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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。

MotoGP世界選手権 カタールテスト ビニャーレスが総合1位、ロッシ総合5位、クアルタラロは総合2位と好調を維持し開幕へ

2019年2月26日

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2月23日(1日目)
初日はビニャーレスがトップタイム、ロッシは5番手
クアルタラロ7番手、モルビデリ14番手

 3月10日の2019シーズン開幕戦を前に、ロサイル・インターナショナル・サーキットで最終テストが始まった。マーベリック・ビニャーレスはトップタイム、バレンティーノ・ロッシは5番手として初日を終えた。
 今回は「Monster Energy Yamaha MotoGP」の2人は、India Yamaha Motor Pvt. Ltd. (IYM)が発表したばかりの「THE CALL OF THE BLUE」ステッカーを貼った「YZR-M1」でテストをスタートした。ビニャーレスは、2週間前のセパンテストで試したことを、さらに煮詰めていくことを念頭にスタート。コンディションはセパンとは大きく異なり、夜間で気温が下がったことで、セッティングのためのよりよい環境が整った。ビニャーレスのハードワークが実り、全50ラップ中48ラップ目で1分55秒051のベストタイムを記録すると2番手に0.108秒差でトップに浮上して初日を終了した。
 ロッシもまた、ビニャーレスと同様に前半でセッティングを行い、最後の1時間でタイムアタックを行った。決勝のコンディションを十分に意識しながら走行し、全47ラップ中42ラップ目で1分55秒604のベストをマーク。トップのビニャーレスから0.553秒差の5番手につけた。

 「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリは、前回のセパンテストから一歩前進。クアルタラロはルーキー勢トップの7番手を獲得し、モルビデリも14番と、テスト初日でともにトップ15に入る健闘を見せた。
 最高峰クラスにスイッチしたばかりのクアルタラロは、参加ライダーのなかで3番目に多い全49ラップを走行し、42ラップ目で1分55秒772を記録して7番手。2週間前にセパンで初めて経験したテストに引き続き、マシンへの適応力が確実に高まっている。
 チームメイトのモルビデリは、セッション序盤の荒れたコースに対し、フリープラクティスの第1セッションと第3セッションを想定して積極的に周回を重ねていった。その結果、順調にフィーリングが向上していたが、ニュータイヤに履き替えたあと第6コーナーで転倒。それでも45ラップ目に1分56秒511を記録して14番手で初日を終えた。

カタールテスト1日目(2月23日)結果
順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’55.051
2 A・リンス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1’55.159
3 A・ドビツィオーゾ Mission Winnow Ducati Ducati 1’55.550
4 D・ペトルッチ Mission Winnow Ducati Ducati 1’55.594
5 V・ロッシ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’55.604
6 T・ラバト Reale Avintia Racing Ducati 1’55.694
7 F・クアルタラロ PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team Yamaha 1’55.772
14 F・モルビデリ PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team Yamaha 1’56.511

カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:J・ザルコ 1分53秒680(2018年)




2月24日(2日目)
ビニャーレスは好調を維持し2番手、ロッシは19番手
クアルタラロは3番手と大きく躍進

 「Monster Energy Yamaha MotoGP」のビニャーレスとロッシのテスト2日目は、前日に引き続きマシンのバランスを追求し、それぞれ2番手と19番手を獲得。2日目での総合成績はそれぞれ2番手と14番手となった。
 ビニャーレスはセッション開始から約1時間半後にコースイン。コンディションの影響でグリップが十分でないなか、全52ラップ中の33ラップ目で1分54秒650を記録して暫定トップに立った。その後はセッティングに集中し、ピットインを繰り返しながら午後9時15分まで続けたが、気温の低下もありベストラップの更新はならず、最終的には2番手でセッションを終了。トップとは0.057秒差だった。
 チームメイトのロッシもほぼ同様のスケジュール。現地時間午後5時35分に走行を開始し、コンディションのよい早めの時間帯を利用して決勝用のセッティングに取り組んだ。合計51ラップ中45ラップ目で1分55秒795のベストタイムを記録し、トップから1.202秒差で19番手となっている。

