マイクロソフトカップ 第1戦 - 試合日程・結果
マイクロソフトカップ 第1戦:クボタスピアーズ戦の結果をご報告します。
マイクロソフトカップ 第1戦
1/23(日) 14:00
:近鉄花園ラグビー場
ヤマハ発動機ジュビロ 38
前半 7-33
後半 31-0
33クボタスピアーズ
試合レポート
1・23 辛勝 :~勇気が持つ可能性を信じて~
トップリーグ最終節から2週間が経った1月23日(日)、トップ8によるサバイバルゲーム、マイクロソフトカップが開幕した。
負ければ終わるトーナメント、ヤマハの初戦の対戦相手はクボタスピアーズ、リーグ戦では後半に課題の残った試合を思い出す。
楽して勝てる試合などない。もう油断はない。もう後半に崩れない。
勝つことだけには留まらない思いを胸に花園ラグビー場で前半が開始した。
まず得点が動いたのは11分、ラインアウトを起点に先制したのはクボタだった。風下のヤマハ、その後徐々にペースを掴み敵陣に攻め込むがミスからチャンスを活かしきれず時間が過ぎた。
28分、次なる得点もクボタ、アタックの渦中にターンオーバー、キックそしてインゴールへ持ち込まれた。
32分、敵陣ゴール前でのラインアウトから漸くヤマハにチャンスがやってきた。
強力モールアタックがペナルティを誘う。NO8木曽が素早くスタート、左中間ラックからHO中林が左隅にトライ。
スタンドで待ち望んでいた応援団が湧いた。コンバージョンも決まり7-12。
流れを呼び込んだかに思えたのも束の間、その後クボタはヤマハのアタックにプレッシャーディフェンスで対抗、悉くチャンスを奪い取った。そしてボールを手にするとスピーディーなアタックで容赦なく攻め込んできた。
34分、マクドナルドのキックをチャージしそのままトライ。更に39分には徹底したマークにも関わらずNO8ケフ、そしてロスタイムに入った43分にも追加点を奪われ、つい10分前まで5点差だったはずのスコアは7-33。前半が終了した。
26点ものビハインドにヤマハは後半に向けて文字通り厳しい戦いを強いられた。
いったいこの現状を見て、周囲はその後の展開をどう予想したか・・・・
肩を落としたり、苦笑いしたり、この時見てる者にはそれが自然なことだっただろう。
だがそのとき選手たちは・・・。
落ち着いていた。それは冷静だったのか、冷静さを装ってたのか、
自信があったからなのか、それとも不安な気持ちを隠していたのか。
いつもと同じ、むしろいつもより静かにロッカールームをあとにした。
後半が開始、早々から自陣でディフェンスの時間が続いた。
やはりこのままの流れで・・・・
しかし絶えに絶え続けた後、徐々に攻め込み敵陣ゴール前でペナルティを得る、そして12分、右ラインアウトからFL本間が押さえ先制。
流れが傾き出したのか、いや傾けたのか、交代で入ったばかりのWTB西村、FL梶村らが力強いプレーで起点となり21分、ゴール前右ラックからFL久保がトライ。
アタックに火が点けば、ディフェンスもとばかりに25分には自陣でSH村田がターンオーバー、いっきに中央へ走り出ると、素早くSOマクドナルドへパス。
そしてマクドナルドが走り切って中央にトライ。
自らコンバージョンを決めると28-33射程距離に捉えた。
このときにはもう肩を落としていた者、あきらめていた者も次のトライがいつ生まれても
おかしくないと思っていたに違いない。
敵陣ゴール前で釘付けになり攻め続けたヤマハ、誰がFWで誰がBKで忘れるほどに全員がゴールラインを目指した。34分、左中間にできたラックからCTB守屋が飛び込み同点、コンバージョンが決まり35-33、ついに逆転に成功した。
もう勢いは止まらない。ロスタイムに入っても攻め続け、クボタのペナルティを誘う。
選択はPG、マクドナルドがこの日全てのゴールを決め38-33。
ノーサイドの笛が鳴ったときには文字通りヤマハの勝利、準決勝への扉をこじ開けた。
トップリーグで逃した優勝、昨年1回戦で破れた悔しさ、待ち受ける勝つことができなかった相手へのリベンジ、いろんな思いを胸に1つのカップ戦に向けて過ごした2週間、最終目標は一番上にあろうとも、目の前の敵を倒さずにその先は見えない。
ヤマハは今日、試合後に勝ちを手に入れ目標に近づいた。
予定通りの1回戦突破は本当は苦しい辛い戦いだった。
前半であるまじき大きなビハインドを追い、本当は全員が混乱していたのかもしれない、呆然としていたのかもしれない。
けれど風向きが変わったとき、今思えば誰のトライだった記憶にはっきり残っていないようなそんなくらい一人一人が無我夢中になって全員でトライを重ねた。
信頼できる、どれだけ素晴らしい選手が集まっていようとも、誰かひとりに頼るのではなく、誰かがやってくれるのではなく「自分がやること」。
そうすれば必ずゴールが見える。
グラウンドにいる者もそうでないものも、チーム全員が同じ気持ちで自分自身を奮い立たせることができればヤマハに不可能はない。
身の引き締まる勝利が教えてくれたもの、ひとりひとりに勇気とその力が集まったときの偉大な可能性。
決勝の舞台へ行けるかどうかは全て自分にかかっている。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 中越 将通 |
2 | 中林 正一 |
3 | 山村 亮 |
4 | 坂本 一哉 |
