Vol.9 あなたが ここにいるから
電動車いすを用いて、人びとの可能性を拡張する取り組み事例
一人ひとりの身体状況や生活環境に合わせて技術や装置を開発し、障がいのある人々のいきいきとした暮らしを支援するリハビリテーション工学技師。車いすメーカーなどが手の届かない細部にまで目を配り、技術と経験で使う人々の機能を最大限に引き出すスペシャリスト。
電動車いす「JW」シリーズ。この車いすに「遊べる機能」をもたせたい――。リハビリテーション工学技師の中村詩子さんが、福祉用具の製造・販売を行う矢崎化工(株)とともに開発する「ファンガード」。「JW」に装着すれば、子どもたちに「さあ、遊ぼう」と語りかける。
「子どもは遊ばないと発達しない。成長しない」。中村さんはそう話す。人や物を避けて進む車いすを使うお子さんたちにとって、サッカーという遊びは「ボールに向かったり、人と競り合ったり、積極性を掻き立てる」。きょうも体育館に喜びの声が響いています。