技報【バックナンバー】
ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
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| 特集 | 長谷川 至 メーカーにとって技術力が競争力の大きな柱の一つであることは、今さら言うまでもありません。しかし、真の技術力を世間がどれだけ正当に評価してくれているのかを考えると、どうしても矛盾を感じることがあります。会社の資産状況を表す指標に貸借対照表がありますが、ここには技術力が入っていません。特許を買ったときには無形固定資産として記載されますが、自社の本当の技術力は表現されていないのです。また、株主から見た企業価値の指標に時価総額(株価×発行済株式総数)があります。しかし株は、短期的な視点で売り買いされることも多く、真の技術力が長期的視点で評価されているかというと疑問です。技術には当然、秘密にしておかなければならない部分があって、実は、そこにこそ本当の価値がある場合も多いのですが、工夫をすれば効果的に評価を得ることも可能だと思います。当社も2003年に、証券アナリストやジャーナリストを対象とした「技術説明会」を開催しましたが、その後、株価は上昇し、転換社債の株式転換に結びつきました。 |
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小林 昇 浜名湖(静岡県)の片隅で生まれた小型の水上の乗り物は、現在、飛躍的に広がり、世界120カ国以上の水辺で、自由に楽しく走り回っている。Water Vehicle(以下、W/V)と呼ばれるような乗り物の開発の歴史は、比較的古い。昭和初期のフランスの特許を見ると、立って、座って、寝そべって操縦できるというコンセプトの水上の乗り物が登録されている。その後も、船体に関する新技術や新材料の発展、小型のマリンエンジンの開発により、多くのW/Vのような水上の乗り物が開発された。しかし、ヤマハ発動機(以下、当社)がW/Vを市場導入するまでは、数も少なく、メジャーには至らなかった。それは、操縦性の違和感からくる、「まるで別世界の特殊な乗り物」というイメージや、転覆、沈没、漂流という不安を払拭できなかったからである。1986年、当社は、小型船体にエンジンを密閉設置したW/Vを開発した。中央に座席を設け、その後部を開放して、立っても座ってもバランスよく操縦できることで、高い運動性を実現したモデルである。これは、落水や転覆しても、沈没の心配がなく、再乗船ができ、浅い所からでも自由に航走ができる乗り物である。我々はこの乗り物と共に、世界のマリン市場に挑戦したのである。そして、このW/Vをはじめとする、ジェット推進機の推力を用いた乗り物の未来は、これまでの開発活動の軌跡を見つめた先にあると信じている。 | |
藤田 宏昭 1984年、ヤマハ発動機(以下、当社)のIM(Intelligent Machinery)事業がスタートし、同じ年に最初のサーフェースマウンターが開発されてから、すでに21年が経過した。当時を振返ると、技術も販路も何も無い状態で、ただただ、自分達の生き残りをかけて、やみくもに突進していたことが思い出される。今日、このように事業規模だけでなく、技術開発についても大きな飛躍を遂げてこられたのは、秀でた指導者に恵まれ、諸先輩エンジニアの努力とともに、IM事業部(現・IMカンパニー、以下IM)設立当時のDNAが、次代のエンジニアにも着実に伝承されてきたことが大きいと感ずる。ここでは、現在、IMの主力商品に成長したマウンターに関する技術開発の変遷に焦点を当て、時代とともに、どのような進歩を遂げてきたかを簡単に紹介する。 | |
