マイクロソフトカップ 第2戦 - 試合日程・結果
マイクロソフトカップ 第2戦:トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦の結果をご報告します。
マイクロソフトカップ 第2戦
1/30(日) 14:00
:近鉄花園ラグビー場
ヤマハ発動機ジュビロ 33
前半 13-20
後半 20-13
33トヨタ自動車ヴェルブリッツ
試合レポート
1・30 運命:~これも1つの勝利のカタチ~
逆転劇からあっという間の1週間、1月30日(日)マイクロソフトカップ準決勝がやってきた。
次なる対戦相手はトヨタ自動車ヴェルブリッツ、トーナメントを勝ち上がるために倒さなければならない相手は、トップリーグで2点及ばず敗戦を帰した相手、再びここで対戦できることはリベンジするチャンス、言わずとも誰の胸にも闘志が湧いた。
そんな中、前日SOマクドナルドが急遽一時帰国を余儀なくされた。ここまでチームを率いた司令塔の欠場に動揺がなかったと言えば嘘になる。
だがラグビーはチームスポーツ、一人が欠けても、ヤマハの15人で戦う。
彼の存在が偉大であることは間違いないにしても、それは選手一人一人に責任の重さを教えると共に、これまで以上に「自分がやる」という気持ちはにさせた。
今日は一体どんなヤマハのラグビーが展開されるのか・・・不安よりもむしろ期待に胸膨らみ、前半が開始した。
積極的にアタックを仕掛け1分、今季初めてSOのポジションに入ったウィリアムスがPGを決めて先制。
更に7分には自陣でのラインアウトの攻防からベテランSH村田が左足のキック、キャッチした相手のパスミスをゴール前15m左中間で自らキャッチしゴールへ飛び込んだ。
攻撃的な、常にあきあらめない彼の持ち味を存分に見せたトライにスタンドは沸いた。
ゴールも決まりリードが広がった。
その後もテンポのいいラグビーで攻め込むが、トヨタのディフェンスも粘りを見せ、逆に18分に得点を許した。
更に21分にトヨタの素早いアタックにディフェンスで対抗する中、PGを決められ得点を許す。
互いにミスなどから得点に繋がらず時間が過ぎた。
30分を過ぎた頃、敵陣でゲームを展開するヤマハはラインアウトのチャンス、だがミスから一転、チャンスはピンチに。
こぼれ球を拾われいっきにトライまで持ち込まれた。
34分にも敵陣でのアタックの渦中、ミスからトライを奪われ追加点を許す。
終了間際の38分、漸くPGのチャンスを得ると、SOウィリアムスがきっちり決めて13-20。ビハインドを追って前半を終えた。
後半が開始、先制したいヤマハ、5分に敵陣ゴール前27m右中間の位置でSOウィリアムスがPGを決め詰め寄った。
いっきに逆転をと意気込んだ直後、不運にも司令塔の一時退場。
一人少ないヤマハ、16分にはハーフウェイ付近ラインアウトからの攻撃でトヨタに追加点を許す。
更に19分にもPGを決められ16-30。再びリードが広がり暗雲が漂う。
漸くウィリアムスが戻り、リザーブメンバーのセワブ、堀川らが参戦、怒涛の攻撃の火蓋が切られた。
24分敵陣でのラインアウトからモール、ラックでジリジリと前へ進み、SH村田、NO8木曽、PR山村と連続ラック、ゴール直前左中間まで迫り、村田からWTB西村へと右へ展開し右隅にトライ。
コンバージョンは惜しくも外れるが、直後27分にも自陣で相手ボールのラインアウトをターンオーバー、素早い展開でいっきに敵陣へ攻め込んだ。
ゴール前15m左中間ラックからPR山村、FB大田尾、最後はウィリアムスがステップでディフェンスを交わしトライ。コンバージョンも決まり28-30。
気付けばもう手の届くわずかな得点差となった。
そして33分更なるチャンスがやって来た。
敵陣ゴール前左中間、セワブが起点となったラックから村田、大田尾、ウィリアムス、守屋と展開しWTB冨岡が右中間に飛び込んだ。
33-30、前節に引き続き逆転に成功。応援のボルテージも最高潮に達した。
このままいけば勝利が・・・
その後はトヨタの猛反撃に組織ディフェンスと捨て身のタックル繰り返した。
時計は80分を過ぎた。
今ホイッスルが鳴れば・・・
だが42分、痛恨のペナルティ、トヨタが選択したのはペナルティゴール。左中間からの
キックは決まり33-33。
スコアが並びノーサイドの笛がなった。トライ数、ゴール数ともに優劣をつけれれな
い結果、どちらが勝ったわけでも負けたわけでもない。
そのあとの出来事は・・・この試合の勝敗ではなくトーナメント決勝の舞台に進めるのは
どちらなのか、運命は抽選へと委ねられた。
その答えが出るまでのわずか数分を応援団とともに緊張と不安と、
どちらの結果が出ても受け止める覚悟を決めて待った。
そして皆の思い、ヤマハ運命を背にグラウンドに現れたキャプテン久保の顔には・・・
確かに笑顔があった。
決勝の切符を手に入れたのは自分達だとわかったその瞬間、少し早く優勝が舞い込んだかのような笑顔に全員が満ち溢れた。
ヤマハは初めての決勝の舞台に立てるという新たな歴史の扉を開いた。
ただ「幸運」だったかもしれない。リベンジしたとは言えないかも知れない。
けれど「運も実力」なんて言葉を信じたい気持ちになった。
長いシーズンの中、こんな1ページがあってもいいんじゃないか、ヤマハにとっては立派な勝利のカタチとなるのだから。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 中越 将通 |
2 | 中林 正一 |
3 | 山村 亮 |
4 | 坂本 一哉 |
5 | 勝又 貴光 |
6 | 久保 晃一 |
7 | 本間 俊治 |
8 | 木曽 一 |
9 | 村田 亙 |
10 | ネイサン・ウィリアムス |
11 | 冨岡 耕児 |
12 | タンバイ・マットソン |
