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シリーズ前半を振り返り、フィアット・ヤマハ・チーム総監督であり、モトGPグループリーダーである中島雅彦にYZR-M1のこと、4人のヤマハライダーの現状、シーズン後半のテーマと決意を語ってもらった。 |
■前半の結果と今年のマシンのこと 前半の9戦を終わり、ヤマハは4勝、その中でバレンティーノが3勝、ロレンソが1勝し、9戦全てのレースで表彰台を獲得できました。この結果だけで判断すると“ヤマハはまぁまぁ”と見えるのでしょうが、私は正直苦しいと感じています。というのも私は常々チャンピオンを獲得するためには、勝率5割が必要であると考えており、目標でもあります。バレンティーノは現在のところ9戦中3勝、つまり勝率3割で、目標は達成できていません。でもストーナーは3勝、ペドロサは2勝ですから、その比較でみると良くやってくれていると思います。
今シーズンに向けてマシン開発は2点に照準を絞りました。ひとつはエンジン性能、ひとつはタイヤをいかに効率的に使うかという点です。
タイヤ性能を効率的に発揮させるという点では、エンジンマネジメントシステム、つまり電子制御デバイスを根本的に見直しました。ここでは、いかにライダーの思い通りの出力を路面へ伝達出来るかがポイントでした。
バレンティーノのマシンは今年からはブリヂストンタイヤ(BS)を装着しています。タイヤの持っているキャラクターは開発のコンセプトが異なるためか、私たちの想像以上に大きな違いを感じました。ですからセッティングには従来とは全く異なったアプローチが必要でした。それで開幕から2戦目まではセットアップで苦労しましたが、3戦目からはBSにあったセットアップの方向性が見つかり、上海からムジェロまで3連勝できました。まだまだ1年目、経験不足で苦労はしていますが、シーズン序盤でセットアップの方向性を見出せたのはラッキーだったと言えるでしょう。
ところが序盤は上手くいっても表彰台常連のトップの3人が、本当に力を出してきたころ、“あれっ、今までとちょっと違うな”と考えるようになるわけです。そこで無理するとクラッシュする。そこで怪我をすると、以前の自分のレベルに復帰するのに時間がかかる。そうなると、なぜ転んだのか?セッティングが違うのでは?乗り方はこれでいいのだろうか?といろいろ考えてしまうわけです。
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