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ヤマハ発動機グループ環境計画2050・概要

ヤマハ発動機グループ環境計画2050の概要をご紹介します。

環境計画2050

ヤマハ発動機は2018年12月「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」を発表しました。この計画は、製品使用時のCO2排出量、⽣産や物流におけるCO2排出量、資源利⽤のそれぞれについて2050年までに2010年⽐で50%削減を⽬指し、同時にグローバル視点で環境保全と⽣物多様性に取り組むものです。

計画の概要

取り組み分野 2050年目標 重点取り組み項目
低炭素社会低炭素社会アイコン (製品)
地球にやさしいパーソナルモビリティを提供する
製品からのCO2排出量を2050年に50%削減する(2010年度比)
1 製品から排出されるCO2を削減(t-CO2/販売台数) 燃費性能向上の開発を推進
2 次世代モビリティの開発推進と普及推進 エネルギーの多様化に対応する製品開発と普及を推進
(事業活動)
ライフサイクル全体からのCO2排出量を50%削減する(2010年度比)
3 生産活動で排出されるCO2を削減(t-CO2/売上高) グローバル工場売上あたりのCO2削減
4 物流活動で排出されるCO2を低減 輸送単位あたりのCO2削減
循環型社会循環型社会アイコン (資源)
資源利用を50%削減する(2010年度比)
5 再生可能な資源活用による新規資源利用の削減 限りある資源の省資源化(3R開発/製造)を推進
6 生産活動における廃棄物の低減 廃棄物の削減を推進
7 生産活動における水使用量の低減 水ストレスシナリオに基づき水使用量低減活動を推進
8 物流活動における梱包資材の低減 梱包機材のリターナブル化を拡大
自然共生社会自然共生社会アイコン 各国・各地域で環境保全・生物多様性の活動を強化する
9 製品を使用するフィールド(陸・海・空)を守る活動 各国・各地域で自然保全の活動を推進
10 陸上/海洋の生態系保護の取り組み 生物多様性の取り組み姿勢に沿った活動を推進
11 各国・各地域の環境課題解決に貢献する活動 社員一人ひとりが持続可能な地球に貢献する活動を実施する
マネジメント マネジメント
12 環境法令遵守と製品化学物質管理の強化 各国・各地域の事業活動に伴う環境コンプライアンス遵守の徹底
13 各国・各地域の大気汚染改善への貢献 各国・各地域の排ガス規制に適合したモビリティの導入
14 生産活動におけるVOC排出の低減 塗装面積あたりのVOC削減を推進
15 サプライヤーと連携した環境活動の推進 環境サーベイを通じたサプライヤーとのエンゲージメントの推進と負荷低減の促進
16 グローバルで環境教育による環境保全意識の啓発 各国・各地域の環境課題に沿った環境教育の実施

2050年の社会

世界人口は現在の77億人から2050年には97億人へと、今後30年で20億人の増加となる見込みです。また、アフリカ・インドなどの経済成長に伴い世界の第一次エネルギーの消費は拡大し、現在の139億トンから2050年には192億トンと1.4倍の消費が予測されています。こうした予測から2050年には、世界的な資源不足・エネルギー不足を招くことが想定されます。

一方、地球環境の観点では、温暖化の主な要因とされているCO2排出量を削減するために、第一次エネルギーの利用において化石燃料の使用から代替エネルギーへシフトするなど「脱炭素化」が世界的な潮流です。こうしたヤマハ発動機の事業を取り巻く2050年の社会を踏まえ、長期的な環境課題を特定しました。

人口増加

1.3倍
グラフ

アフリカ、インド、中国合計で総人口の55%を占める
(アフリカ:24億人/インド:16億人/中国:14億人)

出典:「World Population Prospects 2019」より作成

一次エネルギー消費拡大

1.4倍
グラフ

地球温暖化の要因となる化石燃料の使用が83%を占めている。

出典:IEA「WORLD ENERGY BALANCES」より作成

資源の枯渇

新興国の経済発展に伴う鉱物資源や化石資源への需要の急速な拡大が継続すれば2050年には、 現時点で確認済みの地下鉱物資源がすべて採掘されてしまうという予測も出ている。

グラフ

棒グラフ:金属ごとの積み上げ
赤ライン:埋蔵量関与総量

出典:独立行政法人物質・材料研究機構資料より作成

国際的な温室効果ガス削減リスク

国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された気候変動に関する国際条約であるパリ協定は、2016年4月26日に185ヶ国が批准しました。気候変動の脅威に対する世界全体での対応の強化を目的として、温室効果ガスの排出削減と吸収の対策を行う「緩和」と、温室効果ガスによる影響への「適応」という二つの対策事項が定められ、21世紀末までに世界の平均気温上昇を2°Cあるいは1.5°C未満に抑えることを目指すことが決定されました。「1.5°C特別報告書」によると、パリ協定で各国が提出した2030年削減貢献目標(NDC:Nationally Determined Contribution)をすべての国が達成したとしても、2°C目標には12ギガトン、1.5°C目標には29ギガトン足りません。

重要課題(マテリアリティ)の特定

私たちは、気候関連リスクだけでなくさまざまな社会課題をヤマハ発動機らしい方法で解決していきたいと考えています。社会課題の解決は、ヤマハ発動機の持続可能な成長にとっても極めて重要であるため、当社の長期ビジョンおよび中期経営計画の策定にあたって、当社の強みを生かしながら解決することができる重要な社会課題を以下のステップにて特定しました。

