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技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.32 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.32(2001年9月)

特別寄稿:『品質について思うこと』

巻頭言

品質について思うこと PDF

宮尾 博保

今、我々はグローバル競争の真っ只中におり、熾烈な戦いに勝ち残るべく、知恵と行動が試されています。そして、そのための多くの達成すべき課題の中で、品質とコストが重要であることは議論の余地がありません。信頼される品質で、競争力のあるコストで、お客様が求める商品・サービスをタイムリーに提供することが、そのための条件といえます。製造業の基本は物づくりにあり、その品質にあるといえます。提供する製品・サービスの品質は、お客様が安心してご使用いただけるレベルでなければなりません。中でも製品安全への配慮は、パーフェクトが要求されます。情報化時代となり、あらゆる情報が瞬時に不特定多数に伝わる時代となりました。製品安全に関わる品質問題に対しての関心の高さは、企業に対して取り組み姿勢の変革を迫っています。
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製品紹介
技報No.32 製品紹介1 説明画像

2002モデル モトクロッサーYZ250,YZ125,YZ85/LW PDF

根岸 廣介

「YZ」のモデル名で親しまれているヤマハ発動機(株)のモトクロスマシンは、実に30年近くの歴史をもち、諸先輩方のご労苦と努力の上に時代の波にもまれてきたが、近年では特に経済の好調とモーターサイクル文化の復活に支えられた北米市場で急激な販売の伸長を見せている。そうした中でこの度、YZシリーズの中核を占めるYZ250/125は車体を中心として、またシリーズ末弟のYZ80は「85」となり、エンジン・車体共に久しぶりのモデルチェンジを行なったのでその紹介をする。
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技報No.32 製品紹介2 説明画像

パススマイル/パススーパーライト PDF

中之薗 晴彦/明田 久稔/中山 浩典/宮田 彰一郎/山本 豊之

電動ハイブリッド自転車パスは、1993年秋の発売以来、PAS(Power Assist System)ユニットの小型化、バッテリ充放電管理のシステム化(IFES:Intelligent & Flexible Energy System)などの技術的進化・改良が図られ、常に業界トップシェアを維持してきた。そして、2001年2月に高機能・低価格の新製品「パススマイル」を、4月には軽量・スタイリッシュな「パススーパーライト」を相次いで発売した。以下に、パススマイルシリーズの概要と開発内容を紹介する。
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技報No.32 製品紹介3 説明画像

4ストローク船外機 F225A PDF

尾上 昭博

環境に配慮したクリーンな船外機として1999年発売のF115に続く、大型出力クラスの4ストローク機F225を、2001年4月に多くの市場の高い要求に応えるべく、業界のトップを切って生産を開始したので概要を紹介する。
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技報No.32 製品紹介4 説明画像

PHS遠隔自動検針システム PDF

高山 晃

株式会社ワイ・イー・シー電装制御開発室では、電源を自給する全天候型屋外タイプのPHS遠隔自動検針システムを開発した。現在、市場への導入が行われている。今回は、端末装置に絞って紹介する。
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技報No.32 製品紹介5 説明画像

モジュール型高速マウンター Xgシリーズ PDF

岩塚 佳久

携帯電話や携帯型パソコン等の各種携帯端末機器、自動車制御機器、IT革命を担う電子機器製品の進歩、社会への浸透はめざましく、それらを支える電子部品には、さらなる小型高機能化、高密度実装化が要求されている。また近年、環境問題対策の一環として鉛フリー対応が求められ、より一層の高精度搭載も急務になってきている。ヤマハ発動機(株)では、これまで電子部品表面実装機の中型機と呼ばれる分野でXシリーズを開発し(ヤマハ発動機技報No.31に掲載)、このような市場の要求に応えてきたが、このたび「次世代生産に直結できる高速・高精度・フレキシブル性能」を追求したモジュール型高速マウンタXgシリーズYV100Xg、YV88Xgを新たに開発したので紹介する。
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技報No.32 製品紹介6 説明画像

