第41回 日本選手権大会 第2戦 - 試合日程・結果
第41回 日本選手権大会 第2戦:東芝府中ブレイブルーパス戦の結果をご報告します。
第41回 日本選手権大会 第2戦
3/13(土) 14:00
:秩父宮ラグビー場
ヤマハ発動機ジュビロ 12
前半 7-21
後半 5-12
33東芝府中ブレイブルーパス
試合レポート
03年総決算、これがヤマハのチカラ、けれどもヤマハの輝く軌跡
〜リベンジならずとも新たな目標を手に〜
3月13日(土)、東京秩父宮ラグビー場で日本選手権準決勝、東芝府中ブレイブルーパスとの試合が行われた。
トップリーグで引き分け・マイクロソフトカップで敗れ、3度目の対戦。トーナメントで初めてベスト4へ勝ち進んだヤマハの大舞台に相応しい対戦相手であった。スターティングメンバーにはFLドビベラタ、WTB辻井ら初の顔ぶれ、絶好の試合日和、ヤマハのキックオフで試合が開始した。
前半、開始早々に東芝が先制点をあげた。まだまだ、エンジンのかかる前の出来事、だがこの試合、やはり準決勝に相応しいハードなものになるという空気がこのわずか数分で流れた。直後にヤマハは連続攻撃で敵陣へと攻め込んだ。8分、FB四宮、FLドビベラタのゲインからゴール前右付近にラックを形成、左へ展開されたボールはSO堀川へと渡り、最後はNO.8木曽が大きなストライドで左中間に飛び込み同点とした。
さらにヤマハは敵陣で怒涛の攻撃をしかけた。だが、ミスから得点チャンスは逆にピンチへと変わった。東芝はスタンディングラグビーで一気に地域を挽回、強力FWは予想していたモールでヤマハ陣内へ容赦ない攻撃をしかけた。必死に抵抗するが、26分、34分立て続けにトライを奪われ7-21とリードを許し前半を終えた。
取りきれない苛立ちと、だが「勝ちたい」「ここでこのチームを終わらせるわけにはいけない」高まる気持ちと気迫との混在するロッカールーム、もう一度スタンドに耳を傾け、仲間をサポーターを思い後半に全てを出し切ることを誓い後半に向かった。
しかし、攻め込んでも敵陣でのセットプレーにミスなどからチャンスを逃がし、再び東芝に先制を許した。7-28。時間は充分にあったとしても、これ以上の得点差は勝敗を決めることとなるだろう。流れを変えるべく後半9分、HO浜浦、WTBデラサウが登場。だが、自陣での東芝の容赦ないモール攻撃にディフェンスをし続けたまま時間だけが過ぎた。攻撃をしかけたいヤマハは20分に入ったSH田井中のスピーディーな球出しで積極的にボールを展開した。そして25分、敵陣ゴール前左のモールから右に展開、WTB西村が待ち望んだ2トライ目をあげた。
残り10分となりスコアは12-28。逆転に望みを繋ぎヤマハは攻め続けた。しかし、得点をあげることができない。東芝の猛攻撃に渾身の力を振り絞り、ただ体を張った。終了間際、その抵抗も適わず追加点を許し12-33でノーサイド。三度目の正直はならず、国立を目前にヤマハの2003年度シーズンは幕を閉じた。
どんなに競った試合であれ、どんなに素晴らしい試合であれ、どんなに出しきった試合であれ、敗戦はやはり悔しいにつきる。グラウンドで東芝の選手と体をあてた者、その選手達を指揮したコーチ、ベンチで見守っていた者、スタンドで戦っていた者、選手にベストを尽くさせたいと願うスタッフ、ヤマハのラグビーが好きで声がかれるほど応援したサポーター、いつも選手を支える家族、今それぞれの立場で「悔しさ」を感じているだろう。
9月の開幕から約7ヶ月という初めての長期戦となったシーズン、この日最後に立った場所がヤマハのチカラだと言えよう。昨年、一昨年と僅差で涙を流し、越えられなかった壁を越え目標であったベスト4まで昇りつめた。だから目標を達成したことは「満足」ではないのか。けれど溢れる「悔しい」という思い、ヤマハにとって目標はもうベスト4を遥かに越え、もっと上に向かっていたという証なのだろう。今大会を最後だと明かし、この大会に特別 な思いで臨む者と、そんなチームメイトがいることを胸に一日も長くこのチームでありたいと心から思えたシーズン。初めての日本選手権を終えて、敗戦のあとの言い訳ではなく、今、ヤマハは多くのサポーターとともに一年間戦ってこれた充実感と、ヤマハを誇りに思える気持ちで一杯だ。3月13日、負けた日の1ページもヤマハにとってはずっと光り輝く軌跡となる。
四宮選手のコメント
ヤマハにとって初のセミファイナルの試合。自分もこの舞台でラグビーが出来るということをどれだけ待ち望んできたことか!気合い十分で最高のウォームアップを終えて試合に向かいました。
