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ヤマハ発動機のレースに関する広報発表資料をご紹介します。
MotoGP世界選手権 セパンテストでビニャーレスが総合5番手、ロッシは10番手、モルビデリは8番手を獲得
2019年2月11日
2月6日(1日目)
Monster Energy Yamaha MotoGPが2019シーズンに向けてテストをスタート
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamはホームコースで初走行
Monster Energy Yamaha MotoGPが2019シーズンに向けてテストをスタート
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamはホームコースで初走行
「Monster Energy Yamaha MotoGP Team」が、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで2019シーズン初のテストに参加し、新しいカラーリングを纏った2019型「YZR-M1」で走行を行った。マーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは多くのテスト項目を順調にこなし、それぞれ3番手と6番手で初日の走行を終了した。
10時40分、ビニャーレスはロッシに数分遅れてコースイン。すぐにペースを上げて4番手につけた。その後、サーキットの感触を取り戻すとテストに集中し、63ラップ中28ラップ目には1分59秒937を記録して暫定2番手に浮上した。午後のセッションではタイムを更新することはできなかったが、好フィーリングを維持してトップから0.316秒差の3番手でこの日の走行を終了した。
一方のロッシは、貴重な時間を無駄にすまいと早々にピットを出て、前回スペインでのテストから、さらなる向上を目指して着実にペースアップ。そして56ラップ中22ラップ目に2分00秒054をマークし4番手につけた。午後になるとコンディションの悪化もありタイムの更新はならなかったが、午前中に記録したベストラップにより、トップに0.433秒差の6番手で初日を終えた。
「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロが、ニューカラーの「YZR-M1」でホームコースのセパンサーキットを初走行。暑さを考慮して昼休みを挟みながら、5時間をサーキットで過ごし、2人でトータル125ラップを走破した。
モルビデリとクアルタラロは、大勢のファンに見守られながらニューマシンでの走りをエンジョイ。モルビデリは60ラップを走行し、58ラップ目に2分00秒460のベストラップを記録して12番手を獲得。一方のクアルタラロはMotoGPの雰囲気とニューマシンの感触を確かめながら65ラップを走破し、45ラップ目に2分00秒985を記録して18番手となった。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1’59.621 |
2 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’59.880 |
3 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’59.937 |
4 | T・ラバト | Reale Avintia Racing | Ducati | 1’59.983 |
5 | D・ペトルッチ | Mission Winnow Ducati | Ducati | 2’00.051 |
6 | V・ロッシ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 2’00.054 |
12 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 2’00.460 |
18 | F・クアルタラロ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 2’00.985 |
セパン レコードラップ:J・ロレンソ 2分00秒606(2015年)
セパン ベストラップ:D・ペドロサ 1分59秒053(2015年)
2月7日(2日目)
ビニャーレスが2日目でトップタイム、ロッシは6番手
クアルタラロとモルビデリも着実に前進
ビニャーレスが2日目でトップタイム、ロッシは6番手
クアルタラロとモルビデリも着実に前進
「Monster Energy Yamaha MotoGP」のビニャーレスとロッシは、セパン・インターナショナル・サーキットでテスト2日目に臨み、初日に続いて様々なパーツを試しながら着実に前進。それぞれトップと6番手を獲得した。
初日に2分台を切った4人の内の1人となったビニャーレス。2日目になると他のライダーもペースを上げ差を縮められる展開となった。それでも午前中の涼しい時間帯を利用してタイムアタックを行うと、12:30頃に1分59秒597を記録し3番手に浮上した。午後は、さらに新しい項目をテストしながらセッティングを進め、気温がやや下がるセッション終盤でもう一度アタック。63ラップ中62ラップ目で1分59秒台の壁を破り1分58秒897をマーク。これで2番手に0.527秒差をつけトップで2日目を終えた。
チームメイトのロッシも午前中のセッションで早々に初日のタイムを更新。全51ラップ中8ラップ目でコンマ5秒近く短縮する1分59秒625を記録し、一時トップに立って2番手以下に0.165秒差をつけた。
その後はセッティングに集中し、様々なオプションを比較検討。午後のセッションではタイム更新はならなかったものの最終的には6番手となった。
2日目も厳しい暑さに見舞われたセパン・インターナショナル・サーキット。路面温度が59度まで上昇する難しいコンディションのもと、「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のクアルタラロとモルビデリはエンジニアたちとYZR-M1のセットアップに取り組んだ。ラップタイムではクアルタラロが0.043秒上回り14番手、モルビデリが15番手となった。