  1. step1

    社会課題の整理

    SDGsやThe Global Risks Reportから抽出した幅広い社会課題のうち、当社の経営資源の利用・調達に重大な影響を与える課題やその解決が当社の企業価値向上に大きく貢献する課題を整理しました。またESG格付機関における評価内容を参考に、ステークホルダーの視点から当社にとっての社会課題の重要性を評価しました。

  2. step2

    社会課題の分類

    事業部、機能部門、コーポレート部門との協議により、各部門における方針および活動とSTEP1で整理した社会課題との関連性を明確化したうえで、全社で取り組むべき課題として集約・分類しました。

  3. step3

    重要な社会課題の特定

    STEP2で分類・集約された社会課題について、経営会議および取締役会において当社の全役員が議論し、当社の強み、企業理念、当社らしさを生かして、全社で取り組むべき「重要な社会課題」を特定しました。

  4. step4

    中期経営計画への組み込み

    特定された重要な社会課題の解決のための取り組みを中期経営計画に組み込みました。今後これらの活動の確実な遂行をモニタリングしていきます。

選定した社会課題

※赤文字:気候関連課題

重要課題エリア

ステ|クホルダ|にとての重要度

  • 重要な経済圏における財務危機
  • 管理不能なインフレーション
  • 国家統治の失敗
  • 地域もしくはグローバル統治の失敗
  • 地域問題による国家間紛争
  • 深刻な社会不安
  • 技術進歩の弊害
  • クリーン技術や資源利用効率に配慮した産業プロセスの導入
  • サステナビリティ意識の強化
  • 公正な労働環境に基づく経済成長の促進
  • 廃棄物の削減
  • 汚職、贈賄の減少
SDGs 09 SDGs 12
  • エネルギー効率の改善
    (再生可能エネルギーの利用促進を含む)
  • 安価で信頼できるエネルギーの利用促進
  • 安全・安心な労働環境の促進
  • ダイバーシティとインクルージョンの推進
  • 水資源の有効利用と汚染防止
  • 衛生的な水資源の確保
SDGs 07 SDGs 06
  • 不平等の撤廃
  • マルチステークホルダーへの対応
  • イノベーションの促進
    (グローバルパートナーシップの活性化)
  • 公平な課税の実現
  • 持続可能な産業化の促進
  • 女性差別の解消/人権保護・ 女性能力活用
  • 別の解消/人権保護
  • 災害対策の強化
  • 強制労働、人身売買、児童労働の撲滅
  • 社会的弱者の雇用拡大
SDGs 11
  • 有害化学物質における汚染、被害防止
  • 気候変動対策の強化
  • 持続可能な天然資源の利用
  • イノベーションの促進(持続可能な産業化の促進)
  • イノベーションの促進(開発国での持続可能な消費・生産形態の促進)
SDGs 13 SDGs 12
  • 新興国・開発途上国への支援強化
  • 陸上生態系の保護と回復の促進
  • 安定した住環境の提供
  • 森林減少の阻止
  • 海洋生態系の保護と回復
SDGs 14 SDGs 15
  • 教育制度の拡充(職業訓練を含む)
  • 途上国の教育環境の充実
  • 社会インフラ開発の促進
  • 交通事故の防止
  • 小規模農業・漁業の保護
  • 持続可能な漁業の推進
  • 後発国における漁場・市場へのアクセス向上

ヤマハ発動機にとっての重要度

気候関連リスクと機会










  • 気候変動対策の強化
  • エネルギー効率の改善
SDGs 07 SDGs 13
  • 水資源の有効利用と汚染防止
  • 廃棄物の削減
  • クリーン技術や資源利用効率に配慮した産業プロセスの導入
  • 持続可能な天然資源の利用
SDGs 06 SDGs 09 SDGs 11 SDGs 12
  • 陸上生態系の保護と回復の促進
  • 森林減少の阻止
  • 海洋生態系の保護と回復
SDGs 14 SDGs 15
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低炭素社会

循環型社会

自然共生社会



短期
各国・地域の二輪車の排ガス規制強化、船舶用エンジンの米国EPA/CARB規制の強化など規制対応のコストが大幅に上昇する。
中期
インド・アフリカ諸国などの需要拡大は物流活動のCO2を増加させ、炭素税の導入により物流コストが増加する。
長期
環境意識の高まりで化石燃料使用製品の販売が減少する。炭素税の導入により製造コストが増加する。
短期~中期
新興国など二輪による深刻な大気汚染から市内走行禁止などの規制が強化される。
長期
新興国の経済成長に伴い資源消費が拡大し資源不足やコストアップなどの調達リスクが高まる。
短期~長期
気候変動により、山火事、干ばつ、極端な気温変化、嵐、降雪などの異常気象により製品使用フィールドである海山森などで生態系が破壊される。


短期〜中期
燃費性能向上のモデルの販売が拡大する。新興国において社会的インフラコストがミニマムで低価格な移動手段として二輪車の普及が拡大する。
長期
電動モデルの普及が拡大する。
短期
軽量・コンパクトを強みに、社会インフラ資源・コスト最小化の移動手段としてランドカーの普及が拡大する。
中期
二輪・マリンなどのレンタル事業の普及が拡大する。
長期
モノ創りとして小型・軽量で省資源な超小型モビリティが社会インフラに組み込まれる。
短期~長期
自然環境保護の意識の高まりとともに、自然との触れ合いを求め大切にするアウトドア関連市場が拡大する。

