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テクニカルパートナー

2007年 企画展 Vol. 1

2007企画展 Vol.1
YZR-M1の挑戦 ~MotoGP第一章 2002-2006の記録~

テクニカルパートナー

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YZR-M1をともに走らせ、勝利に導くパートナー

市販モーターサイクルと同様、「YZR-M1」をはじめとするファクトリーマシンもまた、それぞれ専門領域を持つスペシャリストの技術なくしては成り立ちません。当社では、タイヤやブレーキ、サスペンション、チェーン、プラグといった主要構成部品のスペシャリストとテクニカルパートナーの契約を結び、動機や情熱、目標を一つにして勝利をめざしています。
また、テクニカルパートナー各社にとっても、世界最高峰のMotoGPは自社の研究・開発・検証の舞台です。ファクトリーマシンの開発から生まれた技術が市販モーターサイクルにフィードバックされるのと同じように、それぞれの市販製品にレースから生まれたノウハウがさまざまなかたちで活かされています。


MOTUL   専用開発の100%化学合成オイル
YZR-M1で使用されるエンジンオイルは、エンジン出力向上に伴う信頼性の確保とフリクション低減を狙いに開発されたMOTUL製5W30の100%化学合成オイル。エステル配合による油膜保持、及び有機モリブデン配合による摩擦低減とギア保護性能向上などを達成している。ベースオイル/添加剤ともにエンジンに合わせ専用開発され、エンジントラブルを防止し実戦でのメンテナンス低減に貢献している。

MOTUL   わずか120kmの走行距離を照準とした専用タイヤ
MotoGP用のタイヤは、決勝レースの走行距離(約120km)を照準に開発される。開発のポイントは、トラクションの性能と最大55度と言われるバンク時におけるエッジグリップの性能。そのためミシュラン製MotoGP用タイヤでは、タイヤのセンター部分とショルダー部分に特性の異なるゴムが配されている。こうすることで、タイヤの各部位に要求される機能に応じた特性を発揮し、マシンの動きに応じた各コンパウンドが強みを生む。
※YZR-M1に装着するホイールは、イタリアのマルケジーニ社製鍛造マグネシウムホイール。

NGK   エンジンの設計自由度に貢献する超小型プラグ
2006年のYZR-M1で使用したNGKスパークプラグ「R0423E-10」。市販車用のスパークプラグとの主な違いは、1)振動対策を図る外側電極のプラチナ化、2)エンジンヘッド設計の自由度アップに繋がる六角径の細径化、3)着火性向上による燃費改善を図る火花ギャップ拡大、等。点火ギャップ0.8mm程度の市販品に対し、MotoGP用は1.2mmに拡大、燃費向上に貢献する。

OHLINS   減衰力の安定化と調整感度向上を図る専用パーツ
年々高まるタイヤのグリップ性能に対応し、減衰力特性の高度化が求められる前後のサスペンション。フロントはガス加圧式で、インナーチューブにチタンナイトライドコーティングが施される。リアはφ44のピストンを持つガス加圧タイプで、いずれも減衰力の安定化と減衰力調整感度の向上が図られている。優れた減衰力の応答性を持ち、高い衝撃吸収性とハンドリング性能に貢献するフィーチャー。

brembo   タイム短縮に繋がるカーボン製ディスク&パッド
カーボン素材は線膨張係数がほぼゼロのため、熱によるディスクとパッドの変形が発生せず安定したタッチを維持できる。また、軽量でバネ下重量軽減による接地性向上と素早い切り返しが可能となり、タイムの短縮に繋がる。YZR-M1用ディスクはφ320mmで厚さ8.0mm。マウントはアルミ製、ピンはチタン製。パッドも専用のカーボン製で、φ38-φ34の4ポットのチタン製ピストンが組み込まれている。

D.I.D   駆動力伝達とロス馬力低減を図る専用パーツ
駆動力を後輪に伝えるドライブチェーンとスプロケット。特にドライブチェーンは、プレート、ブッシュ、ピン、ローラーなど多種のパーツからなる重要パーツで、馬力のロスを最小限に抑えながら出力を確実に伝達することが要求される。MotoGP用のドライブチェーンでは、高い衝撃強度と疲労強度の確保はもちろん、その上でさらに徹底した軽量設計が施され戦闘力のアップに貢献する。
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