アラビア半島におけるATV市場の創造と開拓 ~アラビアのバンシー(YFZ350)~ 石田 道之/岩城 信雄/中嶋 輝之/宮本 知行/泊 伸弘 ヤマハ発動機は、1955年に創業した。その後、1963年頃からは、本格的に海外の様々な国や地域の市場開拓の一歩を踏み出し、1991年10月、海外市場開拓事業部(Overseas Market Development Operations:以下、OMDO)が設立された。OMDOは、アフリカ、カリブ海沿岸諸国、中米、西アジア、中近東、そしてロシアを担当地域として、現地密着営業活動、地域に根ざしたサービス活動、さらに国際協力と社会貢献を事業の柱として活動を行っている。当社は、アラビア半島において、ATV(All-Terrain Vehicle)、特に、YFZ350バンシーの需要創造・市場開拓を通じて、ひとつの大きな市場を代理店や顧客とともに築き上げた。本稿では、その需要創造と市場開拓の事例を紹介する。 | |
高橋 博幸 MAJESTYシリーズや、TMAX500を中心とするビッグスクーターは、現在、日本・欧州を中心に、多くのお客様にご愛用をいただいている。MAJESTY250は今年で10年目、TMAX500は5年目を迎える。これまでに、MAJESTYシリーズは合計約25万台、TMAX500は5万台強、併せて30万台以上販売されており、世界に通用するヤマハブランドのひとつになっている。ビッグスクーターの歴史は古く、昭和30年代にさかのぼり、ヤマハ発動機では「SC-1」が初代である。今回は、MAJESTY250、TMAX500を中心とした、近年のヤマハ・ビッグスクーターについて、今日までの生い立ちの概要を紹介する。 | |
深谷 光男 ヤマハ発動機が携帯発電機の第1号機を世に送り出したのは、1973年のことである。モデル名は、ET1250。2ストロークエンジンMT110を搭載した、定格出力1.2kVAのオープン型同期発電機である。あれから32年、軽薄短小化の時代と共に歩んできた当社携帯発電機は、軽量化とコンパクト化を一気に進め、同一出力で重量2分の1を達成した。定格出力2kVAの最新防音型モデルEF2000iSでは、4ストロークOHVエンジンを搭載し、フレームにアルミダイキャストを採用。軽量化と外観デザインの先進性をねらい、同時に"静かさ・軽さNo.1"のブランド戦略の旗印を追求した。本稿では、1号機から最新モデルまで、その発電技術の変遷を紹介する。 | |
松下 行男 1956年に、ヤマハ船外機の事業化の検討がスタートした。この頃、米国マリン業界では、戦後の船外機ブームが起きていた。ヤマハ船外機は、様々な経験を経て今日に至り、50年目を迎えようとしている。船外機らしき姿が現れてから、およそ140年の船外機の世界史から見ると、短いように見えるかもしれない。しかし、ヤマハ船外機にとっては決して平坦ではなく、長い長い道のりでもあった。それが今日、船外機の生産数量で世界一といわれるまでに至った。小特集として、限られた紙面の中だが、お客様とともに、ヤマハ船外機がここまでこられたという道のりを振り返ってみたい。 | |
| 製品紹介 | 冨永 隆史/木下 拓也/田中 裕/渡邊 隆志/隆谷 文緒/伊藤 和久 ヤマハ発動機株式会社(以下、当社)が、1999年の東京モーターショーに参考出品した「MT-01」は、新規性の高いコンセプトと独創的なスタイリングが高く評価され、欧州を中心に量産化を強く待望する声があった。顧客層の成熟化が進み、総需要約70万台の規模で安定化の傾向を強めている欧州二輪車市場の中で、スポーツカテゴリーは、その中核(総需要の約4分の1)をなし、かつ、排気量の大型化・商品嗜好の多様化が進み、現在も伸張を続けている重要な分野である。このような市場要望・市場背景の中、当社の独自性のさらなる明確化・それによるブランドイメージ高揚・成熟した顧客層への新たな商品提言のねらいのもと、“ソウルビートVツインスポーツ”を企画のキーワードに、“洗練された大人のための究極の趣味材”の具現化を目指して2005年モデル「MT-01」の開発を行った。 |
