| 技術論文 | 2サイクルエンジンの高圧縮比化 PDF 本山 雄/後藤 亨 二輪車用空冷2サイクルエンジンを用いて高圧縮比化による燃費、出力向上効果について調査した。その結果、供試機関においては圧縮比6.6~13.6の範囲では、圧縮比を上げるにつれ実用燃費が向上し、その効果は圧縮比1増に対し1~3%程度の向上となることがわかった。ただし、低負荷時には主に機械損失、冷却損失、吹き抜けの増大により、高負荷時には主に時間損失の増大(燃焼の悪化)により、理論値ほどの向上は得られなかった。また、出力も向上するが、圧縮比上限はノック発生と熱負荷増大により制限を受けた。さらに、実用燃費改善のための高圧縮比適用法として、全負荷時に点火遅角をする方法を試みた。その結果、同法によりノック回避と熱負荷低減は可能であったが、高圧縮比化に伴い極低負荷時に異常燃焼が発生し、圧縮比上限はむしろ後者に依存することが明らかになった。 冒頭を表示 |
| スクーターの快適乗車姿勢の評価 PDF 谷垣 聡 二輪車の乗車姿勢をライダーはどのような点に重点を置いて評価しているだろうか。今回、スクーターを用いて静止状態で官能評価を行ない、快適乗車姿勢の要因を多変量解析を用いて分析した。その結果、乗車姿勢の評価をする時に影響の大きい項目として、脚のゆとりと腕のゆとりの二項目があげられた。又、身長が高くなると脚のゆとりがなくなることや、座る位置が前方に移動すると脚のゆとりがなくなり、後方に移動すると腕のゆとりがなくなるような、今まで感覚的にわかっていたことを定量的に捉えることができた。また、この後、本結果をもとに、腕や脚の寸法・角度と感覚量との対応をとり、最終的に設計標準とした。なお、今回のテストは第3開発部と共同で実施した。 冒頭を表示 |
| モーターサイクルにおける表面改質 PDF 山田 徹 モーターサイクルにおける材料構成比を概観すると、鉄鋼材料が約49%あるものの、アルミ材料が約33%以上と軽金属が多いのが特徴である。加えて、搭載するエンジン出力は約150~200PS/ℓと極めて高いため、要求される表面改質も面圧、速度、耐熱、潤滑などの点で他と異なる厳しいものがある。まずフレーム系を見ると、主にアルミ材料よりなるため陽極酸化を用いるが、外観商品性から色調が明るく均一であることが望まれる。しかし、加工によって起きる母材欠陥への対応が必要である。また、クッションの一部にはMMCも用いているので紹介する。エンジン系では、モーターサイクル特有の高性能用表面改質、例えばピストン用潤滑アルマイト、シリンダー用特殊リン酸Mn処理やNi-P-SiC分散めっき、またリングやTiコンロッドへのPVD(TiN)、ギヤへの電解浸硫等が用いられている。最後に、材料の動向を予測しつつ、今後必要となる表面改質について言及したい。 冒頭を表示 |
| 製品紹介 | ハイパフォーマンスのスノーモビル VX750の開発 PDF 高田 一良/福田 和孝 長年に渡りYAMAHAは、新雪走破性に優れたスノーモービルを市場に提供してきた。しかし、近年の北米市場では、よく整備されたトレールコース(スノーモービル専用で総延長20万マイルともいわれている)が発達し、高速トレール走行の機会が増え、YAMAHAに対しても高速トレールマシン開発の要望は次第に強くなってきていた。競合メーカーがひしめく中、ヤマハもフラッグシップモデルとしての開発を行うこととなった。それが「VX750」である。VX750は、新しい価値観(性能と安定性の両立)を満足させる商品として、またYAMAHAの技術的先進性をアピールできる商品として、開発を進めてきた。ここにその内容を紹介する。 冒頭を表示 |
| OU70 風間深志南極大陸横断計画用モーターサイクルの開発 PDF 今岡 亮 1987年4月、北極点到達を果たした風間深志氏が、次なる目標として南極大陸横断を計画した。我々は風間氏の意志を受け、「オートバイと人、自然との共存」をテーマに、この計画に使用するオートバイ「OU70」の開発を開始した。計画はその後、さまざまな問題により「大陸横断」から「南極点到達」に変更されたが、開発に支障はなく、「OU70」は秋に完成した。風間氏は現地で2車両を受け取った後、12月1日に大陸へ上陸。その後34日間で極点到達を果たした。本紙は風間氏の計画の概要を紹介すると共に、「OU70」の技術的仕様を説明するものである。 冒頭を表示 |
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