CO2排出量のインパクト

2017年度の世界のCO2排出量は、328億トンCO2です。このうち当社二輪車が排出源として占める割合は全体の0.05%で、極めて環境負荷が少ないモビリティです。2019年度のヤマハ発動機グループのサプライチェーン全体のCO2排出量は、スコープ1:155,847トンCO2、スコープ2:384,258トンCO2、スコープ3:28,041,247トンCO2、全体で28,581,352トンCO2です。内訳はスコープ3「カテゴリ11.販売した製品の使用」が83.5%、次いで「カテゴリー1.購入した製品・サービス(原材料の調達に伴う排出)」が12.3%となっています。CO2排出量削減の目標設定においては製品燃費(電費)の向上や次世代モビリティの普及の促進、効率的な資源利用に取り組むことが重要であると認識しています。

世界のCO2排出量 排出源別
世界のCO2排出量 排出源別グラフ
ライフサイクル全体のCO2排出量の内訳
図
図

ガバナンス

気候関連問題の監督における組織の取締役会の役割

当社は、事業および事業で培った人材・モノ・ノウハウを活用し、各国・地域の持続可能な社会を実現するための課題解決に貢献するとともに、自身もグローバル社会の一員として持続可能な企業でありたいと考えています。そのため、グループ共通の「CSR基本方針」の下、国際的合意事項であるSDGsの達成に向け、中長期成長戦略の中で「環境・資源課題」「交通・教育・産業課題」「イノベーション課題」「働き方課題」を当社が取組む重要な社会課題と位置付け、各事業の目標と関連付けたKPIを設定し、成長機会の取り込みにつなげます。一方で、 社会課題への対応は重要なリスク管理の一部であると考えます。当社は、国連グローバルコンパクトに署名しており、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の原則を実践することで、持続可能性を阻害するグローバルリスクに適確に対処します。これらの取組みに関する情報をステークホルダーが入手しやすいよう情報開示を適切に行います。

当社取締役会は、サステナビリティーを巡る課題への取り組み方針を定め、その実施状況について定期的にレビューを行います。取締役会はサステナビリティを巡る課題に関して、社長執行役員が議長を務め取締役会が選任した執行役員で構成されるサステナビリティ委員会を監督する役割を担っています。

画像

サステナビリティを巡る課題に関して、特に環境分野を重要な経営課題の一つと位置づけ、環境活動を管掌する執行役員を委員長とする環境委員会を設置しています。環境委員会は年3回開催し、環境に係る方針(TCFD対応方針など)やビジョンの審議、ヤマハ発動機グループの環境長期計画(環境計画2050)の策定、各事業部の目標に対する実績を毎年レビューし、少なくとも年2回取締役会へ報告します。

戦略

1.5°Cシナリオと2°Cシナリオの世界

グラフ

出典:「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書」より作成

2100年における温室効果ガス排出量の最大排出量に相当するシナリオ(RCP8.5シナリオ)では、世界平均地上気温は最大4.8°C上昇し人間社会・生態系に大きな影響を与えると予測されています。 産業革命以降の世界の気温上昇を何°Cまでに抑えるかで影響は大きく違ってきます。「IPCC1.5°C特別報告書」では、気候変動を1.5°Cに抑えるためには、2030年までにCO2排出量を45%削減(2010年比)、2050年までには実質ゼロにする必要がある。

また、産業革命以前に比べて人間活動によって約1°C世界平均気温は上昇し(可能性の高い範囲は0.8°Cから1.2°C)、既に自然や人間活動に影響が現れている。(異常気象、海面上昇、北極の海氷減少など) このままの率で温暖化が進めば2030年から2052年の間に気温は1.5°C上昇すると予想され、その影響の可能性とリスクが報告されました。

シナリオ分析

気候変動による物理的リスク
  • 1. 海面上昇、沿岸での高潮被害
  • 2. 大都市部での洪水被害
  • 3. 極端現象によるインフラ等の機能停止
  • 4. 熱波による死亡や疾病
  • 5. 気温上昇、干ばつ等による食料安全保障への脅威
  • 6. 水不足・農業生産減による農村部の所得損失
  • 7. 沿岸域の生計に重要な海洋生態系の損失
  • 8. 陸域・内水生態系のサービスの損失
主な影響

海面水位上昇

【1.5°C】 2100年までの海面水位上昇は0.26~0.77mと予測され(M)、2°Cの場合に比べると約0.1m低く(M)、 リスク人口を最大1000万人減少できる(M)。

【1.5~2°C】 南極氷床の不安定化、グリーンランド氷床の不可逆的消失が引き起こされる可能性がある。そうなれば、数百~数千年にわたり海面水位が数m上昇しうる。

洪水

主要河川の洪水の影響を受ける割合は、温暖化とともに増加する。 洪水の影響を受ける人口は、1976-2005年を基準として、

【1.5°C】100%増加(M)。

【2°C】 170%増加(M)。

食料

20世紀末の水準より4°C以上上昇すると、食料需要の増大と組み合わさり、世界的、地域的な食料安全保障に大きなリスクがもたらされうる(H)。そのリスクは低緯度地域でより大きい。

【1.5°C】2°Cに比べ、サハラ以南、東南アジア、ラテンアメリカで、穀物の減収と質の低下を抑えられる(H)。

【2°C】 1.5°Cに比べ、サヘル、アフリカ南部、地中海、中央ヨーロッパ、アマゾンで食料の入手可能性がより減少(M)。

生態系

温暖化により海洋生物種の世界規模の分布が変化。影響されやすい海域では生物多様性が低減(H)。多くの生物種は、中~高の気候の変化速度で生息に適切な気候を追従できない (M)。

【1.5°C】サンゴ礁の70~90%が減少(H)。昆虫の6%、植物の8%、脊椎動物の4%が生息域の半分以上を失う。

【2°C】 サンゴ礁の99%以上が消失(VH)。 海の生態系の不可逆的消失リスクが大きくなる(H)。昆虫の18%、植物の16%、脊椎動物の8%が生息域 の半分以上を失う。