マウンターメーカーが作った実装検査装置 マウンティングインスペクター「Mi」 村松 啓且 アイパルス株式会社は、マウンター(表面実装機)によってプリント基板上に実装された電子部品の実装状態を高速に検査する実装検査装置(マウンティングインスペクター)「Mi」を開発した。本装置は通常、マウンターの後工程に設置され、搭載された電子部品の「あり」「なし」と、「位置ズレ」「角度ズレ」などを主に検査し、良品のみを後工程に供給するインライン型の実装状態検査装置であるとともに、マウンターとの連携や親和性にも重点を置き、実装ラインの生産品質をリアルタイムに監視し、生産品質の向上を目的とした装置である。 | |
並木 育男 環境問題に関心が高い欧米では、現在、様々な自転車タクシーが街の中を走っている。一方、日本では、明治時代に人力車というものが20万台あまりも存在していた。また、戦中、戦後のガソリン不足時代には、自転車の横に側車を付けるか、前または後部に座席を取り付けた輪タクという乗り物が、簡便な輸送手段として利用されていた。しかし、いずれも、路面電車や自動車のタクシーの登場、交通手段の発展とともに淘汰されていった。現在、日本では、東京や京都などの一部限定エリアで、外国製の自転車タクシーが、広告を兼ねた移動手段として利用されている。このように、自転車タクシーは、長い歴史的空白期間があったが、その環境に対する負荷の少なさが評価され、現代に復活することとなった。今回ヤマハ発動機は、"愛・地球博"の会場における、お客様の移動手段として、10年かけて培った電動ハイブリッド自転車PASのテクノロジーを応用し、7台の自転車タクシーを開発したので、紹介する。 | |
FOAMAP を採用した 「BaySports 21」「AeroSports 21」 福山 美洋/香山 晃/坂田 明子/宮下 祐司/末森 勝 国内では、徐々に景気回復の兆しが見え、高額所得者向けの中型ボート以上は堅調な売れ行きを示す一方、小型ボートの中でも、比較的安価で、ボート初心者などにも購入しやすい普及モデルの市場は伸び悩んでいる。そのような中、ヤマハ発動機(以下、当社)は、2004年に発売した「BaySports 16」に採用された新構造FOAMAP(Foam Manufacturing Process)によって、他社が追随できない圧倒的な技術力を持つに至った。この新構造を用いたモデルのラインナップ構築は、当社の命題であるとともに、上質の「安全性」「快適性」「利便性」を提供できる手段として、社内外からの期待が高い。今回、FOAMAP構造を採用したタイプの異なる2艇種、「BaySports21」と、「AeroSports 21」を同時開発したので紹介する。 | |
高橋 博幸/大平 優/峰 豊/高橋 透/鈴木 雅也/清水 正之/吉澤 彰浩/西村 光雄 2005年4月からの高速道路2人乗り解禁や、6月からのAT(オートマチック)免許新設など、国内二輪車市場には、追い風が吹き始めている。特に、軽二輪(126~250cm3)市場は、ビッグスクーターを中心に拡大基調であり、ヤマハ発動機では、AT免許新設等により、最大で+30%程度の販売台数の増加を予測している。一方、ビッグスクーター市場を牽引してきた当社MAJESTYシリーズのユーザーも確実に増え続け、1995年に発売以来、国内で10万台以上の販売を記録した。この10年の間に、お客様の好みが、実用志向、ツーリング志向、ファッション志向に大別される傾向になってきた。今回のMAXAM(マグザム)は、ファッション志向をより重視されるお客様にターゲットをあてた、MAJESTYシリーズに続く、ビッグスクーターである。 | |
リニアモーター単軸ロボット PHASER シリーズ MF タイプ 加茂川 良/石塚 健次/平野 暁史 近年、液晶製造装置の大型化や工場内の搬送設備の高速化に伴い、それらの駆動軸として、ロングストロークかつ高速、高精度なものが求められている。こうした市場要求に加え、単軸ロボットとしての新たな価値の付与や他社との差別化を図り、単軸ロボット市場での独創性を確立すべく、ヤマハ発動機株式会社IM(Intelligent Machinery)カンパニーでは、2003年11月に、シャフトタイプのコアレスリニアモーター単軸ロボットPHASERシリーズMRタイプを発売した。今回、同シリーズの上位機種として、高可搬質量、ロングストロークに対応できるMFタイプを市場に投入する。MFタイプは、MRタイプで開発、実用化した位置検出器(リニアスケール)を採用し、駆動モーターにコア付きリニアモーターを用いることで、最大可搬質量100kg、最大動作ストローク4mという大型単軸ロボットでありながら、高速、高精度かつ低価格な商品の開発を目標とした。 | |