 「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のクアルタラロが3番手を獲得、モルビデリは13番手となった。
 クアルタラロは、1分55秒台の壁を破った4人のうちのひとり。テスト初日ですでにトップ10入りを果たしているクアルタラロだが、2日目の今日は、決勝用セッティングとトップスピードの両方を追求しながら周回を重ね好タイムを連発。合計54ラップ中46ラップ目で1分54秒908のベストタイムを記録して3位を獲得し、トップ・ルーキーとなった。
 一方のモルビデリは最初の2時間で前日のタイムを更新。その後はテストプログラムに専念したためペースが上がらなかったが、合計52ラップ中45ラップ目になって1分55秒556のベストタイムを記録。13番手で2日目を終了した。

カタールテスト2日目(2月24日)結果
順位 ライダー チーム マシン タイム
1 A・リンス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1’54.593
2 M・ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’54.650
3 F・クアルタラロ PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team Yamaha 1’54.908
4 D・ペトルッチ Mission Winnow Ducati Ducati 1’54.953
5 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 1’55.004
6 A・エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1’55.173
13 F・モルビデリ PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team Yamaha 1’55.556
19 V・ロッシ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’55.795

カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:J・ザルコ 1分53秒680(2018年)




2月 25日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGPとPETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
ともに好調のうちにテストを終了

 3日間にわたり行われたカタールテスト最終日、Monster Energy Yamaha MotoGPのビニャーレスがトップタイムをマークし3日間の総合順位でも1位を獲得した。チームメイトのV・ロッシもマシンのパフォーマンスレベルを向上させて最終日を4番手で終え、総合5位となっている。
 ビニャーレスは加速性能の向上を目指しながら、合計50ラップ中25ラップで1分54秒208を記録。午後9時過ぎまでに5回の走行を行い、2番手に0.233秒差をつけてトップで最終日を終了した。
 一方のロッシは引き続きセッティングに専念していたが、終盤でペースを上げ、合計38ラップ中35ラップ目で1分54秒651に更新して4番手。トップとの差は0.443秒で、総合成績では5位となった。

 PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのクアルタラロは、前日の3番手からさらにひとつ上げて2番手、総合2位を獲得。チームメイトのモルビデリも大きく前進し6番手・総合7位で3日目を終了した。
 クアルタラロは2日目と同様のセッティングで徐々にペースアップ。その後、ニュータイヤに履き替えると、合計48ラップ中28ラップ目で1分54秒441のベストタイムを記録。さらに決勝を想定して15ラップを連続走行し、フルタンクでのマシンの挙動やタイヤパフォーマンスなど多くのことを学んだ。
 モルビデリは、前日に苦戦したチャタリングの問題の解決を目指した。そのなかでラップタイムでも大きく前進し、合計61ラップ中42ラップ目で1分54秒660を記録して6番手。そのほかに12ラップの連続走行も行い、3日間の総合順位では7位となった。

カタールテスト3日目(2月25日)結果
順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・ビニャーレス Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’54.208
2 F・クアルタラロ PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team Yamaha 1’54.441
3 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 1’54.613
4 V・ロッシ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 1’54.651
5 J・ロレンソ Repsol Honda Team Honda 1’54.653
6 F・モルビデリ PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team Yamaha 1’54.660

カタール レコードラップ:J・ロレンソ 1分54秒927(2016年)
カタール ベストラップ:J・ザルコ 1分53秒680(2018年)



Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(総合1位)