5 | 勝又 貴光 |
6 | 久保 晃一 |
7 | 本間 俊治 |
8 | 木曽 一 |
9 | 村田 亙 |
10 | レオン・マクドナルド |
11 | 冨岡 耕児 |
12 | ネイサン・ウィリアムス |
13 | 守屋 篤 |
14 | 堀川 隆延 |
15 | 大田尾 竜彦 |
リザーブ | |
1 | 高木 重保 |
2 | 米倉 隆之 |
3 | コリ・セワブ |
4 | 梶村 真也 |
5 | 佐藤 貴志 |
6 | タンバイ・マットソン |
7 | 西村 弥 |
前半 | ||
1 | トライ | 5 |
1 | ゴール | 4 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
7 | 合計 | 33 |
後半 | ||
4 | トライ | 0 |
4 | ゴール | 0 |
1 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
31 | 合計 | 0 |
38 | 合計 | 33 |
クボタスピアーズ | |
1 | 伊藤 邦行 |
2 | 田中 宏治 |
3 | 中島 貴司 |
4 | 清野 護 |
5 | 赤塚 隆 |
6 | 山口 貴豊 |
7 | 安藤 雅巳 |
8 | トータイ・ケフ |
9 | 西田 英樹 |
10 | 花井 良達 |
11 | 大津留 邦宏 |
12 | ジェイソン・オハロラン |
13 | 松隈 孝三 |
14 | 糊谷 浩孝 |
15 | 吉田 英之 |
リザーブ | |
1 | 萩原 要 |
2 | 佐川 聡 |
3 | 川井 一馬 |
4 | キャメロン・ピサ |
5 | 井上 碩彩 |
6 | 栗原 喬 |
7 | 星山 邦彦 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-クボタスピアーズ |
11分 | クボタ | ゴール直前右ラックから9、8、10と繋ぎ右隅にトライ。 | T | 0-5 |
29分 | クボタ | 敵陣22m左中間ラックから9、8と繋ぎキック、ゴール直前で12が拾い左中間にトライ。 | T | 0-10 |
30分 | クボタ | 12ゴール成功。 | G | 0-12 |
32分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前左中間ラックから2が右隅にトライ。 | T | 5-12 |
33分 | ヤマハ | 10ゴール成功。 | G | 7-12 |
34分 | クボタ | 敵陣ゴール前10m右中間で7が相手キックをチャージ、10が右中間にトライ。 | T | 7-17 |
35分 | クボタ | 12ゴール成功。 | G | 7-19 |
39分 | クボタ | 敵陣ゴール前8m右中間ラックから9、8と繋ぎ、 右中間にトライ。 | T | 7-24 |
40分 | クボタ | 12ゴール成功。 | G | 7-26 |
43分 | クボタ | 敵陣ゴール前25m右中間ラックから9、8、7と繋ぎ 右隅にトライ。 | T | 7-31 |
44分 | クボタ | 12ゴール成功。 | G | 7-33 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-クボタスピアーズ |
12分 | ヤマハ | 敵陣ゴール前7m右ラインアウトからモールを押し込み、 7が右中間にトライ。 | T | 12-33 |
13分 | ヤマハ | 10ゴール成功。 | G | 14-33 |
21分 | ヤマハ | 敵陣ゴール直前右ラックから、6が右隅にトライ。 | T | 19-33 |
22分 | ヤマハ | 10ゴール成功。 | G | 21-33 |
25分 | ヤマハ | 自陣22m付近左隅ラックから9、10と繋ぎ中央にトライ。 | T | 26-33 |
26分 | ヤマハ | 10ゴール成功。 | G | 28-33 |
34分 | ヤマハ | 敵陣ゴール直前左中間ラックから13が左中間にトライ。 | T | 33-33 |
35分 | ヤマハ | 10ゴール成功。 | G | 35-33 |
43分 | ヤマハ | ゴール前35m左中間から10PG成功。 | PG | 38-33 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
梶村 真也選手のコメント
今日の試合リザーブということで、チャンスがきたらいつでも100%で行けるよう、気合充分で試合に挑みました。前半はベンチで見ていたのですが、リーグ戦中でもそんな点をとられる場面がなかったため正直見ていて少し不安な気持ちと早く試合に出たいという気持ちが入り混じっていました。
後半半ばに出番がやって来たのですがその時はまだ負けていて、とにかく流れを変えたい、そして自分をアピールするという気持ちで持ってる力を全て出し切り、走り回りました。
結果的に逆転勝ちで試合は終わり次に進む事が出来きたことがとにかく嬉しかったです。
これからも試合の流れを変えるきっかけとなるようなプレ-をしたいと思います。また少しでも長い時間プレー出来るように努力していきたいです。応援宜しくお願いします。