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シーラカンス

生きた化石と呼ばれる古代魚「シーラカンス」をペーパークラフト化

世界の希少動物シリーズ

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化石で発掘されて以来、7千年前に絶滅したとされていた「シーラカンス」。その生きた姿が確認されて以来、動物の進化の過程や生態を探る研究が世界中で続けられています。「シーラカンス」はレッドリストに近絶滅種[CR]として登録されています。

生きた化石として有名な「シーラカンス」をペーパークラフトにしました。ダウンロードしてお楽しみください。

データのダウンロードPDFデータ初出:2001年2月1日

シーラカンス - 動物小事典

  • シーラカンス(シーラカンス科)
  • COELACANTH
    Latimeria chalumnae
  • 体長 150cm/体重 60kg
  • 2016年版レッドリストカテゴリー区分[CR]

シーラカンスはデボン紀中期(3億6千~8千万年前)に発生し、2億4千万年ほど前に栄えた総鰭(そうき)類とよばれる古代魚の1種で、およそ8000万年前に絶滅したと考えられていました。
ところが1938年に南アフリカの東岸沖で捕獲され、まだ生存していることがわかり、1950年代には”生きている化石”として世界的に知られるようになりました。
体が青黒く見えるのは、大きく固いウロコの色で、全身に白濁色の斑点があります。 シーラカンスが属する総鰭類の最大の特徴は、他の魚類には全く例のない肉鰭(胸びれ、腹びれ、しりびれ、背びれ)は、それぞれの付け根に発達した支柱のような骨と筋肉によって動きます。肉鰭は四足動物の足に進化していく可能性を秘めた構造を持っていたといえるでしょう。
古代魚の多くは、えらだけでなく肺でも呼吸していました。陸上でも、ある程度は呼吸できる能力を備えていたと考えられ、総鰭類の中の特定の種類が陸上にあがって、両生類(カエル、イモリ、サンショウウオ)発生の原点になったという説があります。
現存しているシーラカンスは、えらだけで呼吸しています。古代魚の肺はうきぶくろと結びついて機能していたようですが、シーラカンスのうきぶくろは脂肪がつまっており、呼吸機能とは関係がなく、ほとんどの魚類のうきぶくろと同じような圧力の調整器官となっています。
また、解剖によって、シーラカンスは胎生魚であること、魚やイカを食べていることなどが確かめられています。

生息地

シーラカンスは1990年代半ばまでに約200匹捕獲されて、南アフリカをはじめ世界各地の博物館ではく製またはコピーが展示されています。シーラカンスが多く捕獲・確認されているのは、南アフリカとマダガスカルの間、特にコモロ諸島周辺です。1987年にはドイツの調査隊が水深100Mの海底で、数匹の群の撮影に成功しました。 これによって海底の岩の穴をすみかとしていることや、泳ぐときに、どの肉鰭を、どのように使うかが解明されました。1998年にコモロ諸島とは1万キロもはなれたセラウェシ島(インドネシア)のメナド沖で捕獲された「ラジャ・ラウト」という魚がシーラカンスであることがわかり、1999年に同属別種(学名はLatimeria menadoensis)のシーラカンスとされました。また、生きた化石が発見されたわけです。

分布: アフリカ沖のコモロ諸島の周辺など

レッドリストとは

レッドリストは、世界各地で絶滅のおそれのある様々な野生生物を種別にとりあげ、個々の状況を示したリストで、IUCN(世界自然保護連合)によってまとめられました。

生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し表のように仕分けたもので、規制等の法律上の効果を持つものではありません。けれども、絶滅のおそれのある野生生物の保護を進めていくための、基礎的な資料として広く活用されています。 日本では環境省がこのレッドリストの仕分けを参考として日本国内の野生生物を対象に、日本版のレッドデータブックを作成しています。

2016年版レッドリスト・カテゴリー区分
絶滅種 EX 最後の個体が死んだもの
野生絶滅種 EW 野生の個体が絶滅しているもの
近絶滅種 CR 絶滅のおそれがきわめて高い種
絶滅危惧種 EN 絶滅のおそれが高い種
危急種 VU 絶滅のおそれがある種
近危急種 NT すぐに絶滅する危険性は小さいが、将来的に絶滅する危険性があると判断された種
低危険種 LC 近い将来絶滅に瀕する見込みが低い種
情報不足種 DD 絶滅のおそれがあるかもしれないが、情報不足でどのカテゴリーにも入れられない種
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