前半ヤマハとしては狙い通りにゲームを進めていきました。だが、やはり東芝の接点での強さに阻まれ得点に結び付けることができませんんでした。気付いてみれば後半は東芝に押されっぱなしでした。個人的にも特別 今大会にかけていたので敗けたことは残念です!とても悔しい気持ちでいっぱいです。
今日を持って僕はチームを離れ新しい挑戦をする決断をしました。けれど、いつかまた必ずこの舞台で力を出しきれるようにしたいです。日本に帰ってきても目標があるということを決して忘れずにいたいです。今日、この大舞台での試合を終えてもっともっと成長したいと心から思いました。ファンの皆様本当にご声援有難うございました。これからもずっとずっとヤマハのことを応援してください。宜しくお願いします。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 高木 重保 |
2 | 中林 正一 |
3 | 中越 将通 |
4 | 中野 大介 |
5 | 勝又 貴光 |
6 | 久保 晃一 |
7 | アリフェレティ・ドビベラタ |
8 | 木曽 一 |
9 | 村田 亙 |
10 | 堀川 隆延 |
11 | 辻井 厚之 |
12 | タンバイ マットソン |
13 | 今利 貞政 |
14 | 西村 弥 |
15 | 四宮 洋平 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
出血時一時交代 | 前半28分 | 8→19 澤田 昇 |
交代 | 後半6分 | 4→18 坂本 一哉 |
交代 | 後半8分 | 2→16 浜浦 幸光 |
交代 | 後半9分 | 7→19 澤田 昇 |
交代 | 後半9分 | 11→22 ビリモニ・デラサウ |
交代 | 後半23分 | 9→20 田井中 亮範 |
交代 | 後半34分 | 3→17 中村 優一郎 |
前半 | ||
1 | トライ | 3 |
1 | ゴール | 3 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
7 | 合計 | 21 |
後半 | ||
1 | トライ | 2 |
0 | ゴール | 1 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
5 | 合計 | 12 |
12 | 合計 | 33 |
東芝府中ブレイブルーパス | |
1 | 笠井 建志 |
2 | 塚越 賢 |
3 | 櫻井 寿貴 |
4 | 釜澤 晋 |
5 | 横山 恒雄 |
6 | 渡邉 泰憲 |
7 | ニコラス・ホルテン |
8 | ルアタンギ・バツベイ |
9 | 伊藤 護 |
10 | 島崎 正吾 |
11 | 大野 均 |
12 | 日原 大介 |
13 | 冨岡 鉄平 |
14 | 森 大輔 |
15 | 立川 剛士 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
出血時一時交代 | 後半19分 | 1→17 大室 歩 |
出血時一時交代 | 後半19分 | 2→16 松尾 大樹 |
出血時一時交代 | 後半23分 | 8→21 スコット・マクラウド |
出血時一時交代 | 後半26 | 6→18 中居 智昭 |
交代 | 後半27分 | 10→20 品川 英貴 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
マットソンヘッドコーチのコメント
ゲームを終えた今の気持ちを率直に申し上げますと悔しい気持ちでいっぱいです。しかしながら対戦相手、東芝府中ブレイブルーパスは本当に素晴らしいチームでした。このようなチームとゲームができたことはヤマハにとって貴重な経験となりました。今年度通 算3度目の対戦であり、前回(マイクロソフトカップ準決勝)の対戦によって出た課題を分析し練習し、ヤマハとしても十分な準備をして臨みましが、東芝のプレッシャーは想像以上に激しくヤマハの意図するプレイ、スクラム・ラインアウト等のセットプレーが安定せず、ボールの獲得ができなかったことが敗因に繋がったと思います。ですが、随所にヤマハの見せ場を作り互角に戦い、ハードな素晴らしい試合ができたことは、プレイヤーとしてもチームとしても財産です。決勝の舞台へ進むことはできませんでしたが、我々ヤマハは着実にステップアップしています。当初の目標であったトップリーグ4位 以上、日本選手権4位以上を達成できました。
日本選手権準決勝という初めての大舞台に、遠方よりたくさんの方々が応援に足を運んでくださいましたことにお礼を申し上げたいと思います。本当に一年間ありがとうございました。また来シーズンも今年達成できなかった「日本一」を目指してチャレンジしていきたいと思います。今後もご声援宜しくお願いします。