トップリーグ 第10節 - 試合日程・結果
トップリーグ 第10節:東芝府中ブレイブルーパス戦の結果をご報告します。
トップリーグ 第10節
12/26(日) 13:00
:ヤマハスタジアム
ヤマハ発動機ジュビロ 10
前半 3-5
後半 7-24
29東芝府中ブレイブルーパス
試合レポート
12・26 舞台 :~敗因を勝因へ変える日まで~
トップリーグも大詰め、2004年を締め括る日がやって来た。
12月26日(日)、リーグ戦でも決勝戦というのがあるものなのかと、勝率でも勝ち点でも並ぶ2チームの対戦はこの日優勝をも決めるべく大一番、目の離せない一戦となった。
ヤマハが今シーズン最後にホームヤマハスタジアムに迎えたのは、昨年3度の対戦で一度も笑うことはなかった相手東芝府中ブレイブルーパス。
昨年は日本選手権で優勝、強力なモールを武器に今年もその実力は自他が認める存在。
だからこそ、敵が素晴らしければ強ければこそ、それだけこの約9000人の大応援団がつめかけた場所で試合をすることがこれ以上にない最高の舞台となりヤマハを奮い立たせた。
晴天の下、13:00のキックオフで前半が開始、早々から目の前で繰り広げられる激しい試合、その迫力をあまりに近くで感じることができるスタジアムではラグビーを見慣れた者と、初めて見る者がスタンドで歓声とため息の連続だった。
そんな中7分、ヤマハに先制のチャンス。敵陣10m付近でPKを得る。SOマクドナルドのキックはわずかに外れ得点ならず。
逆に12分、均衡を破ったのは東芝だった。先制を許すが、ヤマハもFWからSH村田の素早いパス裁きでBKへ展開、連続攻撃で東芝陣内に攻め入るが東芝の壁に阻まれトライが遠い。
時間は流れヤマハに得点チャンスが訪れたのは時既に34分のこと、敵陣22m付近スクラムで東芝にペナルティ。
今度はSOマクドナルドがきっちり決め3-5。緊迫したゲーム展開、その後得点は動かず前半が終了した。
両者互角の、まさに決勝に相応しい試合の行く末は後半へと持ち越された。
ここまでリーグ最高得点のアタックを体を張って止め続けること、最少失点のディフェンスに立ち向かうこと選手にとっても想像以上の厳しい戦いを強いられ、そして優勝をもかけた一戦、ホームであることに対するプレッシャーは確かにあった。
だが一番になるためには避けて通れない道、倒さなければならならい相手、気持ちをひとつにロッカールームをあとした。
後半開始1分、セットプレーから先制したのはまたもや東芝、ゴールも決まり3-12。
その後キックや何度も敵陣に攻め入るがトライには繋がらず、21分、次なる得点も東芝に奪われ3-17。
時間は充分にあったとしても相手の力を考えればこれ以上の得点差は許されない。その思いは届き、直後ようやくヤマハにチャンスがやってきた。26分、敵陣で得たペナルティゴール前でスクラムを選択、SH村田から後半出場CTBウィリアムスへパス、キックで転がしたボールをルーキーのCTB守屋がゴール左隅で押さえた。
マクドナルドがコンバージョンをきっちり決め10-17。
射程距離にとらえスタンドは湧いた。
その後東芝再び自慢のモールで怒涛の攻撃、自陣で懸命に押し返すヤマハ、だが34分にトライを奪われる。
残り時間わずか最後の力を振り絞り、ヤマハも怒涛の連続攻撃。
終了間際、一瞬の隙をつかれ追加点を許し10-29、ノーサイドの笛が鳴った。
大歓声を背に受け、「ホームで負けない」そのジンクスもこの日ばかりは叶わず、宿敵への4度目の挑戦あとヤマハは笑うことができなかった。
この場所でチャンピオンの姿を目の当たりにすること、言葉にならない悔しさでいっぱいになった。
前半での消耗、些細なミス、後半の後半で1人を欠いたこと、勝負どころでのペナルティ、負けたあとにはそれらが全て敗因となる。
しかしこれまで我々が勝利を収めた試合、思い起こせばどの試合にしたって珍しいことではなく、消耗しても、ミスをしても、一人欠いても・・・勝った試合は数知れず。
負けた時は敗因となり悔やまれるものも、勝ったときは「ミスをしても取り返した」
「一人欠いても全員でフォローできた」と自信に繋がり勝因になる。
その感覚をヤマハの誰もが知っている。
12月26日、今日この大一番をここ最高の舞台で迎えられたこと、たくさんの味方の声を聞き試合に挑めたこと、得たものはたくさんあった。
2004年は幕を閉じても、まだ戦いの真っ只中、1つの負けで歩みを止めるわけにはいかない。
トップリーグで頂点を掴むことはまだできないという自分達の力と現実をしっかりと受け止めること、今日の負けを次には勝因に変える力をつけること、それができれば、12節を終えた時の自分達の場所が昨年を越える新たな舞台になっているに違いない。
最終戦でその場所に立つために明日からまた走り続ける