出典:IPCC 1.5°C特別報告書より
VH:確信度が非常に高い H:確信度が高い M:確信度が中程度

低炭素社会への移行に伴う当社の主なリスク

規制リスク

当社は、コンパクトで高性能な小型エンジン技術を強みに二輪車、船外機、ウォータービークル、ボート、漁船、四輪バギー、ゴルフカー、発電機など多様な製品を開発し、世界各国で販売しています。主要事業である二輪車エンジンは、各国・各地域の排ガス規制の影響を大きく受けます。規制に適合する製品を開発できない場合は、販売機会を損失するリスクがあります。
当該リスクについては、法規認証部門が各国・各地域の規制動向の情報収集を行い、パワートレイン技術開発部署の執行役員を委員長に、品質保証部、生産管理部、パワートレイン開発部、電子システム開発部、燃焼システム開発部をメンバーに構成される環境法規対応委員会において、規制強化対応技術の先行開発およびパワートレイン開発の意思決定の迅速化を図り、各国・各地域の排ガス規制強化のリスクを最小化しています。

新たな規制リスク

欧州などの環境先進国のみならず大気汚染被害が深刻な新興国において、二輪車など化石燃料使用の乗り物の市内走行禁止など規制が強化され、二輪の電動化やバッテリー充電インフラ整備の対応ができなければ販売機会を損失します。
当該リスクについては、各国の政府動向やエネルギー政策にかかわる動向について、環境担当者が情報取集を行い、環境委員会で報告します。各事業・機能部門は対応方法を検討・決定し取締役会へ報告し、具体的な事業戦略に反映しています。

当社は、主要事業である二輪車をアセアン地域を中心に20ヵ国30の拠点で製造しています。製造時には、エンジンを製造する鋳造工程や塗装工程などで多くのエネルギーを利用しています。各国・各地域で化石燃料から再生可能エネルギー利用への規制が導入されると、エネルギー費用の増加が見込まれ競争力が低下するリスクがあります。
当該リスクについては、生産本部および環境施設部門が各国・各地域のエネルギー費用にかかわる規制動向の情報収集を行い、環境委員会においてエネルギー関連の投資計画や再生可能エネルギー調達方法など審議・検討し、経営会議を経て取締役会へ報告され、各国・各地域のエネルギー規制強化のリスクを最小化しています。
カーボン・プライシング・リーダーシップ連合(CPLC)の報告書では、各国がパリ協定で誓約した目標を達成すると想定した場合、炭素税が2020年までに80ドル/トンCO2、2030年までに100ドル/トンCO2とされています。当社の生産活動におけるCO2排出量を2019年度と同量とした場合、上記炭素税で試算すると年間12憶9千万円~16億2千万円の生産コストの増加が想定されます。

情報開示リスク

気候変動がもたらすリスクの情報開示が不十分な場合に、ステークホルダーから訴訟されるリスクがあります。当該リスクについては、気候変動に関する国際的な情報開示動向など環境担当者が情報収集を行い、環境委員会で報告します。環境委員会は、2050年を見据えた環境長期計画やSBTiやTCFDなど国際的要求事項としての対応方針を審議・決定し、経営会議・取締役会で報告・決議し、2018年5月にSBTi への宣言をし、2018年12月に「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」の発表し、2019年5月にTCFDの提言に賛同しました。

技術リスク

当社は、コンパクトで高性能な小型エンジン技術を強みにCO2排出量や資源利用の面でモビリティとして環境負荷が少ない製品を開発し、世界各国で販売しています。また、モビリティの電動化においても1978年ゴルフカー用電動ユニットに始まり、1993年世界初の新商品として電動アシスト自転車「PAS」を発売。ロボティクス事業部の制御技術を応用し1995年に車いす用電動ユニット、2002年には電動二輪車、2018年には産業用ドローンを販売するなど多様な製品群の電動化を推進しています。
四輪車などの電動化が加速するとレアアースの需要が高まり、原材料を調達できなくなるリスクがあります。希少なレアアースの使用を低減した素材の利用や材料技術の開発を実施しています。

市場リスク

欧州など環境先進国のみならず、大気汚染被害が深刻な新興国において、二輪車など化石燃料使用の乗り物の市内走行禁止などの規制が増え、電動化やインフラ整備の対応ができなければ販売機会を損失します。二輪車の当該リスクについては、各国の政府動向やエネルギー政策にかかわる動向について、環境担当者が情報取集を行い、環境委員会で報告します。各事業・機能部門は対応方法を検討・決定し取締役会へ報告し、具体的な販売戦略に反映しています。
台湾においては、大気汚染対策の一環で、二輪車のEV化を推進しており、2035年から二輪車のガソリン車の販売禁止の方針を発表しています。当社は、環境計画2050において自社製品からのCO2排出量を2010年比で50%削減することを目指しており、小型電動製品の製造販売を推進する方針を掲げ、台湾市場においてGogoro社とEVビジネスの協業活動で「EC-05」を開発し市場投入を開始しています。

評判リスク

企業の気候変動への対応が、ESG投資など企業価値に大きな影響を及ぼしています。ヤマハ発動機においても気候変動課題への取り組みとステークホルダーへの適切な情報開示を行わなければ、企業価値を低下させるリスクがあります。
当該リスクについては、本社コーポレートコミュニケーション部IR&SR担当が、2019年度個人向けとして、300人規模の個人投資家説明会を東京・名古屋・大阪で6回開催。30~100人規模の証券会社説明会を日本全国で21回開催。オンライン説明会を2回開催しました。法人向けとして、海外投資家訪問を北米で1回開催。ESGスモールミーティングを1回、ESG面談を9回開催し、ヤマハ発動機の重要な社会課題の取り組みの一つとして環境・資源課題への取り組みで2050年製品CO2排出50%削減を説明し、評判リスクの回避を図っています。