クアルタラロはセッションの開始と同時にコースイン。涼しい時間帯を利用してペースを上げると3ラップ連続で好タイムをマークし前日のタイムを更新した。その後はブレーキング性能の向上を目指して電子制御システムとフロントサスペンションのセッティングに集中。全58ラップ中11ラップ目に記録した2分00秒108で14番手となった。
モルビデリはテスト序盤、ピットレーンを出たところで不運な転倒があり、タイムアタックに最も適した時間帯で走行できなかった。それでも58ラップ中56ラップ目には前日のタイムを更新する2分00秒151を記録。またクアルタラロと同様にブレーキング性能の向上にも取り組み成果をあげた。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’58.897 |
2 | A・リンス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1’59.424 |
3 | J・ミラー | Alma Pramac Racing | Ducati | 1’59.517 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Mission Winnow Ducati | Ducati | 1’59.562 |
5 | C・クラッチロー | LCR Honda CASTROL | Honda | 1’59.566 |
6 | V・ロッシ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’59.625 |
14 | F・クアルタラロ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 2’00.108 |
15 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 2’00.151 |
セパン レコードラップ:J・ロレンソ 2分00秒606(2015年)
セパン ベストラップ:D・ペドロサ 1分59秒053(2015年)
2月8日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、セパンテストを順調に終了
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのモルビデリがトップ10入り
Monster Energy Yamaha MotoGP、セパンテストを順調に終了
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのモルビデリがトップ10入り
「Monster Energy Yamaha MotoGP Team」のビニャーレスとロッシは8日、セパン・インターナショナル・サーキットで行われた3日間のテストを終了。最終日は合計8時間のセッションを最後まで有効に使い、新型のエアロパーツをテストするなど重要なデータ収集を行った。ビニャーレスとロッシはそれぞれ5番手と10番手を獲得。3日間の総合成績でも同様の順位となった。
午前中のセッションでビニャーレスは、「YZR-M1」の決勝用スペックと加速性能の作業に取り組み、このマシンの特徴のひとつである敏捷性を素早く引き出し、8ラップ目で早くも1分58秒644を記録し4番手とした。セッションが進むにつれ順位は入れ替わり、2時間目には5番手に後退したが、タイムよりもテストに集中。20ラップのレースシミュレーションも行い、チェッカーが振られるまで走行を続け、合計79ラップを走破し5番手、3日間の総合成績でも5番手となった。
チームメイトのロッシはニュータイヤをテストしたほか、前日に引き続きブレーキングの安定性とスムースな加速を追求。このなかでラップタイムも更新し、2日目の記録をコンマ5秒近く短縮した。
ビニャーレス同様、セッティングの向上を最大の目標としながら、9ラップ目には1分59秒155を記録してトップから0.916秒差の10番手。8時間のセッションの最後の14分間でもう一度アタックを行ったが順位を上げることはできず、そのまま10番手で最終日を終了した。
チームはこのあとヨーロッパへ、エンジニアたちは日本へ戻って今回のテストのデータ分析に取り組む。プレシーズンテスト第2回は2月23~25日、カタールで行われる。
「PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team」のモルビデリとクアルタラロは、この3日間、YZR-M1で合計2,128kmを走破。ふたりは日ごとにラップタイムを短縮し、最終日の今日は1分59秒台に入れて8番手と16番手を獲得し、チームとして当初の期待以上の成果をあげ、テストを終了した。
モルビデリはマシンの旋回性の向上を目指してフロントエンドの大幅なセッティング変更を試み、セッション開始早々からタイムアタックを行ってトップ10入り。全66ラップ中8ラップ目で1分59秒141のベストラップを記録し、最後までポジションをキープした。
チームメイトのクアルタラロも早々にタイムアタックを開始して、2分台の壁を破ることに成功。その後は初のレースシミュレーションを行い、18ラップを走行して好感触を得た。さらにチームとともにフロントサスペンションのセッティングに取り組みながら、ブレーキング性能向上とコーナリング中のライン取りを追求した。合計77ラップを走行し、13ラップ目にベストタイムを記録して16番手で最終日を終えた。
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペトルッチ | Mission Winnow Ducati | Ducati | 1’58.239 |
2 | F・バグナイア | Alma Pramac Racing | Ducati | 1’58.302 |
3 | J・ミラー | Alma Pramac Racing | Ducati | 1’58.366 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Mission Winnow Ducati | Ducati | 1’58.538 |
