Vol. 6 自然と生き物、その狭間で。
産業用無人ヘリコプターを用いて、絶滅が危惧される離島の固有種を守る取り組み。
シドニーから飛行機で約3時間、太平洋に浮かぶ人口約2,200人のノーフォーク島。この美しい島では、鳥類や植物などいくつかの固有種の絶滅が危惧されている。自然とのつながりと尊敬の念を胸に、外来種の有害アリから島固有の生き物たちを守る人びとの取り組み。
アルゼンチンアリの繁殖が猛威を振るい、深刻な課題としてクローズアップされはじめたのは2005年頃。在来種の捕食や住宅への大量侵入など、さまざまな被害に苦慮した島民たちは噴霧器を背負って駆除にあたった。しかし残念ながら、その効果は限定的なものだった。
低空を飛行し、住居等を避けながら、おとり餌となる薬剤を広範囲に散布する産業用無人ヘリコプターは、有害アリ駆除のゲームチェンジャーとなった。絶滅危惧種も多数生息する自然豊かな国立公園への侵入を防ぐために、島の自然を愛する人とアルゼンチンアリの攻防が続いている。