顧客リスク

当社は、自動車エンジン、汎用エンジン、産業用ロボットなどを顧客に納めています。顧客の中には、CO2排出量の多いサプライヤーを対象としてCO2削減目標の設定や環境情報の開示を要請する企業もあり、要請に応えられない場合、最悪の場合取引が停止されるリスクがあります。当該リスクについては、顧客の要請に基づき、環境担当者が情報収集を行い、適切な情報開示をすることで顧客の要請に確実に対応しています。

短期・中期・長期的なリスクおよび機会

当社は短期・中期・長期のリスクについて下記の時間軸で検討しています。

短期的
リスク
直近の業績に影響を及ぼす可能性のあるリスク(0~3年の期間で顕在化する可能性のあるリスクを含む)
中期的
リスク
気候関連インパクトの長期的な顕在化によって当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があり、当社の戦略の大幅な調整を必要とする可能性のあるリスク(3~6年の期間で顕在化する可能性のあるリスクを含む)
長期的
リスク
長期戦略とビジネスモデルの実行可能性に根本的に影響を及ぼす可能性のあるリスク(6年以上の期間で顕在化する可能性のリスクを含む)

当社は、短期・中期・長期で発生する可能性およびその結果として生じる財務的影響の推定規模に基づき、気候関連リスクの重要性を評価しています。

短期的リスク(0~3年)

モーターサイクル市場では、排出規制の強化が多くの市場で実施または計画されています。当社の製品は規制の対象となるため、規制遵守コストが増加します。そのコストを吸収することができない場合は、小売価格に転嫁され商品競争力が低下し、営業利益が減少する可能性があります。
規制の強化は、欧州が2020年からEURO5という厳しい規制値を打ち出しており、3~5年遅れて、欧州規制に準じた形でアセアン・インド・中国が導入する傾向にあります。年間2,100万台の新車が売れるインド市場は当社にとって重要な市場であり、規制対応コストアップは、商品競争力に大きなリスクとなり財務上大きな影響を与えます。

当社の法規認証部門は、各国の排ガス規制情報を収集しています。それらを適時、二輪車事業の商品計画に反映させます。低燃費エンジンや電動モーター製品の開発は、規制に適合するだけでなく、動力性能の向上や乗りやすさなど、商品の魅力向上を同時に実現させ、付加価値を高めることで利益拡大を図っています (例:Blue Coreエンジン)。
リスクの管理については、現地営業部門が規制強化の最新情報を入手し、その結果を開発部門に伝えます。欧州規制基準レベルでグローバルに展開できるモデルを準備しており、アセアン・インドなどが規制値を急に引き上げても対応できるようリスクの最小化を図っています。

船舶用エンジンについては、すでにインボード・エンジンとスタンドライブ・エンジンのカテゴリが規制対象となっている米国EPA / CARB排出規制が、今後も引き続き強化される予定です。当社の船外機は世界シェアの40%以上を占め、市場で圧倒的な優位性をキープしていますが、この規制が船外機やスポーツボートにも適用された場合、規制遵守コストが増加します。そのコストを吸収することができない場合は、小売価格に転嫁され商品競争力が低下し、営業利益が減少するリスクがあります。

当社の法規認証部門は、各国の大気汚染に関する規制情報を収集しています。それらを適時、マリン事業の商品計画に反映させます。低燃費エンジンや軽量化した船体の開発は、規制に適合するだけでなく、動力性能の向上や快適さなど、商品の魅力向上を同時に実現させ、付加価値を高めることで利益拡大を図っています。リスクの管理については、現地営業部門が規制強化の最新情報を入手し、その結果を開発部門に伝えます。マリン業界においてリーディングカンパニーである当社は、2015年から2020年規制値4スター規制値を前倒しで達成する計画を実行しており、リスクの低減を図っています。

中期的リスク(3~6年)

当社の主力の二輪車事業は、年間約2,200万台の世界最大の二輪市場インドを始めとして今後も著しい市場拡大が見込まれます。これに伴い、物流量も増加します。例えばインドにおいて、2020年4月からBharat Stage6へと排気ガス規制が強化されるため、物流委託業者は、運搬車両の買い替えが必要となります。さらに、世界的に導入が検討されている炭素税が燃料代に適用された場合、物流委託業者の燃料コストが増加します。これらの結果、当社の物流コスト増加に影響を与えます。2019年度物流活動に伴うCO2排出量は242千トンCO2でした。※2018年当社調べ

カーボン・プライシング・リーダーシップ連合(CPLC)の報告書では、各国がパリ協定で誓約した目標を達成すると想定した場合、炭素税が2020年までに80ドル/トンCO2、2030年までに100ドル/トンCO2とされています。当社の物流活動におけるCO2排出量を2019年度と同量とした場合、上記炭素税で試算すると年間21憶円~26億1千万円の物流コストの増加が想定されます。

当社の全世界の配送拠点は、物流委託業者から燃料使用量や燃費データを入手し、配送する時に発生するCO2排出量を把握しています。そして当社指導の下、配送効率を上げる荷積みや混載、配送ルートの見直し、エコドライブ教育など定期的に実施し、CO2排出増加のリスクの低減を図っています。さらに当社では、積載率を向上させるため、製品設計を含めた梱包技術の企画・開発を行っています。システム運用費+保守・点検費用が300万円に人件費(約760万円)を加えた金額が管理コストとなります。

