絆プロジェクト:東日本大震災で流され、善意の絆で甦ったマリンジェット
2016年 企画展 Vol. 3
展示期間:2016年3月~6月
2011年3月11日の東日本大震災による津波で福島県大熊町から流出し、太平洋をおよそ5,000kmも漂流。3年後の2014年5月にジョンストン環礁で発見された水上オートバイ「ヤマハマリンジェット MJ-700TZ」が、元どおりの姿に修復されて甦り、コミュニケーションプラザ2階に特別展示されました。
発見したアメリカ魚類野生生物局の調査員によってハワイ州ホノルルに持ち帰られたMJ-700TZは、その後、震災起因の漂流物問題に取り組む日本の一般社団法人JEAN、福島県立いわき海星高校の実習船「福島丸」など多くの人びとの善意、協力によって日本へ帰還。所有者である福島県いわき市在住の松永友宗さんに届けられました。
松永さんは、愛艇が震災や漂流を経ても沈まず、孤島で見つかったことに感動。ぜひメーカーの研究・開発に役立ててほしいとヤマハ発動機に連絡したところ、ヤマハはこれまでに関わった人たちの善意を受け継ぎ、被災地復興の一助にしたいと願い、壊れたMJ-700TZをもう一度乗れるよう復元してオーナーに還す「絆プロジェクト」をスタートさせたのです。
そしてMJ-700TZはみごとに甦り、2015年12月20日の返還セレモニー(静岡県浜名湖)で、オーナーの松永さんや返還・修復に関わった人たちにその勇姿を披露しました。
主な展示内容
今回の展示は松永さんのご厚意によって実現したもので、修復されたMJ-700TZ本体と発見された当時の腐食したエンジン、ジェットポンプが、これまでの詳しい経緯や修復の様子を伝える説明ボードとともに並べられました。
被災地を思いやる多くの人たちの善意がマリンジェットを生き返らせた
修復なった松永さんの「MJ-700TZ」
エンジンはボロボロに腐食。
フライホイールカバーだけが修復で残された
ジェットポンプもほとんどが中古部品に置き換えられた