本文へ進みます

技報【バックナンバー】

ヤマハ発動機では研究開発の成果や製品を支える技術をご紹介するために、年1回(12月)、技報を発行しております。
本ページでは、PDFファイルのダウンロード・閲覧ができます。(現在、冊子の配布はいたしておりませんのでご了承ください。)
YAMAHA MOTOR TECHNICAL REVIEW
技報No.12 表紙

ヤマハ発動機 技報 No.12(1991年9月)

技術論文
技報No.12 技術論文1 説明画像

二輪車安心感の実験解析 PDF

大富部 寿一/長谷川 晃

乗物の基本走行特性として、1)走る 2)曲がる 3)止まる の3要素がある。ライダーがこれらの動作を容易におこなうことができる走行感覚として「安心感」があげられる。本報告では、乗物の中でもライダーの影響度の大きなM/Cを対象として、先程述べた1)走る動作のうち直進走行に関して、ライダーの感じる「安心感」が走行中得られる車両の物理特性(計測値)とどのように対応するのかを、実験解析をおこない検討した。評価方法は、社内エキスパートライダーによる評価テスト。計測方法は、上述ライダーによる走行中の過渡応答テストで、両者の関係を実験データより求めた。その結果、ライダーの直進走行時における安心感と対応する物理特性として、伝達関数(ハンドル入力に対する車両挙動出力)があげられることが判った。その中でも操舵トルクに対する車体ヨーレイトのゲイン、減衰比が良く対応するという結果が得られた。なお、本件は1991年VDI大会への投稿論文である。
冒頭を表示
技報No.12 技術論文2 説明画像

パルスYAGレーザによる軽量化排気チャンバーの低歪溶接組立 PDF

高橋 尚久/田中 泰夫

4-4気筒二輪車(FZR系)の排気コントロールシステム(EXUP)のチャンバーは、高温・高振動がかかるため、当初はオーステナイトステンレス鋳鋼製であった。量産機種展開に向け、コストダウンおよび動力性能上軽量化が必要なため、これをオーステナイトステンレス薄板の精密プレスと、熱歪を押さえた溶接で組立てた。特に、回転する可変バルブの対向面となる4本のエキゾースト角パイプの集合端は、バルブを滑らかに回転させ、排気ガス量を制御するため、高い精度が要求される。そこで、精密プレスと溶接で組み立てた角パイプの先端を半円形に精密打抜きし、各端をパルスYAGレーザによりへり溶接して組立てた。これにより、板金チャンバーの精度を機械加工並にし、30%の重量低減と20%のコスト低減を達成した。
冒頭を表示
技報No.12 技術論文3 説明画像

二輪車における体感振動計測システムとその適用 PDF

田中 十四夫/古沢 政生

二輪車の開発において、振動、特に体感振動は重要な項目のひとつである。ヤマハ発動機では、体感振動の評価に1974年より独自のVGL(Vibration Greatness Level:振動の大きさのレベル)測定システムを製作し、エンジン振動による体感評価に活用している。より正確な体感振動の計測、二輪車開発期間の短縮という目的に、昨今のミニコンピュータの進歩という背景も相まって、新たな計測システムを製作した。その特徴を挙げると次の通りである。1)リアルタイム処理、2)全回転域連続評価、3)操作性、4)データベース化。本システムの導入は二輪車開発の効率向上に貢献している。ここでは、システムの概要と実際の二輪車への適用例について述べる。
冒頭を表示
技報No.12 技術論文4 説明画像

2サイクル火花点火機関の吸気サイレンサー開発 PDF

大谷 弘昭/岡崎 正喜

ボートの後方に取付けられる小型船外機において、吸気部より発生し、エンジンカバーを透過して来る音は、主要な音源の1つであり、船外機の開発の中で、吸気サイレンサーの形状の最適化が重要な課題となってきている。そこで、本報告では、理論的なシミュレーション手法を用い、吸気サイレンサーの改良設計を実施することを試みた。この方法は、一次元伝達マトリックス法をベースとしたものであり、モデル化に必要な音源の位置及び状態は、実機運転テストにて確認し、予測特性の検証については、2chFFTより得られる実験データによって行った。その結果、測定より得られた共振及び反共振の特性は、計算によって得られた結果と良好な対応が見られた。また、シミュレーション手法を用いて改良した吸気サイレンサーにおいても、実機運転での評価にて、確実な低減効果が得られ、本手法が吸気サイレンサーの開発・改良の分野において有効であることを実証した。なお、本件は第一回SETCにて発表されたものである。
冒頭を表示
技報No.12 技術論文5 説明画像