長期的リスク(6年以上)

消費者の環境意識が高まるにつれて、ガソリンエンジンを搭載した製品が敬遠され、売上が減少し、利益が減少する可能性があります。当社の製品群は、小型軽量エンジンを強みにして二輪車・船外機・ゴルフカー・発電機など事業を多軸化しているため、化石燃料が使用禁止の風潮になると多大な影響を受けます。

化石燃料を使用しない次世代パワーのモビリティ商品の開発(電動二輪車、PAS、電動低速ランドカーなど)やシェアリングサービスの提案(地方公共団体コラボ)。また、ロボティクス事業等、ソリューションビジネスの拡大を図ります。リスクの管理については、自動車業界におけるCASE(※)の動向を見据えて社会インフラに当社製品が組み込まれるようにパートナーとの協業も進め、市場の広がり領域に乗り遅れないよう当社保有技術の組み合わせや、必要に応じてM&Aも実施し、化石燃料使用禁止が当社に与えるリスクの低減を図っています。
※Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリング)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった自動車業界が進めていくべき4つの次世代トレンド

世界で年間500万台を超える当社の二輪車の生産台数のうちインドネシアで31%、インドとベトナムでそれぞれ17%を生産し、この3カ国で65%を占めています。パリ協定におけるインドネシア政府の約束草案では2030年までに29%削減、先進国からの協力を得て41%削減、インド政府の約束草案 では2030年までに33~35 %削減、ベトナムでは2030年までに8%削減、先進国からの協力を得て25%削減、と当社の主要生産拠点の政府がCO2削減目標を掲げています。インドネシア、インド、ベトナム政府がそれぞれ工場に対してのCO2排出量の報告義務や削減目標未達の場合の罰金などの規制をした場合には、事業運営および財務的に大きな影響を受けます。2019年度生産活動に伴うCO2排出量は527千トンCO2でした。

カーボン・プライシング・リーダーシップ連合(CPLC)の報告書では、各国がパリ協定で誓約した目標を達成すると想定した場合、炭素税が2020年までに80ドル/トンCO2、2030年までに100ドル/トンCO2とされています。当社の生産活動におけるCO2排出量を2019年度と同量とした場合、上記炭素税で試算すると年間45憶5千300万円から56億9千200万円のコストの増加が想定されます。本社の生産本部は、全生産拠点における生産活動のCO2排出量を把握し、削減目標値を達成するための指導を行ってます。各国の環境規制動向は、生産拠点が自国の状況を常に把握してます。その他環境規制を含む環境動向は、本社の環境委員会事務局が把握し、当社に重要な関連事項の場合は、環境委員会に上程します。管理のためのコストは主に、本社生産本部のエキスパートの出張費であり、2019年度は800万円です。

ヤマハ発動機の適応策

緊急性の物理的リスク

当社の主力製造拠点はアセアンに集中しており、台風の通過ルートでもあるフィリピンやタイの製造工場などは集中豪雨による工場冠水などの操業リスクにつながる恐れがあります。

当該リスクについては、自然災害も含めた、製品品質に関する法令違反、重大な製品事故、サイバーセキュリティなど、会社全体のリスクを本社各部門・海外グループ会社の活動方針に折り込み、特に重点的に予防・対策に取り組むべきものをグループ重要リスクに定めています。その実施状況については、「リスクマネジメント規程」に基づき、社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置し、グループ全体のリスク状況をモニタリングすると同時に、重点的に取り組む「グループ重要リスク」の選定、対策活動のチェックなどを行い、グループ全体のリスク低減を図っています。また、想定されるリスクの中でも特に事業継続に影響を与えることが予想されるものへの備えとして、当社は「事業継続規程」を定め、適切な対応で被害を最小化するルールを定めています。

慢性の物理的リスク

気候変動による水害の増加は水源の汚染を拡大させ、人々の健康状態の悪化により病人数が増加し、社会経済開発を阻害します。

当該リスクについては、環境担当者が情報収集を行い、また世界資源研究所(WRI)のAqueductをツールに各国の水リスクを「取水量×水ストレス」で評価し、水リスクに応じた施策により水使用量の最小化を図っています。またヤマハ発動機は、人々の健康状態の向上および新しいビジネスによる社会経済の開発に貢献するために、小型浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」を開発し、2010年から各地で導入を進めています。気候変動に起因する水の汚染への対策を取り、人々の健康状態および社会経済環境を改善することが水供給分野の適応策となります。2020年3月末現在で14ヶ国に41基を設置しています。

地球温暖化は、農業分野において気温上昇・干ばつ・洪水等により、農地面積の減少、生産量の変動、栽培適地の移動等のマイナスの影響を及ぼすものと世界全体で懸念されています。

当社は、農業用マルチローター(通称ドローン)「YMR-08」や産業用無人ヘリコプターを使用することで、高効率・高精度な防除・追肥作業や散布作業のデータを管理し散布作業の価値や効率を高めるソリューションの提供することで持続可能な農業分野に貢献していきます。また、農作物の育成解析、圃場の土壌解析、最適な施肥計画づくり、農薬散布作業の負荷低減といった分野での当サービスの利用価値を高めるために、衛星画像解析による営農の生産性向上サービス「天晴れ(あっぱれ)」を提供する国際航業株式会社、可変追肥システムの運用に不可欠なレーザー式育成センサー「Crop Spec」を提供する株式会社トプコン、一連の農作業の工程データを一元管理できる農業支援システム「agri-note(アグリノート)」を提供するウォーターセル株式会社との協業を開始しています。