長瀬 猛/神田 栄作/吉澤 彰浩/小野 朋寛 環境・エネルギー問題への関心は、近年ますます高まっている。ヤマハ発動機はその歴史の中でも、1991年の東京モーターショー出展の電動スクーター「FROG」を皮切りに、1993年には電動ハイブリッド自転車「PAS」を発売するなど、長年にわたり電動技術の研究開発を進めてきた。そして、2002年11月、単に既存原付スクーターの電動化製品としてではなく、電気動力の特性を活かし、クリーン&サイレントな新しい乗り物の世界を提唱するモデルとして、エレクトリックコミューター「Passol」を市場に本格導入した。トレンドに敏感な20代の女性や、電動ならではの扱いやすさ、軽さを求める方を中心に支持を得ている。その一方では、男性層を中心に、電動としての楽しさを求める声もあった。それら市場ニーズに応える、電気動力だからこそ可能な遊び心を加味した「ミニマム・ファン・コミューター」が「EC-02」である。 | |
| 技術紹介 | 林 邦之 松本零士氏の振りかざした斧が、船体をつないでいた支鋼(しこう)を切断すると、巨大な曲面のかたまりは、ゆっくりと水面にすべり下りていった。2003年11月19日、小雨の降る中、神戸の金川造船において、未来型水上バス「ヒミコ」の進水式が行われた。漫画・アニメ界の巨匠、松本零士氏がプロデュースした、全長33.3mの船体の、うねるような曲面は、鋼板を溶接して作られ、まだ塗装も施されていないが、その先端に大きな「ティアドロップ(涙滴)」形状のコックピットキャノピーが、誇らしげに設置されていた。私は、ああ間に合ってよかったと感慨にふけりながら、この半年間のことを思い起こしていた。ヤマハ発動機(以下、当社)が舟艇事業を始めて45年。この間に当社がボートの型製造で培ってきた技術が、「ヒミコ」の建造に生かされた。ここでは、その当社の型製造技術を紹介する。 |
原 以起 新事業や新商品を企画する者たちが企画書をまとめる時に、いつも襲われる悩みがある。「その商品は、いったい何台売れるのか?」とりわけ、まだ世の中にないような画期的(と、当事者は思っている)商品や、デザインなどの「感性的価値」によって差別化を図ろうする商品であるほど、その需要予測は難しい。さんざん綿密な調査(と、当事者は思っている)を行ったにも関わらず、最後にふたを開けてみれば、無残な結果になることも、しばしばである(もちろん、よい方に裏切られて、大ヒットを飛ばすこともあるのだが)。なぜなら、それは「今は、ない商品」や「感性的な商品」について調べているので、調査対象である消費者自身が「ある何か」と比較検討して評価を下すことが難しく、ほとんどの場合「それ、欲しいかもしれないなあ。でも買うかどうかまではね・・・」というような、かなり漠然とした感覚(=心)に左右されてしまうためだ。そんなわけで、この手の商品の需要予測を難しくさせている要因は、「感性的価値」をうまく「定量化」できないところにあるとも考えられる。予測が難しいので、売ってみなければ分からない。が、売るためには、それなりのデータが必要だ。しかし、納得するに足るデータを得るには、やっぱり売ってみなければ分からない・・・。まさにジレンマである。当活動では、そうしたジレンマを、どうにかして解消できる術はないだろうか、という、ごくシンプルな思いから、需要予測を難しくさせている要因である「感性的価値の定量化」を試みた。最終的には「感性的価値」を提供する事業を目指してリサーチを進めていたが、商品の開発・生産コストの見通しが立たなくなってしまったため、残念ながら中途段階で休止となった。今回は、活動休止までのプロセスから学んだこととして、実際に行われたリサーチと、その結果から導き出されたビジネスモデルのアイデアについてもご紹介する。 | |