5人乗り電磁誘導電気ゴルフカー G17E PDF

吉井 芳徳/雄谷 誠祐/佐藤 孝夫

最近のゴルフ業界はバブル崩壊以後、ゴルフコースへの入場者減、新設ゴルフコースの減少、代替期間の長期化など、ヤマハ発動機(株)(以下、当社という)特機事業部にとって逆風のビジネス環境となっている。ゴルフコースは経営上、「合理化」の3文字に目まぐるしい対応を強いられている厳しい業界のひとつでもある。また昨今、環境対応と名のつく商品は多方面で紹介されており、当事業部の主力商品であるゴルフカーにおいても、その要請は年々高まっている。そうした状況の中でも、当社が1996年に発売した電磁誘導ガソリンゴルフカーG17A(ヤマハ発動機技報No.28に掲載)は、着実にコース運営の合理化に貢献して販売数量を伸ばしてきている。このたび、事業部目標である電磁ゴルフカーシェア60%達成とお客様満足度No.1の維持、環境対応およびラインナップ充実も含め、事業部の基幹であるゴルフカービジネスをさらに堅固なものにする新商品「5人乗り電磁誘導電気ゴルフカーG17E」を開発したので紹介する。
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技術紹介
技報No.32 技術紹介1 説明画像

ヤマハASV-2の研究開発 PDF

北川 成人/中井 登

最近の二輪車の交通事故状況を見ると、二輪車乗車中の死者数は漸減傾向にはあるものの、毎年全国170,000人前後の死傷者が発生し、その内のおよそ1%が死亡に至るという事実がある。このような厳しい状況の中で、自動車の安全性を格段に高めることを目指して国土交通省が推進する第2期ASVプロジェクトが1996年度にスタートし、その2年目にあたる1997年度から二輪車メーカーも参画することとなった。ヤマハ発動機(株)は、二輪車の安全性向上を最重要課題のひとつと考えており、これまで安全技術の開発、および商品への展開を図るとともに、安全普及活動にも力を注いできた。また、第2期ASV計画への参画により、「走る、曲がる、止まる」の基本性能を向上する基盤的安全技術に加え、いかに事故低減を図るか、いかに事故の被害を低減させるかという視点での「予防安全技術」、「衝突安全技術」の先進的安全技術の分野にも研究開発の領域を広げてきた。さらに、急速に展開しつつあるITSの一部として、道路インフラと連携した走行支援システムの研究も国家的なレベルで進められており、このような進化した交通環境に対応する必要性があることから、二輪車の高度情報化の研究開発にも着手し、積極的に推進しているところである。本稿では、当社が第2期ASV計画で研究開発を進めたこれらの技術についての成果と、今後の課題について述べる。
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技報No.32 技術紹介2 説明画像

クラックフリーCrめっき膜の構造,物性,および耐久性 PDF

土屋 五十洋/真野 桂子

硬質クロムめっきは摩擦係数が小さく、耐磨耗性に優れ、皮膜に強固な不動態皮膜を形成することから高耐食性であり、摺動部品等に多く用いられる。しかし、皮膜中に発生する網状のクラックは、基板の耐食性を劣化させる要因となり、下地にニッケルめっきを施して、基板の耐食性を確保している。今回、地球環境対策として、パルス電解方法、添加剤、めっきセル構造などの改良により、クロムめっきをクラックフリー化させ、クロム単層にて耐食性を確保することを狙いとし、表1に示す基礎実験において良質な皮膜を生成速度2~3μm/minで得ることができたので紹介する。本研究では、周波数を変化させた際のめっき膜の表面形態、結晶学的構造、物性について評価した。モーターサイクルサスペンションの構成部品であるロッドピストンの表面処理には、要求品質として、耐磨耗性、耐食性が必要とされる。この部品に本研究で開発したクラックフリークロムめっきを施し、実際の耐久性について欧州耐久ロードテストを1年間、モーターサイクルサスペンションにて実施し評価した。
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技報No.32 技術紹介3 説明画像

エンジンラバーマウント化によるATV振動低減 PDF

清水 克久

近年ATV市場は全体の約90%を占める米国の好景気という追風を受けて、毎年20%近い伸長を続けている。その中でユーティリティー系ATVは、かつてのように農作業などの業務用としてよりも、趣味の乗り物としての色合いを強めつつある。その結果、乗り心地への要求は近年急速に高まってきている。ひとことに乗り心地といってもその現象は多岐に渡るが、今回は特にエンジン振動の低減のため、YFM660FWA NEW GRIZZLY660に採用したエンジンラバーマウント化技術について紹介する。
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技術論文
技報No.32 技術論文1 説明画像