YSAP
YSAP:Yamaha Motor Smart Agriculture Platform
「YMR-08」や産業用無人ヘリによる農薬散布・施肥作業のデータ管理や運行管理をスマートフォンやパソコン端末で行うソフトウェア・サービス

ヤマハ発動機の緩和策

低炭素製品の普及拡大

私たちが提供する二輪車を基幹とする製品群は、「軽量&コンパクト」を特長に、製造段階の資源利用としての環境負荷が小さいのみならず、使用段階においても機動性に富み、自由に手軽に近距離を移動できる特性を持っています。特に経済成長が著しい新興国において、モビリティの中でも小型で安価な二輪車は、物とサービスの移動需要を充足するとともに、人々の生活圏が拡大し、職業や教育機会の選択肢を増加させます。しかも、大規模なインフラ整備が不要で地球環境に大きなダメージを与えることがありません。

当社は、「燃費・環境性能」の両立を高次元で具現化する二輪車エンジン設計思想“BLUE CORE(ブルーコア)” を掲げ毎年燃費向上モデルの新機種をグローバルに投入し、当社CO2排出量の83.5%を占めるスコープ3.カテゴリー11.「製品使用時のCO2排出量」を削減することを最も重要な取り組みの一つとしています。

二輪車は、資源採掘から廃棄までのライフサイクルCO2排出量が乗用車の1/26、資源利用量においては1/40と、地球にやさしい持続可能なモビリティです。

製品ライフサイクルCO2排出量比較数値は当社調べ
図
ブルーコアロゴ

「燃費・環境性能」の両立を高次元で
具現化する二輪車エンジン設計思想

2019年度の二輪車の出荷台数のうちアセアン地域が約84%と大半を占めており、製品使用時のCO2排出量が最も大きいエリアです。アセアン地域では二輪車が通勤・通学や生活における主要な移動手段となっており、モノやサービスの移動を支える社会インフラとして重要な役割を担っています。当社は経済成長と環境課題解決に貢献するモビリティとして、低炭素製品ブルーコア搭載モデルの普及拡大をグローバルに推進しています。

二輪車グローバル販売台数に占めるブルーコア搭載モデルのウェイト推移
図
電動アシスト自転車の普及拡大

1980年代に表面化した「地球環境問題」や少子高齢化という「社会問題」に対する課題認識が発端となって、“人間感覚を最優先した、人と地球にやさしいパーソナルコミューター”という開発コンセプトのもとに、既存のカテゴリーには属さない新たな乗り物として開発に取り組み、1993年に世界初となる電動アシスト自転車「PAS」を発売しました。以来、国内での完成車販売、ドライブユニットの供給ビジネスに加え、グローバル展開として2012年から欧州地域の自転車メーカーとの連携を強化・拡大し、電動アシスト自転車用システムキットの供給ビジネスを展開しています。2019年2月には電動アシスト自転車用ドライブユニットの累計生産台数が500万台に到達しました。

電動アシスト自転車用ドライブユニット累計生産500万台達成セレモニー
(ヤマハモーターエレクトロニクス株式会社 本社工場)
2025年マイルストーンに向けた製品による緩和策の具体的施策
低炭素社会への貢献
循環型社会への貢献 自然共生社会への貢献
2025マイルストーンに向けた具体的施策  電動化
代替燃料
燃費向上
電費向上
軽量化
耐久性
リサイクル・レンタル
シェアリングなど
具体的取り組み
ランドモビリティ
  • 二輪車
  • 電動アシスト自転車
  • ROV
  • SMB
  • ATV
インド市場規制対応 「NIKEN」用のアルミキャストホイールが「Casting of the Year賞」を受賞
マリン
  • マリンエンジン
  • ボート
  • ウォータービークル
  • プール
小型電動モデル追加 推進効率の向上 アルミポンツーンの導入拡大 日本マリン事業協会リサイクルシステムの 積極的活用  
低抵抗船型の開発 最大積載量の大幅な向上 Sea-Styleの普及拡大
  • サンゴ礁の保全活動への支援
  • 海岸清掃活動「子ガメ観察会&サステナブルビーチ作戦」の実施
  • 湖岸清掃活動「マリンクリーン活動In浜名湖」の実施
  • 海洋プラスチック調査への協力
ロボティクス
  • 産業用ロボット
  • 産業用無人ヘリコプター
サイクルタイムの短縮   省力化・高効率 マルチソリューション提供機会拡大
スマート農業ソフトウェア・サービス提供  
その他
  • ゴルフカー
  • 電動車いす
  • 自動車用エンジン
  • 汎用エンジン
  • 発電機
  • 除雪機
コンセプトモデル「New Concept Cart SC-1」車両開発 燃費性能向上モデル普及拡大 環境負荷の少ない移動システム MaaSの実現に向けた協働取り組み レンタルプラン拡大  
EV向け電動モーターユニットの試作開発受託 バッテリーユニット効率改善 新素材の検討 1人乗りモビリティ提案
生産活動における理論値エナジー活動のグローバル展開

当社では、日本国内で蓄積した省エネノウハウを、海外グループ会社と共有・協力しながら、グループ全体のCO2削減を進めています。具体的には国内外生産拠点の設備や工程別に価値/準価値を定義し、本質機能を見極めロス最小化を狙う“理論値エナジー”思考を展開しています。これまでに全13ヶ国30拠点を訪問し、グループ全体のCO2排出量の98%をカバーする範囲まで活動を展開し、エネルギーロスの削減を推し進めています。

理論値エナジー
設備・工程において、理論上必要なエネルギーを価値エネルギーと定義し、準価値/無価値の部分を設備・運用両面の改善によって徹底的にそぎ落とし、エネルギーの最小化を追求する思考です。国内外のグループ会社に加え、サプライヤーへの展開を進めています。

