本文へ進みます

技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.31 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.31(2001年3月)

製品紹介
技報No.31 製品紹介1 説明画像

FJR1300 PDF

小松原 博/樋口 健/増田 辰哉/田中 豊二/林 典男

大型モーターサイクルの大市場である欧州市場は、1996年以降順調に成長を続け、2000年末には88万台規模まで成長すると予測される。中でもYZF-R1・R6が属するスーパースポーツエリアと、FZSシリーズおよびDiversionシリーズ等が属するストリートスポーツエリアが、全体の50%を占める市場構造となっている。欧州市場独特の文化として、バカンス時期にタンデムで10日間3000kmというような長距離・長期間の旅をする楽しみ方が根強く浸透している。ヤマハ発動機(以下、当社という)の製品でいうと、Diversionシリーズがこうした40代前後のツーリング愛好者に購入されている。モーターサイクル経験の長い彼らからは、ドイツのアウトバーンでの高速巡航や、標高差のあるアルプスの峠道(通称パスロード)をタンデムかつ2人分の荷物を積載して走るという過酷な条件が要求されるとともに、モーターサイクルの本質であるライディングの楽しさも追求したいという要望が強く聞かれる。こうしたカスタマーのニーズに応え、かつ期待を超える当社ツアラーエリアのフラッグシップモデルとして開発したのがFJR1300である。
冒頭を表示
技報No.31 製品紹介2 説明画像

ニューヨーロピアンコミュータ XP500 TMAX PDF

鈴木 俊之/森田 敏正/足立 吉彦/石井 毅英/瀬川 直樹/平野 和行/天野 浩一/石垣 宏

欧州の二輪市場(126cm3以上)は、年間需要約43万台を示した。'94年以降好調な伸長を見せ、'99年には約80万台に成長した。この中で、'97年にヤマハ発動機が投入した本格スクーター「マジェスティ250」(YP250)は市場伸長の原動力となり、イタリアを中心に全欧州で人気を博し、全欧で“MAXISCOOTER”の代表モデルとして定着した。マジェスティ250の発売をきっかけに、欧州の126cm3以上のスクータ市場は活性化した。他社からも新しいモデルが投入され、'00年には'96年の6倍近くまで市場が伸長することが予測され、更に今後もまだ伸長が続くと思われる。
冒頭を表示
技報No.31 製品紹介3 説明画像

ヤマハジョグ CV50R PDF

山本 幹雄/猪森 俊典/片岡 政士/金子 浩彦/山口 茂樹/松本 泰介/目黒 尊克

「ヤマハジョグ」は、1983年に初代モデルが誕生して以来、17年間のロングセラーモデルである。若者から年配の方までの日常の下駄代わりに通勤、通学、買い物等での利便性、快適性、ファッション性に優れた特色をもっており、発売以来ヤマハ発動機スクータの代名詞として愛され続けている人気モデルである。また社会からの要請に応え、平成10年以降は新たな排出ガス・騒音規制への適合をさせ、環境や省エネルギーなど時代のニーズに沿って現在まで進化を続けてきた。今回のフルモデルチェンジでは、マジェスティやTMAXの流れを継承したスタイリングの一新と、従来機能にプラスして50cm3スクータとして初のリモコンや電気式メータなどの飛び道具や光を装備した。7代目ジョグ「ヨベバコタエルリモコンジョグ」として大きな進化を遂げ、21世紀最初のスクータとして1月より市場導入されたので、その概要をここに紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 製品紹介4 説明画像

フェーザー1000(FZS1000) PDF

久保 裕/小林 泰之/金原 一成/大野 敦史/月花 良市/荻野 光弘/瀬川 直樹

ヤマハ発動機は1998年に欧州向けモデルとして「FZS600」を発売した。FZS600は600cm3でありながら、リッタークラスのモーターサイクルに肉薄するエンジン性能と、ワインディングロードでも軽快に走れる走行性能、そして日常の使用にも不足ない実用機能のバランスが評価され、1999年には欧州で16,000台を超える販売を記録した。また、欧州のリッタークラス(901cm3以上)のスポーツツーリング系モデル市場は、年間約7万台前後で堅調に推移しており、この市場には各社から多彩なモデル群が投入されている。「FZS1000」は、FZS600で確立したオールラウンドスポーツモデル“FAZER”の世界トップモデルとして開発したので、その概要を紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 製品紹介5 説明画像

軽量化への挑戦、インバータ発電機EF2500iの開発 PDF

深谷 光男/横倉 誠/馬塚 尚人/内野 隆/杉山 隆秀

地球環境問題や省資源としてのリサイクルがクローズアップされるなかで、携帯発電機も燃費改善、騒音低減、排ガスのクリーン化が要求されるようになってきている。同時に産業界では、携帯電話、携帯パソコンなど、「携帯」という接頭語のつく商品の軽量化競争が続いている。発電機という商品に目を落としてみると、0.5kVAから6kVAまでのクラスの携帯発電機が各社から市場に投入され、国内年間総需要は約10万台(1999年実績/ヤマハ発動機調べ)で推移、そのうち40%は2kVAクラスで、建設現場・道路工事から防災業務まで多方面に利用されている。近年では、工事現場の年齢層も広がりを見せ、女性労働力も進出。また、マイコン制御による電気機材が広く普及しており、従来システムによる発電機では十分に性能を出せない機器や、誤動作する機器も見受けられるようになってきた。このような市場環境の中、顧客の軽量・コンパクト化への要求度は高く、また高品位な電源が少しずつ求められるようになってきている。本稿で述べる「インバーター方式携帯発電機EF2500i」は、軽量化を最重視し、環境対応技術を採用しながら、高品位な出力波形を狙った商品である。ここにその概要を紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 製品紹介6 説明画像