切粉細分化による品質・生産性向上 PDF

松浦 三夫

第4工場では毎日8トンもの大量切粉を排出しながら生産している。機械加工とは、物を削ることにより、形状・穴位置度でμm単位の精度を保証して製品を提供することが特徴であるが、そこには必ず切粉が発生する。この切粉が生産性や精度に多大な悪影響を及ぼしており、これを上手に処理することが機械加工での大きな課題の一つであった。しかし、切粉に対しては捨て去られる物という認識で、関心が低いのと形状や量が千差万別で解決が困難であるため、対策が遅れていた。実際の生産ラインにおいても、全仕事量の1/3を切粉処理に費やしている。機械加工職場にあっては、切粉は諸悪の根源であり、これを解決すべく我々は切粉と激闘してきた。切粉処理は一筋縄で解決は不可なので、体系だてた対策案を構築し、我々の技術ノウハウを開発しつつ取り組んできた。多くの切粉対策方法があるが、その中でも根本は切粉そのものであり、処理しやすい切粉づくりが第一と考え、対策の基本とした。処理しやすい切粉とは流れやすい切粉であり、その第1の方法は切粉を細分化することであると位置づけた。本報告では切粉の細分化について述べる。
冒頭を表示
製品紹介
技報No.12 製品紹介1 説明画像

ロータリー式手押し芝刈機42cmクラス PDF

見米 清隆/樋口 稔/小栗 清彦

ヨーロッパ向け手押し芝刈り機を市場に導入してから4年が経過した。手軽に取り扱える手押し芝刈り機は欧米各地で見られ、庭のある家では必需品である。初期導入モデルは刈り幅46cmと53cmの2機種で、エンジンを動力源とするロータリー式である。商品の性格上、モデルバリエーションが必要であり、参入当初より42cmクラスの投入が計画されていた。
冒頭を表示
技報No.12 製品紹介2 説明画像

RJPとニューコンセプトボート(RJP BOAT)の紹介 PDF

小林 昇

RJPは“ROTATING JET PROPULSION”の略で、従来のジェット推進機をチルト(上下運動)とロール(回転)の2ウェイ可動にした回転式ジェット推進機である。ジェット推進機は船外機、船内外機等と同様にレクリエイションボートが普及する時代から、ボートの推進機として親しまれてきたが、USAの統計資料を見る限り、ジェット推進機のユニットはここ20年間、船外機の100分の1程度の保有数で現在まで推移している。これには諸々の理由があったと考えられるが、レクリエイションボートの拡大・普及期にはボートのスピードが求められるのに伴って、“手軽で効率の良い”船外機が次々に高馬力・量産化され、開発者の目も自然に船外機・船内外機に力点が置かれ、ジェット推進機の研究開発には多くのエネルギーを費やすことができなかったようである。しかしながら近年、マリンジェット等パーソナルウォータークラフト(水上オートバイ)に代表されるように、小型レクリエイションボートにおけるジェット推進機の活用は目を見張るものがあり、比較的停滞していると言われる小型レクリエイションボートの技術開発に大きな影響を与えている。RJPもそうした背景の中で、さらにボートの技術革新を目指した1つの提案推進機として、ニューコンセプトボートは、その推進機を活用し、親しまれるボートのあるべき姿を追い求めた1例であり、ここに紹介する次第である。
冒頭を表示
※このウェブサイトにより提供を受けた技術(プログラムを含む)を非居住者へ提供、または引渡しを受けた貨物を輸出する場合は、「外国為替及び外国貿易法」等の輸出管理法令および米国の輸出管理法令を遵守してください。
ページ
先頭へ