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型成型・研磨 ボート作りの生命線となる「型」仕上げ

型の仕上げに見るクラフトマンシップ

複雑な自由曲面で構成される船体構造は、大型の3D NC旋盤により削り出された「オス型」にFRPを積層し「メス型」を作成するところから始まる。
全長が20メートルを超えるような大きな型の場合、分割した型となるが、合わせ面の精度が求められる非常に高度な型製造技術が要求される。
完成したメス型の上にFRPマット・クロスを積層してボートは完成するが、いかに補強された「型」であっても、その大きさゆえ、型自身の重量によって歪や積層作業による小さな傷や不具合を生じてしまう。
この型を如何に完全な形で使えるようにするかは、「匠」の研ぎ澄まされた日々のチェックが必須となる。

オス型の削り出し、メス型の製造までは完全に機械化された専用工場で作り出される。
ボート製造工場では、送られてきたメス型をまるで「球面ガラス」の仕上げのごとく「仕上げ」を行っている。
わずかなザラツキでもゲルコートの剥離に影響を及ぼしてしまうため、光の反射を見ながら鏡のような面となるまで型表面を磨き上げていく。

平面と異なり、曲面のひずみを見つけ出すには、目の位置、光の当て方など、熟練ならではの経験がモノを言う世界だ。
ひとつの曲面に対し幾つもの視点から見つめ、磨き上げられた型に映し出される光の反射を頼りに緻密なバフ掛け作業が続けられる。
さらに、ぴかぴかに磨き上げた「型」には、6層にもなるガラスコーティングが施され、ミクロンサイズの極小の穴を完全に埋め、そこにゲルコート塗装から始まる船作りが始まる。
数値で表される誤差ではなく、匠の「納得」のみが作業完了の合図となる。

これが、 ヤマハの手

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