアニューギニア(エビ漁)にて、漁業管理ソリューションの実証実験を開始 |
交通・産業
すべての人に安全でやさしい移動を
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当社の課題 | SDGs テーマ |
目指す姿(2030) | 中期目標(2022~2024) | 実績(2023) | |
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二輪車による交通死亡事故ゼロに向けた活動推進 | 3.6 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。 |
全交通死亡事故に占める二輪車運転者の割合を低減 | 技量 | |Yamaha Riding Academy(YRA)受講者数:前中計3年間の22万人に対し1.6倍増(35万2千人) | |開催数:2,255回/29カ国 受講者数:10万7千人 *23年度目標を達成、累計で23万7千人 |
技術 | |エアバッグ機能の技術研究・開発を推進 | |市場導入に向けて計画通り開発中 | |||
|事故回避のための周辺情報警報システム(前方・後方・死角・車線逸脱)の開発および2024年度内市場導入 | |市場導入に向けて計画通り開発中 | ||||
モビリティ技術を活用し、高齢者、子ども、過疎地など、交通弱者が利用できる交通インフラを提供 | 11.2 2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子ども、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。 |
低速自動走行システムの導入による交通弱者の減少を実現 | |2024年までに3カ所以上での実装に向け、限定された公道でのサービスカー自動運転技術を確立 | |政府主導プロジェクトに協力し、福井県永平寺町にて日本で初めてレベル4実装運用を開始 |実装展開地域の拡大に向けて活動を推進 |
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人をもっと幸せにする新しいモビリティの提供 | |2023年に新たな移動体験を提供するパーソナルモビリティ―を市場導入 | |市場検証結果から販売見送りと判断、改良を再検討 | |||
モビリティーサービスに対するアセット提供を通じて、利便性向上と雇用創出を実現 | 1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
二輪車を購入できない人でも生活水準の向上と安定した収入の獲得が可能なサービスを提供 | |新興国市場2、3カ国でモビリティサービスとして提供する事業を開始 | |インド・ナイジェリアでモビリティサービス事業開始 |その他市場への拡大検討 |
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|安全な移動・物流サービスを提供するスタートアップに対し資産リース(2024年で100〜150億円規模)などを通じて支援し、人々の基礎的サービスへのアクセス向上に貢献 | |インド・ナイジェリア事業の総資産残高は約80億円 |
ロボティクス技術で仕事を楽に快適に精密に
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当社の課題 | SDGs | 目指す姿(2030) | 中期目標(2022~2024) | 実績(2023) | |
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省人化により新たな時間を創出し、人が人らしく働ける環境を実現 | 8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 |
製造・農業・医療分野における新技術の事業化と効率化の促進 | 製造 | |2022年に工場間自動搬送を事業化し、2024年までに海外でのビジネス展開を図る | |国内事業は業界内での認知度が向上 (海外事業は展開に向けて検討中) |
|人による繰返し作業や高負担作業を支援し自動化するための自社製の協働ロボットを、2023年に工場へテスト導入し、2024年に本格的なビジネス展開を実施 | |協働ロボットの機能・使い勝手・安全性の強化を推進 |工場での運用評価に向けた準備が完了 |
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農業 | |農林水産省事業として、収量10%向上、減農薬・減肥料を実現するスマート農業システムを販売 | |農林水産省事業におけるスマート農業用ドローンを発売。農業収量増につながるスマート農業システムとの連携・実証は継続 | |||
|米国・豪州などで果樹農耕作業・育成状況監視の省人化技術・ビジネスを確立 | |投資先と連携強化し、計画通り開発中 | ||||
8.2
高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。 3.3 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。 |
医療 | |現行機種より精度の高い細胞ハンドリング装置の新機種を販売 | |画像解析技術など計画通りに開発進捗 | ||
|人それぞれにあった治療法を見出すための抗体検出サービスを提供 | |抗体を活用した医療・健康事業の新会社を設立、米国と日本で事業を展開 |
人材活躍推進
多様な人材で企業力強化を
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当社の課題 | SDGs テーマ |
目指す姿(2030) | 中期目標(2022~2024) | 実績(2023) |
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グローバル視点で人材を適時適切に配置し、エンゲージメントとパフォーマンスを最大化 | 5.5
政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 10.2 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 |
性別、出身国、原籍などの個人の属性によらない適材適所を実現し、多様な価値観を尊重しながら事業を推進 |
|海外子会社経営幹部のローカルタレント比率を55%以上 | |55.6% |
|グローバルモビリティ(国際間異動)を2024年末時点で10件程度実施 | |Yamaha Assignment Policy (YAP)を2020年に導入以来、国際間異動案件を実施 ー実施済(ミッション終了後帰国済)5件 ー実施中(駐在中)4件 ー準備中 3件 |
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|グループ全体での女性管理職比率13%以上(2024年末) | |11.1%(539人/4,846人) 拠点別女性管理職活用数 -YMC単体:50人(3.7%) ※出向者は出向先拠点でカウント -国内拠点:37人(5.5%) -海外拠点:452人(16.1%) |
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|本社社員エンゲージメントスコアを2021年比で20%以上向上(2024年 70%) | |3%アップ(2021年比) ※2021年59%、2022年は62%、2023年は61% |
人権尊重の企業責任を果たすために
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当社の課題 | SDGs テーマ |
目指す姿(2030) | 中期目標(2022~2024) | 実績(2023) |
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当社のサプライチェーン全体から人権侵害のリスクを排除 | 5.1
あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。 8.7
強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。 10.2
2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 16.2 子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。 |
人権に対する対応が体系的に整備され、人権リスクを最小化するための仕組みを効果的に運用 | |人権方針を策定し、グループ会社での採択100%を実現 | |「ヤマハ発動機グループ人権方針」を策定 |グループ会社での採択を100%完了 |
|サプライチェーンにおける販売店・調達先*との人権方針の合意割合の拡大 (2024年 80%→2027年 100%) *当社または子会社が、直接取引基本契約を締結している販売店・製品本体に関わるTier1の調達先 |
ー直材取引先 43%(2,348社 完了) ー販売店 21%(3,090社 完了) ー合算 27% |
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|グローバルでの救済メカニズム運用開始、リスク案件への適切な対応 | |既存ホットラインの活用・運用(社内) |新規ホットラインの開設・運用開始(社外) |