「第53回プリンセスソフィア杯」(スペイン) 全身全霊で走り切る— 磯崎/関は代表二番手に。
3月29日から4月6日にかけて、スペインのパルマ・デ・マヨルカにおいて、「第53回プリンセスソフィア杯」が行われました。
3月29日から4月6日にかけて、スペインのパルマ・デ・マヨルカにおいて、「第53回プリンセスソフィア杯」が行われ、ヤマハセーリングチームの磯崎哲也/関友里恵、髙山大智/盛田冬華が、パリ大会セーリング競技470級の代表選考レースに挑みました。
パリ大会の470級の代表選考対象レガッタは、2月27日から3月3日にかけて、同じくパルマで開催された「470級世界選手権」に続いて2戦目。このプリンセスソフィア杯が最終選考となります。世界選手権を終えた時点で、選考争いのトップは同選手権で銅メダルを獲得した岡田奎樹/吉岡美帆選手。磯崎/関が11ポイント差で二番手。髙山/盛田は22ポイント差。どちらも厳しい立場で、逆転するためには、プリンセスソフィア杯で可能な限り、上位を目指す以外に道はありません。大崩れをしない限り、代表が決定しそうな岡田選手/吉岡選手にどれだけプレッシャーを掛けられるかが鍵となります。
レースの初日は4月1日。この日は大きなうねりと強風の中で2レースが行われました。このコンディションの中で本領を発揮したのが髙山/盛田です。調子を落とし「強風が得意といえなくなった」(髙山)といっていた時期もありましたが、先の世界選手権でも強風での強さを見せつけた髙山/盛田は3位、7位で走りきり、日本チームでトップの成績。また、磯崎/関も14位、10位で、翌日以降のレースに望みを繋げました。
2日目以降は、初日とは打って変わり、軽風がほとんどで、また風はあってもレース中に大きく風向が変わってしまうなど、難しいコンディションの中でのレースが続きました。
髙山/盛田は、3日目の最初に行われた第4レースでのスタートをミスして失格になり、後が無い状況に追い込まれます。続く第5レースは10位と奮闘しましたが、最終的にはこの失格が大きく影響し、第7レース以降の決勝シリーズへは進出したものの、25位という成績でこの大会を終えることとなりました。
一方の磯崎/関はメダルレース出場圏内で予選シリーズを終え、決勝シリーズに臨みました。しかし、逆転で代表権を獲得するためには、危険を冒してのコースを取るなど大勝負を余儀なくされますが、順位を上げることができず、最終成績は19位でした。
最終日は無風のためメダルレースは行われず、岡田選手/吉岡選手が9位に決定。パリ大会470級の日本代表の座を順当に獲得する結果となりました。そして、この日の時点では、磯崎/関が補欠としてパリ大会に備えることとなりました。
磯崎/関はペアを結成して1年半という短い期間でのキャンペーンでしたが、その中でも最大限の努力を積み重ね、目標達成に向け全力で走り続けてきました。東京大会以降にペアを結成した髙山/盛田も同様で、不調が続いた時期にあっても諦めること無く、前を向きながら自分たちを信じて乗り越え、力を出し切りました。
「ここまでこられたのは、あらゆる場面でサポートしてくださった方々のおかげです。応援は本当に大きな支えになりました。感謝しかありません」
パリ大会を目指してきた4人が大会終了後に発した言葉は異口同音です。
応援、ありがとうございました。ここからは、日本の代表としてパリ大会に挑むすべてのセーラーを応援していきます。