本文へ進みます

トラ

精悍な顔と独特の縞模様をもつ「トラ」をペーパークラフト化

世界の希少動物シリーズ

シリーズのインデックスページへ

縞模様が鮮やかなトラは、ネコ科の肉食獣の中で最大の動物です。しかし、漢方薬の原料を目的に、密猟の対象となり、絶滅の危機に瀕しています。
「トラ」はレッドリストに絶滅危惧種[EN]として登録されています。

「トラ」の雄々しい姿をペーパークラフトにしました。ダウンロードしてお楽しみください。

データのダウンロードPDFデータ初出:2000年12月1日

トラ - 動物小事典

  • トラ(ネコ科)
  • TIGER
    Panthera tigris
  • 体長 170~250cm/体重 150~270kg
  • 2016年版レッドリストカテゴリー区分[EN]

トラは現存するネコ科の食肉獣の中でも最大で、大型のものでは体重が250キロを超えます。
特徴的な縞模様は、周りの森ややぶに自分の姿を溶け込ませ、獲物から見えなくするカムフラージュの役目を果たします。
トラの狩りは主に夕刻から日の出までの間に行われます。身を潜めて獲物が近寄ってくるのを待ち伏せ、長い爪を備えた大きな掌でがっちりと獲物を押さえつけ、頑丈な顎で噛みつきます。
獲物となる動物は地域によって変わりますが、シカやイノシシといった大型の草食獣や、時には鳥や魚も食べます。しかし意外なことに、熟練したトラでも狩りの成功率は低く、10回から20回の狩りでようやく1頭仕留める程度です。1週間に1度の割合で獲物を捕り、これを1週間ほど時間をかけて食べます。
群れをつくるライオンと違って、トラは群れをつくりません。オスはそれぞれがなわばりをも持ち、単独で行動します。ふつう、オスのなわばりの中に複数のメスのなわばりがあります。小さな子供がいるメスのトラは、子供が巣立つまで常に寄り添って行動します。メスは約100日の妊娠期間を経て2~6匹の子供を産みます。子育てにオスは参加せず、メスだけが子供たちの面倒を見ます。

生息地

トラは熱帯雨林、落葉樹林、針葉樹林、マングローブ林、湿地などさまざまな環境に生息していますが、熱帯、亜熱帯では暑さをしのぐためしばしば何時間も水に入っています。現在、世界には5亜種のトラ(5000~7200頭)が生息しています。その3分の2がインドやバングラディッシュに生息しているベンガルトラです。それ以外に、ロシアのシベリアトラ、インドネシアのスマトラトラ、中国のアモイトラそして、ミャンマーからベトナム、マレー半島にかけて生息するインドシナトラがいます。
アジアの広い範囲に、ばらばらに分布しているトラたちですが、いずれも個体数が減少し、絶滅の危機にあります。原因は、その美しい毛皮目当てやスポーツとしての狩猟、そして生息地の森林伐採による獲物の減少などがあげられます。また国によってはトラのヒゲや骨は薬として珍重されています。その需要目当の密猟もいまだに続いています。

分布: インド、東南アジア、極東ロシアなど

レッドリストとは

レッドリストは、世界各地で絶滅のおそれのある様々な野生生物を種別にとりあげ、個々の状況を示したリストで、IUCN(世界自然保護連合)によってまとめられました。

生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し表のように仕分けたもので、規制等の法律上の効果を持つものではありません。けれども、絶滅のおそれのある野生生物の保護を進めていくための、基礎的な資料として広く活用されています。 日本では環境省がこのレッドリストの仕分けを参考として日本国内の野生生物を対象に、日本版のレッドデータブックを作成しています。

2016年版レッドリスト・カテゴリー区分
絶滅種 EX 最後の個体が死んだもの
野生絶滅種 EW 野生の個体が絶滅しているもの
近絶滅種 CR 絶滅のおそれがきわめて高い種
絶滅危惧種 EN 絶滅のおそれが高い種
危急種 VU 絶滅のおそれがある種
近危急種 NT すぐに絶滅する危険性は小さいが、将来的に絶滅する危険性があると判断された種
低危険種 LC 近い将来絶滅に瀕する見込みが低い種
情報不足種 DD 絶滅のおそれがあるかもしれないが、情報不足でどのカテゴリーにも入れられない種
ページ
先頭へ