13 | 守屋 篤 |
14 | 西村 弥 |
15 | 大田尾 竜彦 |
リザーブ | |
1 | 高木 重保 |
2 | 米倉 隆之 |
3 | コリ・セワブ |
4 | 梶村 真也 |
5 | 佐藤 貴志 |
6 | 永本 宗秀 |
7 | 堀川 隆延 |
前半 | ||
1 | トライ | 3 |
1 | ゴール | 1 |
2 | ペナルティG | 1 |
0 | ドロップG | 0 |
13 | 合計 | 20 |
後半 | ||
3 | トライ | 1 |
1 | ゴール | 1 |
1 | ペナルティG | 2 |
0 | ドロップG | 0 |
20 | 合計 | 13 |
33 | 合計 | 33 |
トヨタ自動車ヴェルブリッツ | |
1 | 高柳 健一 |
2 | 高山 勝行 |
3 | 豊山 昌彦 |
4 | トロイ・フラベル |
5 | 北川 俊澄 |
6 | 菅原 大志 |
7 | 菊谷 崇 |
8 | フィロ ティアティア |
9 | 茂木 寿昭 |
10 | 広瀬 佳司 |
11 | 水野 弘貴 |
12 | 難波 英樹 |
13 | 赤沼源太 |
14 | 遠藤 幸佑 |
15 | 久住 辰也 |
リザーブ | |
1 | 戸崎 篤司 |
2 | 山本 正人 |
3 | アストン・クロフォード |
4 | 安部 亮太 |
5 | 麻田 一平 |
6 | 山崎 弘樹 |
7 | セコベ・レアウエレ |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
1分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前35mポスト右、10PG成功 | PG | 3-0 |
7分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前15m左中間で相手パスミスを9がキャッチ、そのままトライ | T | 8-0 |
8分 | ヤマハ | 10ゴール成功 | G | 10-0 |
18分 | トヨタ | 敵陣ゴール前22m左中間ラックから14、10、11と繋ぎトライ | T | 10-5 |
21分 | トヨタ | 敵陣ゴール前10mポスト左、10PG成功 | PG | 10-8 |
31分 | トヨタ | 自陣ゴール前10m右中間で相手パスのこぼれ球を12が拾い、13がポスト右にトライ | T | 10-13 |
32分 | トヨタ | 10ゴール成功 | G | 10-15 |
34分 | トヨタ | 自陣ゴール前10m中央のこぼれ球を7、13と繋ぎ、キック後15左中間にトライ | T | 10-20 |
39分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前20m左中間から、10PG成功 | PG | 13-20 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
5分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前27m右中間、10PG成功 | PG | 16-20 |
16分 | トヨタ | ハーフウェイ付近左ラインアウトから9、10と繋ぎ、ロングパスで右へ展開15が右中間にトライ | T | 16-25 |
17分 | トヨタ | 10ゴール成功 | G | 16-27 |
19分 | トヨタ | ハーフウェイ付近中央から、10PG成功 | PG | 16-30 |
24分 | ヤマハ | 敵陣ゴール直前ラックから、9、14と右に展開し右隅にトライ | T | 21-30 |
27分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前15m左中間ラックから3、15、10と右に展開し中央にトライ | T | 26-30 |
28分 | ヤマハ | 10ゴール成功 | G | 28-30 |
33分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前10m左中間ラック右へ9、15、10、13、11と展開し右中間にトライ | T | 33-30 |
42分 | トヨタ | 敵陣ゴール前28m左中間から10PG成功 | PG | 33-33 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
米倉 隆之選手のコメント
マイクロソフトカップの準決勝という舞台に出場することができ、しかもチームが決勝に進めることが出来て最高の気分です。
シーズン序盤は腰痛で思うようにラグビーができず公式戦に出場する機会が少なかったからこそ、試合に出場できたことが本当に嬉しかったです。
リザーブだったので途中交代で入りましたが、試合中は無心になりフッカーの仕事であるセットプレーの安定だけ考えプレーをしました。
細かいミスはありましたが、思い通りセットプレーは安定し、チームに貢献できたと思います。
試合中、リードされてる時もチーム全員が慌てることなく逆転出来ると信じていましたし、
逆転できた時には、本当にヤマハに地力がついてきたということを実感できました。
最終的には同点となりましたが、自信のついた試合で幸運も手に決勝へ進むことができたのもチームにとって本当によかったと思います。東芝府中は本当に強い相手ですが、1度負けた相手に連続で負けたくはありませんし、個人的にもヤマハとしても初めて目前に迫ったチャンスを逃がさず必ず日本一になりたいです。
これからも試合で良いパフォーマンスが出来るように頑張りますので応援宜しくお願いします。