ヤマハビルトイン型アルカリイオン整水器 OH-A20Y PDF

大橋 喜四郎/上川 秀哉/山下 良造

近年の健康ブームが高まる中、飲料水に対する安全指向、健康指向が一層高まってきている。こうした状況の中、1998年2月にヤマハ発動機初のアルカリイオン整水器を市場導入した(技報No.26にて紹介)。その後も飲料水に対する安全指向、健康指向は依然として高く、アルカリイオン整水器および浄水器の性能アップが望まれていた。2000年2月、OEM先であるヤマハリビングテック株式会社殿との共同開発により、高性能で低価格なNEWアルカリイオン整水器を開発し市場導入した。今回、このアルカリイオン整水器について概要を紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 製品紹介7 説明画像

4ストローク船外機 F8C FT8D PDF

大石 浩/小笠原 滝男

環境規制対応船外機として、フィッシングをはじめとする小型ボートでの用途に応える「F8C」、また大型艇やセールボートの補機用途に応えるハイスラストモデル「FT8D」を、2000年2月および8月に生産開始したので紹介する。
冒頭を表示
技術紹介
技報No.31 技術紹介1 説明画像

スクーター用 キーポップシステム PDF

山本 幹夫/目黒 尊克/望月 幹

ヤマハスクータは'98年モデルより、ヤマハ発動機独自のG-LOCK盗難抑止機構(以下、Gロックと言う)を装備している。現在までその横展開を図り、2001年モデルには国内スクータ全機種に搭載している。車両から離れる時にメインスイッチ横のレバーを軽く引くだけで、後輪のロックと同時にメインスイッチのキー孔を金属性のシャッターでカバーし、キーへの悪戯を防止する。簡単な操作で確実なロックを果たすシステムで市場からは評価されているが、解除時にはGロック解除用キーシリンダの操作が必要であり、狭い駐車場で左右にスクータが並んでいると比較的やりにくさがあった。今回、このGロックの利便性を向上させるため、リモコンによるGロック解除、シートロック解除を可能とした「キーポップシステム」を開発し、この1月よりヤマハジョグ「CV50R」に導入したので、その機能概要をここに紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 技術紹介2 説明画像

スクーター用 ハンドルモジュール PDF

山本 幹夫/目黒 尊克/高橋 啓介

近年、コスト削減や製造工数削減などの要求から、モジュール化やユニット化が注目されており、既にそうした思想で設計されたものも数多く製品化されている。コスト要件の厳しいスクータにおいても、モジュール化設計の導入は重要な課題の一つとなっている。一般的にスクータは、ハンドルスイッチ、ブレーキレバー、ヘッドランプ、フラッシャランプ、メータ、ハンドルカバー等の部品をハンドルバーに組み付けてサブアセンブリー化し、車両へ組み付けている。ここには多くの機能部品が個別の部品として集合しており、またハンドルカバー内はケーブルやハーネスが密集して雑然と取り回しされているのが実状である。このサブアセンブリーの構成部品を機能統合し、レイアウトも簡素化してモジュールとすることを検討してきた。そして、今回その第1段階として、ハンドルカバーとスピードメータをモジュール化し、ニュージョグCV50Rに製品化できたので紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 技術紹介3 説明画像

大気酸化法によるTi製マフラーの新着色技術開発 PDF

高橋 尚久

排気系部品は高温下で使用され、しかも急加熱・急冷により生じる熱膨張・収縮が激しいため、カラー塗装やほうろうなどの表面処理は変色や剥離が生じ、カラー化することは困難であった。バフ研磨したステンレスを金色に着色する例はあるが、300℃以下の低温域での使用に限られる。筆者らは、いつか排気系部品に宝石のような色を付けることを夢見ていた。その第一歩として新しい着色技術を開発し、2000年モデル「YZF-R1」において、チタンサイレンサボディをヤマハ発動機独自の特色ある色に着色することができたので紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 技術紹介4 説明画像