「とても好調で、最終日の今日はグリップも非常によくハイペースで走ることができました。でもこれで終わりではなくて、ここからさらに向上していかなければなりません。特にエッジのグリップについてはまだ十分ではないので、この部分は努力を続けていきます。加速性能に関してはセパンより格段によくなっていて、ブレーキングのパフォーマンスにも満足できています。また決勝用セッティングも順調に仕上がっています。今日は決勝でのマシンの挙動を知るために10ラップを走行しましたが、気温が低すぎてミディアムタイヤではちょっと難しかったようです。いずれにしても、ここまで非常にうまく乗れているし、リズムも上々。実際には、もう少しプッシュしてもよかったかもしれません。ここから決勝に向けて、さらに前進を目指してがんばっていきます。私たちのマシンはすばらしい強みを持っています。でもその一方で、いくつかの弱点もあるので、それを克服して決勝に臨みます」

V・ロッシ選手談(総合5位)

「今日はいいテストとなり、強さを発揮することができてよい1日となりました。決勝用のタイヤを履いたときもペースがよかったし、タイムアタックも非常に順調でした。3日間を終えて総合5位という結果も悪くないと思います。決勝でトップを競うためにはまだ課題がありますが、現時点ですでに多くの部分が仕上がってきていますし、今日は実際に大幅に差を詰めることができました。2週間後が楽しみです」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「3日間のテストは非常に有意義なものとなりました。セパンで作り上げたものを別のサーキットで確認することが今回の目標でしたが、難しいコンディションのなかでもライダーたちからは好感触の声を聞くことができました。過去には苦しめられた部分でもあるので、今回のパフォーマンスには満足しています。ビニャーレス選手は3日間を通じて順調で、1分54秒2というベストラップだけでなく安定性も持っていました。ロッシは2日目に問題を抱えて苦戦しましたが、今日はそれが解決して格段によくなり、1分54秒6を記録。そのほかにも空力特性の異なる新型リアシートをはじめ様々なことを試すことができました。ただ強い風に見舞われたことで、決勝のシミュレーションを含め予定したスケジュールをすべて完了することはできませんでした。このあとはエンジニアたちがデータ分析を行い、カタールGPのフリープラクティス第1セッションに備えてベストなセッティングを追求していくことになります」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・クアルタラロ選手談(総合2位)

「今日は非常に順調でした。朝は気温が低く、コース上に砂も出ていてコンディションはよくなかったのですが、風が弱まってからは走るごとにフィーリングが上がっていきました。今年になってからマシンを走らせたのはわずか6日だけだというのに、本当に気持ちよく乗れています。セパンでは思うようにならなかったラップタイムも今回はよくなってきて、あまり苦労することなくハイペースで走行することができました。またレースシミュレーションもとても勉強になりました。セパンのときと比べるとペースはよくなっていますが、ずっとひとりで走っていたので難しさもありました。ここまで少しずつ着実に成長できています」

F・モルビデリ選手談(総合7位)

「3日間のテストに非常に満足しています。このなかで、とてもたくさんのことを試すことができました。完璧とは言えないところもいくつかありましたが、問題についてはしっかり掘り下げて考えることができました。全体的によい仕事ができてタイムアタックも順調です。このあとは開幕戦に向け、すべての条件を揃えていく段階になるので、決勝距離を力強く走り切り、また1ラップの速さも維持できるようにするための最終調整を行っていきます。今回、収集したたくさんのデータをもとに、開幕戦までに完璧なマシンに仕上げられると確信しています。チームの努力に感謝します」

W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談

「カタールテストは期待以上の成果となりました。ヤマハのマシンがこのコースに合っていることは知っていますが、クアルタラロ選手のラップタイムは非常にすばらしく、私たちの予想を超えています。彼についてはすべてが順調です。モルビデリ選手のほうは苦戦していますが、テストのなかで起こったことなので、本番までにはそのほとんどを解決できると考えます。実際、1日目と2日目は厳しい状況でしたが、今日は好タイムをマークしました。ここまでを振り返ると、困難を克服し多くのことを達成できました。しかし同時に、私たちは常に冷静でいなければなりません。実際にはまだ何もはじまっておらず、チャンピオンシップポイントも獲得していないのです」

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