| 技術論文 | 東 朋幸/水野 康文/山口 昌樹 ヒトの感性や情動を知るためには、自律神経系(交感神経系と副交感神経系)の機能を評価することが有用であると考えられている。その一方で、最近の研究結果から唾液アミラーゼ活性は交感神経活動を反映することが分かってきた。そこで、日常生活における交感神経活動を簡単にモニタリングするために、ドライケミストリー式の唾液アミラーゼ活性分析装置を開発した。μLオーダーの微量唾液を定量採取する方法などを考案することによって、比色法による唾液アミラーゼの活性値を測定する技術が確立できた。本装置には、環境温度と唾液pHの測定値への影響を除去する機能も搭載されている。測定レンジは10~140kU/Lで、その測定精度は携帯型簡易測定器の目安となるR2=0.95を上回るR2=0.99を実現した。本装置は、唾液採取までを含めておよそ1分程度で唾液アミラーゼ活性を高精度に分析できる。 |
石川 芳城 ヤマハ発動機の機械加工職場の生産ラインの多くは、マシニングセンター等のNC(Numerical Control)設備が主力となっている。NC設備は汎用性が高く、精密加工にも適しており、構成している部品の品質も向上していることから信頼性も高い。その反面、従来の設備に比べ、加工動作や制御方式が複雑であるため、NC設備のMTTR(Mean Time To Repair:平均復旧時間)は、他の設備の約1.5倍と長い。その一因は、故障原因の探索時間が、熟練度により左右されるためであることが分かった。MTTRを短縮するためには、故障原因の探索時間をいかに短くするかが鍵となっている。今まで工作機械メーカーは、故障しない設備や、メンテナンスが少なくて済む、長寿命で高耐久の設備を開発してきた。ユーザー側でも過去の故障実績からMP(Maintenance Prevention:保全予防)設計により、標準モデルに改良を加え、MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)の延長を図ってきた。しかし、こういった設備への投資は、加工される製品にも反映され、製品自体のコストアップにつながっている。そこで、近年ではMTBFの延長よりMTTRの短縮に着目した支援システムを搭載する工作機械が、各メーカーから市販されるようになってきた。これは、異常発生部位等の設備状態表示を行うものであるが、制御システムや異常検知システムを熟知していないと、故障の原因にたどり着くまでに時間がかかり、MTTR短縮に結びついていないのが実状である。故障原因から、復旧のための部品交換・調整方法の探索までを含めたプロセスをうまく進めるためには、故障診断方法、部品の交換・調整手順といった保全情報を、効率良く提供することが、特に重要である。そこで、今回、使用者の誰もが簡単に故障探索を進められる支援システムの開発に取り組んだ。開発にあたっては、今後の機能拡大やノウハウの追加が簡単に行えるように、自分たちで作り込みを行った。その結果、故障原因探索のロスを減らし、保全マンの熟練度合いの差を埋めることができるシステムの実用化に至ったので、以下に紹介する。 | |
単気筒試作エンジンを用いた性能開発 ~エンジン性能最適化のための燃焼システム改善~ 岩田 良文 近年、市場の要求から、多くの4ストローク船外機が開発されてきている。しかし、4ストローク船外機は、その複雑なエンジン構造上、従来の2ストローク船外機に比べて、大きく、重くなりがちである。一方、船外機は、それを装備するボートの特性を損なわないように、軽量・コンパクトであることが要求される。加えて、船外機には中速での高いトルクが要求される。このような中速高負荷の条件では、ノッキングがリッタートルクを制限するひとつの要因である。我々は、単気筒試作エンジンを用い、最新の解析、開発技術を用いて燃焼改善による性能向上を試みた。 |
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