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WMX MX1シーズンレビュー

WMX MX1の2012年シーズンをご紹介します。

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あいつぐアクシデントに見舞われながら健闘
シンプソン11位、コンストラクターズ5位

2012年モトクロス世界選手権MX1は、ファクトリーライダーの2選手、スティーブン・フロサードとデビッド・フィリッパーツがシーズン途中から負傷欠場する苦しい展開となった。しかし、MX1フル参戦2年目の新鋭、ショーン・シンプソンがチームの期待を一身に背負って健闘。さまざまな明暗が交錯した2012年シーズンを振り返る。

フロサード、フィリッパーツが戦列を離れ、孤軍奮闘するシンプソン

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好スタートのフロサードが負傷で今季断念
フィリッパーツに復調の兆しが見えた前半

 2012年のMX1 GPに臨むMonster Energy Yamaha Teamは昨年同様3名体制。2008年MX1世界チャンピオンのD・フィリッパーツ、ルーキーイヤーの昨年大活躍してMX1ランキング2位に入ったS・フロサード、そして昨年MX1にステップアップした若手、S・シンプソンの3名が2012年仕様のYZ450FMを駆って王座奪還を目指した。
 昨年大活躍したS.フロサードはチャンピオン候補のひとりとして2012年の開幕を迎えた。そのフロサード、第1戦オランダGPで期待に違わぬ走りを見せる。予選でディフェンディングチャンピオンのA・カイローリ(KTM)とポールポジションを争うと、決勝でも第1ヒートで一時トップに立つ快走を見せて2位でフィニッシュ。続く第2ヒートでも手堅く3位に入り、開幕戦を総合3位で終えたのだ。
 だが、第2戦ブルガリアGPで不運が待っていた。フリープラクティス、プレクオリファイングでそれぞれ2位に入ったフロサードは予選ヒートで膝を負傷。以後のセッションには参加せず、月曜日に手術を受けることになった。そして翌週のイタリアGP、フロサードは土曜日こそ走行したものの、日曜日の決勝はキャンセル。前十字じん帯の手術を受けた5日後とあって、さすがに気持ちだけでは戦えなかった。
 一方、D・フィリッパーツは開幕戦の第1ヒートを7位で終えるが、第2ヒートではスタート早々に転倒を喫し、総合11位。続く第2戦も第2ヒートで転倒したが、追い上げて総合7位。それでも、第3戦イタリアGPは母国とあって、熱狂的なファンの声援に応える力走を見せる。その第1ヒート、4位走行中にC・ドゥサル(スズキ)とからんで転倒し、ゴーグルを破損。最終ラップには石が顔に当たる不運に見舞われながら、9位でゴールした。さらに第2ヒートも、目のケガを押して出場。総合8位となった。
 開幕戦でトップ10フィニッシュを目標に掲げたシンプソンは、第1ヒートこそ出遅れて11位となったが、第2ヒートで8位に入り、総合7位。第2戦も総合9位に入り、まずまずの出足を見せたが、第3戦は第2ヒートを転倒リタイアで落とした。
 全16戦の長いシーズン、ここからの巻き返しが期待されるなか、さっそく結果を出したのは元世界チャンピオンのフィリッパーツだった。第4戦メキシコGPの第1ヒート、チームメイトのシンプソンとからんで転倒し10位に終わったが、第2ヒートで躍進。スタートから積極的な走りで上位につけ、残り5周でトップに浮上。そのままシーズン初勝利を飾った。続く第5戦ブラジルGPは、第1ヒートで2位。第2ヒートも、開始早々に転倒を喫しながら6位まで順位を上げてゴール。シーズンベストの総合2位を獲得した。
 同じくメキシコで復帰したフロサードも、土曜日のフリープラクティスで5位。決勝第1ヒートも、スタートで15位と出遅れながら次第に順位を上げて行った。ところがその走行中、ステップを踏み外した足が路面にヒット。膝の負傷を悪化させてリタイアし、第5戦も欠場。2週間後の第6戦、地元フランスGPでは両ヒート8位に入り意地を見せたが、翌日医師の診察を受け、2度目の手術を受けることを決意。2013年の復帰をめざし、残念ながら今季のレース続行を断念した。
 一方、メキシコでフィリッパーツとともに転倒したシンプソンは、肩を脱臼。第1ヒートこそ10位でゴールしたものの、第2ヒートは欠場。続く第5戦、第6戦でも走りに精彩を欠いた。この時点でのシリーズランキングは、フィリッパーツが6位。シンプソンは12位にとどまった。

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フィリッパーツも離脱しチームを担う
シンプソンが見せた後半の巻き返し

 しかし、好事魔多し。調子を取り戻したかに見えたフィリッパーツは、第7戦ポルトガルGP、第8戦ベルギーGPと転倒が続き、順位も低迷。そして第9戦スウェーデンGP、第1ヒートで転倒した際、昨年夏に痛めた両手首を再び負傷。骨折と診断され、帰国後に手術を決断。フロサードに続いてフィリッパーツも残りのGP参加が不可能となった。
 そのスウェーデンGPからフロサード用のワークスマシンが与えられたシンプソンは、予選ヒート4位に入り、決勝第1ヒートでMX1の自己ベスト4位を獲得。第2ヒートも3位争いを展開、長いわだちにバランスを崩されながら5位となり、ベストリザルトの総合5位を獲得。みごとチームの期待に応えた。
 ところが、若さゆえの気負いもあってかシンプソンの成績はなかなか安定せず、第10戦ラトビアGPを両ヒート8位で終えた後、3戦連続して転倒が続き、ランキング10位から浮上のきっかけがつかめない。ようやく光明が見えたのは、シーズン終盤の第14戦ベネルクスGPだった。舞台となるリーロップは精神的にも肉体的にもライダーに厳しいことで知られるサンドコースだが、シンプソンは第1ヒート序盤で4位争いを展開。後半、ギアチェンジの問題を抱えて8位となった。第2ヒートも5周目で3位に上がり、周回遅れのライダーにぶつけられながらも5位フィニッシュ。総合5位に入った。
 さらに第15戦ヨーロッパGP、第1ヒートで4位争いを展開し、終盤K・デ・ディッカー(KTM)にかわされたものの5位。第2ヒートは出遅れて、「ペースをつかむまでやや時間がかかってしまった」と10位に甘んじたが、総合9位となった。この時点でのシリーズランキングは10位。最終戦ドイツGPの成績次第では順位を上げる可能性もあり、シンプソンは強い決意を秘めて最後のレースに臨んだ。
 その予選ヒートは4位。上り調子の勢いそのままに決勝も上位進出を狙ったが、第1ヒートのスタート直後に不運が襲う。第1コーナーでC・ドゥサル(スズキ)と絡んで転倒してしまったのだ。それでもレースをあきらめることなく、15位で完走。第2ヒートで最後の巻き返しをはかったが、スターティングゲートの動きにタイミングが合わず出遅れ、リズムがつかめないまま14位フィニッシュ。「ランキングを上げるどころか、トップ10さえキープできなかった。終盤の数レースはうまく行っていただけに、すごく残念」と語った。これにより、ヤマハの2012シーズンは、シンプソンのライダーズランキング11位、コンストラクターランキング5位という成績で終了した。
 またシーズン最後の2レースに、現役引退を表明していた35歳のベテランライダー、ジョシュア・コピンズがヤマハファクトリーマシンYZ450FMで出場。ヨーロッパGPを9位/13位の総合12位、ドイツGPも12位/11位の総合11位で完走し、その輝かしいキャリアに終止符を打った。

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