<レポート> 歴史車両デモ走行見学会2018
往年のマシンとライダー、まるで「あの時」に戻ったような時間を過ごしました。
今年で10回目を迎えた「ヤマハ歴史車両デモ走行見学会」。定員1,500名の事前予約制となった今回、募集はWEBでの受付開始からわずか15分で終了するほどの人気となりました。
当日は本格的な秋の到来を感じる天気となり、11月3日「文化の日」にふさわしく、往年の名車たちの快音と雄姿を存分に楽しんでいただく1日となりました。「歴史車両デモ走行見学会」は、当社の創業から現在に至る歴史を彩った車両たちが、現役当時を彷彿とさせる「屋外」で「間近に見られて」、さらにその一部は「エンジンの快音を響かせて走る」ことが特徴のイベントです。
今回はサプライズゲストも登場しました。1970年代から80年代にかけてヤマハのワークスライダーとして数々のチャンピオンタイトルを獲得しただけでなく、バイクファンなら誰もが“キング”の名で呼ぶケニー・ロバーツがはるばるアメリカより来日してくれたのです。
レース史に残る名勝負を繰り広げた車両そのものを当人が35年の時を超えて走らせたデモ走行、さらには当時のエピソードを生で聞くことができるトークショー、イベント最後には来場者とともに記念撮影、サイン入りのグッズが当たる抽選会と、まさにバイクファン垂涎(すいぜん)の1日となりました。
当社の歴史車両は、旧いものは60年を超える年月を経ています。そしていわゆるレストア(復元)にとどまらず、姿形だけでなく性能までを維持する“動態保存”が特徴です。日々、コミュニケーションプラザのスタッフによってメンテナンスが施され、ヤマハの歴史、技術、モノ創りを未来へと伝承する役割を担っています。
コミュニケーションプラザ設立20周年目でもある今年のイベントでは、当社の代表取締役社長である日髙が走らせた第1号製品「YA-1」(1955年)を皮切りに、歴代の二輪車31台と四輪車5台が、その開発の場となった袋井テストコースを駆け抜けました。今では街中で聞かれることは珍しくなった2ストロークエンジンの甲高いエキゾーストノートや、レースマシンならではの魅惑的な快音を「ご期待」通りに堪能して頂けたことと思います。
「ヤマハのレース活動」の黄金期のひとつを象徴するカラーリングとなっている、黄色と黒のライダース―ツ姿の“キング・ケニー”から発せられた言葉は、会場に訪れたヤマハファンの皆さん、このイベントを支えた当社のエンジニアや運営スタッフの、誰もが大きく頷くものでした。
「私がヤマハのレースマシンで闘い、多くのタイトルを獲得した70年代から80年代にかけては、毎年のように新たな技術が登場し、さまざまなカラーリング(スポンサーとして多くの企業やブランドがレースに関わった)のマシンがサーキットを彩った、本当にエキサイティングな、いい想い出がたくさんある時代だ」
会場となった袋井テストコースもまた、ヤマハの歴史の変遷と共にあり続けてきた施設ですが、往年の市販車、レースマシンが秋空を背景に駆け抜け、誰もがタイムスリップしてしまったかのようなひと時を過ごすことができた「ヤマハ歴史車両デモ走行見学会2018」でした。
秋らしい紅葉とさわやかな天気のテストコースでの歴史車両の展示。間近に並べられた車両を食い入るように見つめたり、写真を撮影しながら、来場者の皆さんは記憶のなかのあの時のマシンを振り返っていたのかもしれません。
普段はコミュニケーションプラザでもなかなか見ることができないOX99-11、さらにカウルを開けた状態でエンジンやサスペンション等が見られることもこのイベントの醍醐味。当時そのままのように感じられる状態を保つ「動態保存」のハイライトはやはりエンジンであることが、来場者の皆さんの関心の寄せ方でわかります。
はるばるアメリカから駆けつけたサプライズゲストの「キング・ケニー」が、ヤマハのイメージカラーとして記憶される赤白カラーのRZV500R(1984年)、レース黄金期の鮮烈な記憶とともに語られる黄色と黒のカラーリングのYZR750(1978年)を颯爽と走らせる姿に、会場ではどよめきと感嘆が広がっていきました。
