2008年

ヤマハ、三冠を達成！

V・ロッシは日本GPでチャンピオンを決定

800ccでの2年目。フィアットヤマハチームにJ・ロレンソが加入。テック3ヤマハからはC・エドワーズとJ・トーズランドが参戦。4人はいずれも世界チャンピオン経験者という強力な布陣となった。ロッシは使用タイヤをそれまでのミシュランからブリヂストンに変え参戦、第15戦日本で8勝目を飾って残り3戦を待たずしてチャンピオンを決定した。またコンストラクターズタイトル、同チームのチームタイトルを含めた三冠を達成した。他の3選手はミシュラン製タイヤを使い、ロレンソは優勝1回などでランキング4位、エドワーズは7位、トーズランドは11位だった。

熱い陽射しを避けて二輪GP史上初のナイターとして開催された開幕戦カタール。ここではルーキーのロレンソが2位表彰台と活躍するのに対し、初めてブリヂストン製タイヤでの参戦となったロッシは序盤一時トップもたつ場面もあったが5位に終わる。しかし第2戦スペインでは、マシン＆タイヤのコンビネーションも良く2位を獲得。第3戦ポルトガルでも3位となると、続く中国・フランス・イタリアで3連勝しランキング首位のリードを広げた。そしてスペイン、イギリスでも2位と好調さを見せたが、第9戦オランダではスタート直後に転倒、トップから30秒遅れで戦列に戻って猛追するが及ばず11位でゴール。この日2位になったD･ペドロサ（ホンダ）に僅差でランキング首位の座を明け渡した。第10戦ザクセンリンクでは、雨の中でC・ストーナー（ドゥカティ）に優勝を譲るもロッシは2位表彰台を獲得。ライバルのペドロサが転倒ノーポイントに終わったので、ランキング首位に返り咲いた。

そして快晴で迎えたアメリカラウンド。この日の見所はロッシとストーナーの壮絶なバトルだった。互いに何度も順位を入れ替える接近戦を展開、その差100分の1という接近戦が続くが終盤ストーナーがグラベルに進入し後退、ロッシは13秒差で優勝した。ロッシの夏休み明けは、破竹の勢いだった。チェコ、サンマリノで優勝、インディアナポリスで初のMotoGP開催となった第14戦は、ハリケーンの影響で雨だったがここでもロッシは優勝。続く日本GPでも優勝しタイトルを決めた。

ルーキーのロレンソは開幕から3戦連続ポールポジションで若い力をアピール、第3戦ポルトガルで早くも初優勝を飾った。そして中国4位、フランス2位と好調が続く。このフランスでは優勝ロッシ、3位エドワーズが加わりヤマハの表彰台独占だった。ところが第6戦イタリアで転倒ノーポイントとなると、続くスペインのフリー走行で転倒負傷し決勝は欠場。イギリスGPで復帰するが6位、オランダも6位となり、身体が回復したドイツでは雨の中で転倒。続くアメリカも転倒してノーポイントが続いた。それでも終盤は第13戦のサンマリノで2位、ロッシとのワンツー劇を飾り復活をアピール。ランキングは4位に終わったが次シーズンへの期待が集まった。

フランスで3位となりヤマハ表彰台独占の一角を占めたエドワーズ。そのベテランの走りはオランダでも見られた。1周目はロッシの転倒を避けようと最後尾に下がったが、懸命な挽回でロレンソを抜くと4番手争いに接近。中野真矢(ホンダ）、C・バーミューレン（スズキ）、A・ドビツィオーゾ（ホンダ）を次々パスし単独4番手になったあとは、前のN・ヘイデン（ホンダ）を追う。2人は終盤膠着状態になるが、最終シケインの立ち上がりでヘイデンが失速。エドワーズがこれを抜き3位表彰台に上り、この日のヤマハ最上位となった。