グラフ
生産拠点における再生可能エネルギーの利用拡大

当社では、太陽光や風力による発電システムを導入しています。2004年に本社工場へ太陽光発電を設置して以来、順次導入を進め、再生可能エネルギーの利用拡大を推進しています。アメリカ、タイ、台湾など海外拠点への導入も進めており、2019年にはインドの生産拠点へ太陽光発電を導入しました。2019年の発電量は年間17,032MWh(約14,231トンのCO2削減効果)となり、各工場操業や事務所の照明や空調などにも使用されています。

写真
インド IYM-CHE

リスク管理

気候関連リスクの「特定と評価」のプロセス

当社では、「事業戦略」と「事業継続」の2つの側面から気候変動リスクの特定と評価を行っています。

リスクの特定

各事業・機能部門は、短期・中期・長期の気候関連リスクを「低炭素経済への移行に関するリスク」と「気候変動による物理的変化に関するリスク」に分けてそれぞれの側面が事業に与える財務影響を考慮し、また気候変動緩和策・適応策を経営改革の機会として事業に与える財務影響を考慮し、事業中期計画の中でリスクと機会を特定します。

また、気候関連リスクも含めた、製品品質に関する法令違反、重大な製品事故、サイバーセキュリティなど、会社全体の事業継続のリスクを本社各部門・海外グループ会社の活動方針に折り込み、特に重点的に予防・対策に取り組むべきものをグループ重要リスクとして特定しています。このように、気候関連のリスクは、グループ全体のリスク管理のしくみに組み込まれています。

リスクの評価

環境活動を管掌する執行役員を委員長とする「環境委員会」は、各事業・機能部門が特定したリスクと機会に対する事業戦略としての具体的取り組みを評価します。

社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ委員会」は、気候関連リスクも含む会社全体の事業継続リスクにおいて、特に重点的に予防・対策に取り組むべきものをグループ重要リスクに対する具体的取り組みを評価します。このように、気候変動関連のリスクは、グループ全体のリスク管理のしくみに組み込まれています。

気候変動リスクの「管理」プロセス

「環境委員会」は、各事業・機能部門が特定したリスクと機会に対する事業戦略としての具体的取り組みのゴールや目標を毎年進捗を管理し、「経営会議と同じメンバーで構成される「サステナビリティ委員会」および取締役会で結果を報告します。

具体的には、各事業・機能部門は、特定された気候変動マテリアリティ「低炭素社会」「資源循環社会」「自然共生社会」に基づき、短期・中期・長期のリスクと機会、事業・戦略・財務に及ぼす影響、2°C目標の気候シナリオを考慮し、2025年目標(および2050年目標)の具体的数値目標(製品から排出されるCO2排出量を2010年比で販売台数原単位2025年▲19%、2050年▲50%、生産活動で排出されるCO2排出量を2010年比で売上高原単位2025年▲19%、2050年▲50%)を策定しました。環境委員会は、進捗管理を実施するとともに事業に重要な影響を及ぼす案件については審議し、少なくとも年2回は取締役会で報告または決議を行います。

指標と目標

2025年マイルストーンの設定

指標と目標

取り組み分野 目標 具体的な取り組み
2050年 2025年
低炭素社会低炭素社会アイコン 製品から排出されるCO2を削減 ▲50%
(2010年比)
▲19%
(2010年比)
■製品別の詳細
生産活動で排出されるCO2を削減 ▲50%
(2010年比)
▲19%
(2010年比)
■既存アイテム展開率拡大
  • ・自動停止化(モータ、エア)
  • ・インバータ化
  • ・放熱削減
■新省エネ技術
  • ・蒸気レス
  • ・排熱回収(炉、コンプレッサ等)
  • ・サーボモータ化
■理論値エナジー
  • ・価値、無価値エネルギー可視化
  • ・無価値の徹底排除
■低炭素エネルギー導入拡大
  • ・太陽光発電導入など
循環型社会循環型社会アイコン 生産活動における廃棄物低減 ▲50%
(2010年比)
▲14%
(2010年比)
■廃棄物定義周知&現状把握
  • ・グローバル共通の廃棄物定義の制定、周知および集計システムの構築
  • ・グローバル集計システムによる廃棄物量の把握
  • ・現場調査および課題の抽出、把握
■削減パッケージ展開
  • ・過去に効果のあった削減施策をまとめ、グローバル展開
    (汚泥脱水、クーラント液長寿命化、etc…)
■廃棄物削減技術/施策の開発
  • ・他社交流、協業により新たな削減技術/施策を開発
    (鋳物砂、物流廃棄物、etc…)
■廃棄物削減組織の運営
  • ・環境ガバナンス組織を有効活用し、グローバルでの廃棄物削減を推進
  • ・廃棄物削減推進者の育成
生産活動における水使用量低減 各国地域の水リスクに応じた施策により最小化を狙う
※水リスクとは、世界資源研究所が公開しているAqueduct等を参考にヤマハ発動機が独自に定義した水需給に関する指標
■グループ各社の水使用量の把握の継続
  • ・グローバル集計システムを活用した水使用量の把握を継続
■高水リスク拠点へのフォロー
  • ・水リスクが高まった拠点に対しては個別に水使用量削減をフォロー
マネジメント 環境法令遵守と製品化学物質管理の強化 製品含有有害物質ゼロ 環境法令遵守と製品化学物質管理の強化 ■製品における環境負荷物質の削減
■体制と仕組みの充実、啓発活動の強化
■環境負荷物質管理のリスクマネジメント
■コンプライアンスの徹底
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