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 中越 将通 |
2 | 中林 正一 |
3 | 山村 亮 |
4 | 久保 晃一 |
5 | 勝又 貴光 |
6 | 本間 俊治 |
7 | 澤田 昇 |
8 | 木曽 一 |
9 | 村田 亙 |
10 | レオン・マクドナルド |
11 | 冨岡 耕児 |
12 | タンバイ・マットソン |
13 | 守屋 篤 |
14 | 西村 弥 |
15 | 大田尾 竜彦 |
リザーブ | |
1 | 高木 重保 |
2 | 米倉 隆之 |
3 | 坂本 一哉 |
4 | コリ・セワブ |
5 | 佐藤 貴志 |
6 | ネイサン・ウィリアムス |
7 | 堀川 隆延 |
前半 | ||
0 | トライ | 1 |
0 | ゴール | 0 |
1 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
3 | 合計 | 5 |
後半 | ||
1 | トライ | 4 |
1 | ゴール | 2 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
7 | 合計 | 24 |
10 | 合計 | 29 |
東芝府中ブレイブルーパス | |
1 | 高橋 寛 |
2 | 塚越 賢 |
3 | 笠井 建志 |
4 | 大野 均 |
5 | ルアタンギ・バツベイ |
6 | 渡邉 泰憲 |
7 | 中居 智昭 |
8 | ニコラス・ホルテン |
9 | 伊藤 護 |
10 | 島崎 正吾 |
11 | ナタニエラ・オト |
12 | 日原 大介 |
13 | 松田 努 |
14 | 森 大輔 |
15 | 立川 剛士 |
リザーブ | |
1 | 松橋 健 |
2 | 大室 歩 |
3 | 横山 恒雄 |
4 | 宮下 哲朗 |
5 | 吉田 朋生 |
6 | スコット・マクラウド |
7 | 佐々木 天晃 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-東芝府中ブレイブルーパス |
12分 | 東芝 | 敵陣22m付近ラックから右に展開。13右中間にトライ。 | T | 0-5 |
34分 | ヤマハ | 敵陣22m付近中央スクラムの反則でPK。10PG成功。 | PG | 3-5 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-東芝府中ブレイブルーパス |
1分 | 東芝 | 敵陣22m右中間ラックから左に展開。21左中間にトライ。 | T | 3-10 |
2分 | 東芝 | 12ゴール成功。 | G | 3-12 |
21分 | 東芝 | ノータッチボールをBKに展開、15左中間ににトライ。 | T | 3-17 |
26分 | ヤマハ | 敵陣22m付近中央から21がパント。13が左隅にトライ | T | 8-17 |
27分 | ヤマハ | 10ゴール成功。 | G | 10-17 |
34分 | 東芝 | 敵陣ゴール前PKからドライビングモール、6左隅にトライ | T | 10-22 |
40分 | 東芝 | 自陣22m付近、相手パスミスボールを拾い15中央にトライ | T | 10-27 |
41分 | 東芝 | 12ゴール成功。 | G | 10-29 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
村田 亙選手のコメント
東芝は昨年一度も勝つことができなかった相手、古巣ということもあり試合前から気合も入り
非常に楽しみでした。
前半から予想どうり激しい試合となりましたが、前半はなんとか凌ぐことができました。
しかし後半に入り、ミスからチャンスを逃がし、逆に試合好者な東芝のアタックに対し守る時間が長くなり、自分達のラグビーをする時間があまりなかったように思います。
東芝の強さを感じ、足りない部分を知ることができました。
やはり目の前で相手が優勝を決めたことは悔しかったです。
けれど悲観的になることはありません。今自分達に足りないものを克服して、次なるチャンスで必ず勝ちたいと思います。ヤマハは、まだまだできる可能性を持ったチームですから。
最後にこの大一番の試合をホームで迎えられたことが何より選手にとって嬉しかったです。
そしてスタンドから惜しみなく聞こえた大声援は苦しい時間帯も背中を押し続けてくれました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
トップリーグはあとまだ1試合、そしてMSカップ、日本選手権とまだまだ闘いは続きますので
これからもヤマハ発動機(ジュビロ)にどうか温かい応援を宜しくお願いします