FEM車両モデルを用いた二輪車運動特性解析 PDF

浅野 俊二/大富部 寿一

二輪車の運動特性を評価する手法の一つとして、有限要素モデルをベースとする複素固有値解析法を開発した。本手法の特徴は、微小変形領域をカバーする有限要素モデルに、運動機構系の大変位効果とタイヤ動特性、空力、重力、およびジャイロ効果を考慮したもので、実走行中の車両を対象とした剛性バランスや質量と分布に関して、詳細かつ実用的な影響調査を可能とするものである。本報告では、インライン4スポーツモデルを供試機種として行なったパラメータスタディ結果を示すと共に、この開発手法の有効性を紹介する。
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技報No.32 技術論文2 説明画像

予混合自着火エンジンの一般的性質と着火時期の予測 PDF

飯田 実/林 素明/David E.Foster/Jay K.Martin

ウィスコンシン大学との共同研究として行ってきた予混合自着火(HCCI)エンジンの研究について報告する。燃料としてノルマルブタンを用いた。HCCIでの運転可能領域は、低負荷側を図示平均有効圧力の共分散、高負荷側を筒内圧上昇率にて定義した。排気分析にはフーリエ変換型赤外分光器を用い、炭化水素(以下、HC)を成分ごとに定量化した。排出されるHCは、高負荷時には主に燃料そのものであるが、低負荷時には燃焼の中間生成物も多い。高効率で運転するためには、HCCIにおいても熱発生位置を上死点直後とする必要があることがわかった。また、熱発生時期を定容状態の着火遅れで予測する可能性を調べた。その結果、当量比依存性はうまく再現できるが、吸気温度・圧縮比依存性は再現できないことがわかった。今後、筒内残留ガスを考慮する必要がある。
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技報No.32 技術論文3 説明画像

高強度アルミ合金ピストンのリング溝への硬質アルマイト処理 PDF

栗田 洋敬/山縣 裕/小池 俊勝

高Cu含有高強度ピストン合金(Al-12%Si-4Cu-0.5Mg)のピストンリング溝に、硬さHV300以上の硬質皮膜を生成させるアルマイト技術を開発・実用化した。従来の硫酸浴直流電解によるアルマイトでは、本合金上にはHV200程度の皮膜硬さしか得られない。これは本合金中に多量に含まれるCuが、電解中に電気化学的に溶出することに起因している。本研究では、Cuの溶出を防止しHV300以上の皮膜硬さを得るためには、電解液中に40g/Lのシュウ酸を添加し、且つ硫酸濃度を150g/L以下にする必要があることを明らかにした。また電流反転電解により、電解時に極性を反転させ、処理表面に陰極反応を起こすことで処理表面の温度を下げた。これにより皮膜の局部的溶解現象である「焼け」の発生を防ぎ、健全なアルマイト皮膜を生成させることを可能とした。これらの方法の組み合わせにより、高Cu含有高強度ピストン合金のリング溝に、皮膜硬さHV350、膜厚20μm、表面粗さRa2.0μmの硬質アルマイト皮膜を生成させた。
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技報No.32 技術論文4 説明画像

エンジン音リアルタイム合成技術の開発 PDF

前田 修

モーターサイクルの音質研究や音のデザインを効率的に行うためには、エンジン音を自由に合成できるツールや音のシミュレータが必要となる。また、そのためにはエンジン音をコンピュータでリアルタイム合成する技術が不可欠である。エンジン音をリアルタイム合成する手法は既にいくつか存在するが、それらは機能的に不十分であったため、新たに単発音制御再生法と呼ぶ手法を考案し、それを用いてエンジン音を合成するシステムを開発した。本技術によって多種多様なエンジン音を簡便に合成できるようになり、1999年の東京モーターショーではモーターサイクルのサウンドシミュレータに応用された。今後、音の研究開発用ツールは勿論のこと、それ以外にも様々な用途が考えられる。
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