遡ること35年、レース史に残る“ファスト(速い)・フレディー”との熾烈なチャンピオン争いを展開したYZR500(1983年)もこの日を待っていたかのように、ケニー・ロバーツのファンサービス「パワーリフト」で来場者を楽しませていました。
カテゴリー | モデル名 | 年式 | デモ走行 |
---|---|---|---|
二輪(市販車) | YA-1 | 1955 | ○ |
YB-1 | 1955 | ||
YC-1 | 1956 | ||
YD-1 | 1957 | ○ | |
YDS-1 | 1959 | ○ | |
MF-1 | 1960 | ○ | |
SC-1 | 1960 | ○ | |
YDS-2 | 1962 | ○ | |
YDS-3 | 1964 | ○ | |
YM1 | 1965 | ||
Mate(U5) | 1965 | ||
DT-1 | 1968 | ○ | |
AT-1 | 1969 | ○ | |
DS6 | 1969 | ○ | |
XS-1 | 1970 | ○ | |
HT-1 | 1970 | ○ | |
RT-1 | 1970 | ○ | |
DX250 | 1970 | ○ | |
TX750 | 1972 | ○ | |
FX50 | 1972 | ||
GT50 Mini Trail | 1972 | ||
TX500 | 1973 | ○ | |
RD250 | 1973 | ○ | |
XT500 | 1976 | ||
XS1100 | 1977 | ○ | |
Passol(S50) | 1977 | ||
SR500 | 1978 | ○ | |
RZ250 | 1980 | ○ | |
XJ750A | 1981 | ||
POCKE Midlight(QA50LTD) | 1981 | ||
Venture Royal(XVZ12TD) | 1982 | ||
XJ650Turbo | 1982 | ||
RZ250R | 1983 | ○ | |
Tracy(CZ125) | 1983 | ||
RZV500R | 1984 | ○ | |
SEROW225 | 1985 | ○ | |
TZR250 | 1985 | ○ | |
FZR400R | 1987 | ||
SDR | 1987 | ||
TZR250 | 1989 | ○ | |
VMAX1200 | 1990 | ○ | |
R1-Z | 1990 | ○ | |
TZR250(R) | 1991 | ○ | |
YZF-R1 | 1998 | ○ | |
二輪(レーサー:オンロード) | YDS-1 Asama Spec | 1959 | |
RA97 | 1966 | ||
RD05A | 1968 | ||
YZR750(0W31) | 1978 | ○ | |
TZ500(4A0) | 1980 | ||
YZR500(0W70) | 1983 | ○ | |
YZR500(0W81) | 1985 | ||
FZR750(0W74) | 1985 | ||
YZF750(0WA0) | 1988 | ||
YZF750(0WB7) | 1990 | ||
二輪(レーサー:オフロード) | TY250 | 1973 | |
YZ250 | 1974 | ||
YZM500(0W83) | 1988 | ||
四輪 | Toyota 2000GT | 1967 | ○ |
YAMAHA OX99-11(赤) | 1992 | ○ | |
YAMAHA OX99-11(緑) | 1992 | ○ | |
YAMAHA OX99-11(黒) | 1992 | ○ | |
Lexus LFA | 2010 | ○ |
11:00 | 開場 | |
11:00 | 13:30 |
自由見学 | |
13:30 | 14:20 |
社長挨拶 | |
デモ走行 | 二輪(市販車) | |
二輪(ゲスト) | ||
14:20 | 14:40 |
トークショー、記念撮影 | |
14:40 | 15:20 |
デモ走行 | 二輪(レーサー) |
四輪 | ||
15:20 | 15:30 |
抽選会 | |
16:30 | 閉会 |