自律飛行無人ヘリコプターによる有珠山火口付近の観測 PDF

佐藤 彰

2000年4月23日より26日まで、建設省土木研究所砂防部の要請により、共同で北海道虻田町において有珠山の災害観測を行った。ヤマハ発動機(以下、当社という)では、すでに農薬散布用途で販売されている「RMAX」をベースに、自律飛行機能を組み込んだ技術開発を行い、モンゴルにおける生育観測調査を実施してその有用性を確認している。今回、観測に用いた機体は、その自律システムに、4月上旬から約2週間で有珠山観測専用のシステムを組み込んだものである。観測の内容は、道中央道・洞爺湖インターチェンジから洞爺湖温泉に向かう国道230号線付近に堆積した火山灰等の噴出物を調査し、その危険性を把握することである。観測は3日間かけ約1時間のフライトを5フライト行い、現地の状況の撮影や撮影中の画像の伝送に成功した。その結果、有人ヘリコプターでは確認されなかった多くの地形変化や火山灰堆積の状況を、生々しい映像として捕らえた。観測データは直ちにマスコミを通じて、ニュースとして全国のテレビや新聞で報道され、大きな反響を呼んだ。ここに、その自律システムと観測フライトの概要を紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 技術紹介5 説明画像

Xシリーズマウンターの開発 PDF

櫻井 博

携帯電話や携帯型パソコン等の各種携帯端末機器、自動制御機器、IT革命を支える電子機器製品の進歩と社会への浸透はめざましく、それらを支える電子部品には、さらなる小型高機能化、高密度実装化が要求されている。このような市場の変化、要求により電子部品表面実装機には、高い生産性とともに多様な電子部品へ対応する汎用性、高精度化が求められている。ヤマハ発動機(以下、当社という)では、電子部品表面実装機の中型機と呼ばれる分野で、このような市場の要求に応えてきた。当初、中型機は異形部品専用機として、または高速機の補完機として高速機の下流に位置することが多かった。現在でも高速機によるチップ搭載の実生産サイクルタイムは0.1秒から0.2秒程度であるのに対し、中型機では0.3秒から0.4秒程度が実力である。少品種大量生産におけるチップ搭載中心の生産では、高速機を必要とする場面もまだまだ多いものと思われるが、現在のように電子部品の多様化が進んできたり、あるいは多品種少量/中量生産の形態になってくると、従来の高速機と異形部品専用機の組み合わせではラインバランスが崩れたり、段取りに時間がかかってしまい、トータルの生産性が上がり難くなる。そのような現状に対応すべく、当社では「高い生産性に直結する高速搭載性能」を追求したモジュール型マウンタ:Xシリーズ(YV100X、YV88X)を開発した。
冒頭を表示
技術論文
技報No.31 技術論文1 説明画像

高能率円筒研削用アクティブレストの開発 PDF

杉浦 博治

動力伝達用に使われている軸は、精度を確保するために研削が多く使われている。最近の省エネ・高速化等のニーズに伴い軸径はより細く、また高精度が要求されている。一方、加工する立場からは、剛性が小さくなり精度を維持することが難しくなっている。特に軸径に対する長さの比が大きい軸ほどたわみやすく、加工時間が長くなる傾向にある。たわみを押さえる方法はいくつか存在するが、この課題を解決する適当な方法はない。このため、研削領域でたわみを防止する装置の開発に取り組んだ。これは、ワークの変位量に比例した力を、研削力と逆向きに作用させてワークを押し戻し、たわみを抑える装置である。この結果、今まで40分/本かかっていた研削時間が12分/本に短縮できた。長尺軸の外径を研削する場合、砥石を横移動してもワークがたわまない装置が開発できたので、その内容を紹介する。
冒頭を表示
技報No.31 技術論文2 説明画像

シェービング歯面傷ゼロへの取り組み PDF

森 一明

モーターサイクルは、小型で燃料消費も少なく、環境にやさしい商品である。一方で、エンジンは自動車のように車体に覆われることがないため、駆動系から発生する音質は重要な品質となる。良好な音質を保つため、当社ではエンジンの高速回転ギヤの大半をシェービング加工して精度を確保している。しかし、シェービング工程では「歯面傷」が発生する場合があり、20年来の課題であった。この「歯面傷」の発生原因の分析のためPM分析を用い、この現象が、(1)加工点に侵入する異物と、(2)噛合い圧力角との相互作用によることを明らかにした。現在、バリ取り装置の改良、加工油の浄化、洗浄機の改造、カッタ諸元の改良などにより、「歯面傷」不良発生ゼロを継続中である。さらに1再研当たりの刃具寿命が約10倍にアップした。また加工油と洗浄液の寿命がアップしたことにより、年間ドラム缶310本分の産業廃棄物を削減できた。
冒頭を表示
技報No.31 技術論文3 説明画像

快適なマリンシートの開発 PDF

杉崎 昌盛

快適なモータボートのシートを開発するために、どのような点に重点をおいて座り心地を評価しているかを調べ、同時に着座時の座圧分布を計測して改良点を明確にした。次に、これらから得られた知見や改良点をもとに、人間工学的に改良を加えたシートを作製した。改良したシートは主観評価でも優れ、座圧分布も座部は滑らかな座圧分布となり、背部は脊柱をS字形状に保つのに適した箇所を支持する分布となり、人間工学的に優れたシートができた。
冒頭を表示
※このウェブサイトにより提供を受けた技術(プログラムを含む)を非居住者へ提供、または引渡しを受けた貨物を輸出する場合は、「外国為替及び外国貿易法」等の輸出管理法令および米国の輸出管理法令を遵守してください。
ページ
先頭へ