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　ヤマハ発動機株式会社は、2009年の国内外のレース活動において、大きな成果を挙げることができました。ロードレースの世界最高峰、MotoGPでの2年連続・三冠達成（ライダー、チーム、コンストラクター）をはじめ、スーパーバイク世界選手権、スーパースポーツ世界選手権、モトクロス世界選手権MX1、AMAスーパークロスでチャンピオンを獲得。また、全日本選手権では、ロード、モトクロス、トライアルという3部門の最高峰クラスでチャンピオンを獲得し、2008年に続き三冠を成し遂げることができました。
　こうした大きな成果を継続すべく、2010年も世界選手権、全日本選手権の主要カテゴリーにて、レース活動を行ないます。当社は1955年の創立以来、チャレンジ・スピリットをもとに未来を切り拓いてきましたが、2010年もレースでの「挑戦」を、自らを高める原動力とし、世界中のファンの皆様と「感動を共有する場」と位置づけ活動していきます。

【海外レース 主要チーム体制】

　2009年、ライダー、チーム、コンストラクターの三冠を達成したMotoGPには、昨年と同様、2チーム4人のライダーが参戦し3年連続での三冠獲得をめざします。ファクトリーチームの「フィアット・ヤマハ・チーム」からは、昨年、2年連続4回目の世界チャンピオンとなったバレンティーノ･ロッシ選手と、4度の首位を飾るなど、ロッシ選手とチャンピオン争いを展開して三冠獲得の原動力となり、自らもランキング2位を獲得したホルヘ・ロレンソ選手が参戦します。
　サポートチームの「モンスター・ヤマハ・テック3」からは、昨年ランキング5位のコーリン・エドワーズ選手と、2009年のスーパーバイク世界選手権で、ヤマハに初のチャンピオンをもたらしたベン・スピース選手の2人が参戦します。マシンは4人ともに「YZR-M1」を使用します。

　市販車ベースのロードレース最高峰、スーパーバイク世界選手権には「ヤマハ・ステリルガルダ・ワールド・スーパーバイク・チーム」が参戦し、2年連続でのチャンピオン獲得を目指します。ライダーは、2007年に同選手権でチャンピオンを獲得した経験を持つジェームス・トーズランド選手と、2009年のスーパースポーツ世界選手権チャンピオン、カル・クラッチロー選手です。マシンは昨年に引き続き「YZR-M1」の技術に基づいて開発した「クロスプレーン型クランクシャフト」採用の「YZF-R1」を使用します。

　現在、2008年から2連覇中のモトクロス世界選手権MX1では、2チーム2人のライダーが参戦し3連覇を目指します。ファクトリーチームの「ヤマハ・モンスターエナジー・モトクロス・チーム」からは、ヤマハに加入した2008年にチャンピオンを獲得したデビッド・フィリッパーツ選手が参戦。マシンは、F.I.採用、前方ストレート吸気の新エンジンなど、大きな進化を遂げた2010年型「YZ450F」に、独自のチューンを施した「YZ450FM」で出場します。
　また「ヤマハ・モンスターエナジー・リッチ・モトクロス・チーム」からは、2009年のMX1でランキング5位を獲得した実力者、ケン・デディッカー選手が「YZ450F」で参戦します。

　他のカテゴリーに先駆けて、1月9日に開幕しているAMAスーパークロスには、「サン・マニュエル・バンド・オブ・ミッション・インディアンズ/L&M・レーシング・スーパークロス・チーム」より、2年連続チャンピオンを狙うジェームス・スチュワート選手と、今シーズンから新たに加入したジョシュ・ヒル選手が「YZ450F」を駆り参戦しています。

【国内レース 主要チーム体制】

　全日本ロードレース選手権では、国内最高峰のJSB1000に、「YSP・レーシング・チーム・ウィズ・TRC」から、JSB1000で2008年、2009年と2連覇を果たしている中須賀克行選手が「YZF-R1」で参戦。過去、平忠彦、藤原儀彦がヤマハで達成した全日本最高峰の3連覇に挑みます。
　「YSP・レーシング・チーム・ウィズ・TRC」は、ヤマハスポーツバイクの専門販売店「YSP（ヤマハスポーツプラザ）」がメインスポンサーとなり、YSP店主がレース毎に監督を務める「エリア監督制度」を実施します。またチーム運営はTaira Racing Corporationが行ないます。

　全日本モトクロス選手権には、国内最高峰のIA1に、同クラス3連覇中の成田亮選手が「YSP・レーシング・チーム・ウィズ・N.R.T.」から2010年型「YZ450F」で参戦。自身7度目、ヤマハでは4度目となるチャンピオン獲得を目指します。なお、全日本ロードレース選手権と同様、「YSP」がメインスポンサーとなり、YSP店主がレース毎に監督を務める「エリア監督制度」を実施します。

N.R.T.＝Narita Racing Team

　昨年、ヤマハにとって国内最高峰クラスで9度目のチャンピオンを獲得した全日本トライアル選手権は、「チーム・黒山レーシング・ヤマハ」の黒山健一選手が、国際A級スーパークラスに「TYS250F」で出場します。なお、MFJ（財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会）が公認する全日本選手権でのチャンピオン獲得数で、モトクロスの東福寺保雄氏と通算9勝で並んでいる黒山選手は、国際A級スーパークラスの3連覇とともに、MFJ新記録となる全日本通算10勝を目指します。