Dakar Rally

　フランスのパリからアフリカへ渡り、セネガルのダカール海岸まで約10,000kmを走破する「パリ・ダカールラリー」は、1979年に初めて開催された。当初、二輪・四輪メーカーはほとんど関心を示さなかったが、フランスのヤマハインポーター、ソノート社^※はジャン・クロード・オリビエを中心にプライベーターの参加を積極的に支援し、「XT500改」に乗るシリル・ヌブーが第1回、第2回大会で連続優勝を飾った。
　その後、ダカールラリーはFIA・FIM公認の世界的なアドベンチャーレースとなり、各メーカーが続々と参入。ヤマハ発動機もソノート社などの要請に応え、軽量・コンパクトで総合性能に優れた単気筒マシンの開発に取り組んだ。それでも急速なレースの高速化に対応しきれず、4気筒へのトライを経て、2気筒エンジン搭載の「YZE750T Super Tenere（0WB8）」を開発。そして'91年、発展型の「0WC5」でステファン・ペテランセルが待望の優勝を果たし、そのまま前人未踏の3連覇を達成した。
　すると主催者は、加熱しすぎた開発競争を避ける名目で、'94年以降ファクトリーマシンの使用を禁止。そこでヤマハは1年参戦を休止して、新開発のラリー専用市販マシン「XTZ850R」を投入。さらに翌年、270度クランクの「XTZ850TRX」にモデルチェンジし、'95年から'98年まで4連勝。通算19戦9勝の記録を残し、20年にわたる挑戦に終止符を打った。しかし2004年、現地法人ヤマハモーターフランスは独自開発の二輪駆動「WR450F 2-Trac」で活動を再開。ダビッド・フレティーネが'04・'05年連続2位入賞、'09年には通常の後輪駆動「WR450F」で3位入賞を果たしている。

※現在のヤマハモーターフランス

上記の内容は、2009年シーズン終了時のものです。

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