5 | M・ビニャーレス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’58.644 |
6 | C・クラッチロー | LCR Honda CASTROL | Honda | 1’58.780 |
8 | F・モルビデリ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’59.141 |
10 | V・ロッシ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’59.155 |
16 | F・クアルタラロ | PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team | Yamaha | 1’59.497 |
セパン レコードラップ:J・ロレンソ 2分00秒606(2015年)
セパン ベストラップ:D・ペドロサ 1分59秒053(2015年)
Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(総合5位)
「テストはとても順調でした。最終日は、午前中のタイムアタックのチャンスを逃したため午後にもう一度行う予定でしたが、気温が高くてスライドが激しく、タイムを更新できませんでした。それでも決勝のシミュレーションではとてもフィーリングがよかったので満足しています。かなり攻めたのですが、マシンの状態は好調を維持してくれました。この3日間で日に日によくなり、前回のテストと似たような結果を得られました。新しいものを試すときにはポジティブな反応とネガティブな反応を繰り返すことになりますが、そろそろ答えを導き出す時期。カタールで新型フェアリングを使用するかどうかも決定しなければなりません。ライバルたちの後ろについて走行しながら自分のマシンの状態を比べてみましたが、決して悪くないなと感じています。昨年はライバルたちが前を行っていましたが、今年はその差が縮まっているのです。あとは細かい最終調整のみ。しかしこれが最も重要なところです」
V・ロッシ選手談(総合10位)
「ある部分は好調でパフォーマンスが向上していますが、他の部分では期待していた成果が出ていないため、半分ハッピーというところです。でも私にとっては、それはよいことだと言えます。今回は初のテストですし、そのなかで向上したところがある反面、たくさんの課題を確認することができたわけですから。現時点では差があるので、克服には時間が必要になるでしょう。テストの雰囲気はとてもよく、とくにピットのなかでの試行錯誤を見れば、成功を追求しようとするヤマハのやる気と集中力を感じるました」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「厳しい暑さのなかでしたが、非常に順調で建設的なテストができました。3日間のプログラムを大きな問題もなくこなすことができ、そのなかで、冬の間に準備してきたすべてのことをテストできました。そのほとんどがよい結果となり、加速のスムースさ、ブレーキングの安定性にともない旋回性が向上しています。スピード、ペース、安定した走りを3日間通じて維持することができたこともチームとしてはとても大きな成果だったと感じています。ビニャーレス選手はレースシミュレーションを成功させており、ロッシ選手も同様に、同じ方向性で進化を続けています。また、エンジンスペックについての比較検討も慎重に行っています。2週間後のカタールテストでも同様のレスポンスが見られることを期待しており、今回の成果をベースにしながらさらに前進を目指します」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・モルビデリ選手談(総合8位)
「テスト最終日の今日も順調でした。予定していたテストプログラムを完了し、その結果としてペースとトップスピードが向上しました。課題がたくさんあったので決勝のシミュレーションはできませんでしたが、それは次回のカタールテストで行いたいと思っています。今日はよいタイムアタックができましたし、タイヤについてもスーパーソフトを試すなどデータ収集の貴重なチャンスとなりました。前に近づくためにはやるべきことがたくさんありますが、すでに正しい方向性を見つけて進んでいるので、このままこの道を行きたいと思っています」
F・クアルタラロ選手談(総合16位)
「今日もいいテストができました。午前中のセッションではラップタイムが向上してついに2分台を切ることができました。でもウイークポイントも残っていて、タイムアタックで苦労するところもありました。MotoGPで初のレースシミュレーションでは体力的な部分で非常にフィーリングがよかったので満足できました。このような厳しい暑さのなか、路面温度が60度にも達する難しいコンディションのもとでここまでできたことは、私にとって大きな進歩だと思っています。レースシミュレーションのあとはテスト項目に戻り、最終的にさらに調子を上げて終えることができました。次のカタールはハードブレーキングが鍵となるので、ブレーキング性能と第1コーナー進入に集中していきます。ヤマハは高速コーナーでとても好調ですから、必ずうまくいくと信じています」
W・ズィーレンベルグ、チーム・マネジャー談
「セパン・インターナショナル・サーキットは私たちにとって特別なサーキットです。この場所でよいテストができ、多くの周回数をこなし、ラップタイムにおいては予想以上の結果を出すことができました。このなかで2019型YZR-M1についての手応えを感じ、非常に興味深い情報も得ることもできました。それは先ほどもお話ししたとおり期待を越えるものでした。クアルタラロ選手の成長には非常に満足していますし、モルビデリ選手についても、昨日は転倒がありながらも今日は1分59秒1と健闘しています。ラップタイムの他にも、ライディングスタイルや新型M1を向上させるためのフィードバックが、チームのために非常に役立っています。次回、カタールテストでの目標は、今回の成果の上にさらに次の成果を積み上げてゆくことです。ここセパンでは、シーズンがスタートする前にできるだけ多くのオプションを試しておくことが必要でしたが、この後はそれらを統合し、別のサーキットでも同様の成果をあげられるようにしていくことが重要です」