第41回 日本選手権大会 第1戦 - 試合日程・結果
第41回 日本選手権大会 第1戦:ワールドファイティングブル戦の結果をご報告します。
第41回 日本選手権大会 第1戦
3/ 7(日) 12:00
:近鉄花園ラグビー場
ヤマハ発動機ジュビロ 36
前半 22-8
後半 14-12
20ワールドファイティングブル
試合レポート
1点差、1トライ差、そして新しい歴史 ベスト4へ!!
3月7日(日)大阪近鉄花園ラグビー場でヤマハにとって初出場となる日本選手権が行われた。史上発、22チームが参加となった今大会、シードのヤマハは準々決勝からの登場となり、同じくトップリーグ、ここ数年僅差の試合を繰り広げたワールドとの対戦となった。もう決着をつける時が来たのだ。マイクロソフトカップから約1ヶ月、このインターバルが吉と出るか凶と出るか。磐田からバス6台で駆けつけた社員・応援団が雪の散らつくスタンドから見守る中、キックオフを迎えた。
開始1分、ワールドのペナルティで幸先よく先制点、しかし6分に自陣ゴール前ワールドに一瞬の隙をつかれトライを許した。しかしその後9分、敵陣でのラインアウトを起点に22m左にラックを形成、SH村田から右へ展開されたボールはSO堀川、CTB今利と繋ぎ、WTBデラサウへと渡った。今季ラストシーズンを表明したスピードスターは黙って去リ行くことなどしない。ボール手に一つ二つと軽いステップで気付けばゴール隅へ逆転トライ。難易度であろうとなんのその、堀川のキックも決まりアタックにリズムの出てきたヤマハは19分にも、まさに作戦どおり。敵陣ゴール前5mラインアウトからモールで押し込みHO中林がトライ。その後も次第に激しく降り注ぐ雪にも後押しされ、徹底したモールでワールド陣内でゲームを展開した。37分には再びゴール前ラインアウトからチャンスを掴んだ。左隅ラックからSH村田、SO堀川と繋ぎ最後はやはりこの男。するすると一人二人と交わしゴール中央へWTBデラサウが持ち込んだ。22-8のリードで前半を終えた。
迎えた後半、再び先制したのはワールドだった。その後は試合は拮抗した。取りきれないまま時間だけが過ぎた。けれども止むことのないヤマハコール。グラウンドとスタンドとベンチと全員が、僅差の試合ではなく決着を着けると誓った試合。27分にベテランHO浜浦が登場すると、再び連続アタックに火が付いた。CTBマットソン、NO8澤田、CTB今利、それぞれが持ち味を発揮、ボールを繋ぎ続けた。最後はゴール前中央ラックからのボールをSO堀川が内に走りこんだWTBデラサウに繋ぐと、そのままこの日3トライ目をあげた。さらに31分にもマットソン・今利のCTBが力と技で追加点をあげると、ヤマハはリザーブメンバーを総動員、今季初出場のフィジー代表FLセワンブ、PR中村らが思い切りのいいプレーでグラウンドを盛り上げれば、SH田井中の素早いパス回しにルーキーCTB中垣、WTB辻井らもスピードに乗って駆け回った。36分に1トライを許すものの危なげなく36-20でノーサイド。
負ければ終わるノックアウト方式、トーナメントで悲願のベスト4入りを果 した。マイクロソフトカップで完敗を帰した日から1ヶ月という期間、「どう過ごすことがヤマハにとってベストなのか」課題を克服する期間にあてることはもちろんだが、体を休めること、気分をリフレッシュすること、再び闘争心を燃やすこと、すべてにおいてバランスをとり、完璧な1ヶ月にすることは容易なことではなかった。 極度の緊張感や興奮、ハードな試合でこそ感じる肉体の感覚から離れ、振り返れば「よくなかった」時もあった。「モチベーションの維持が難しい」言い訳を口にしたこともあった。しかし、昨年はトライ数で及ばず、1昨年は1点差で及ばず乗り越えることができなかった壁、華々しく開幕した最高峰トップリーグでは第3位 という成績を残したことがこの大会、この試合に勝つことができなければ水の泡となる、ヤマハは昨年から成長したとは言えない。そのことを胸に、そして負ければこのチームが終わる。だからヤマハのプライドをかけて臨んだ1戦、内容には納得いかない者もいたかもしれない。だがとにかく必死になれた。長いインターバルを終え、勝つことを久々に味わい、ひとつ壁を乗り越えた現実を今ヤマハは素直に喜ぶ。ただ純粋に「嬉しい」。たくさんの勝利の中、良くも悪くもそんな勝利があってもいいだろう。今のヤマハには今日から勝ち続けることが新たな歴史を作ることとなる。今のヤマハには今日から勝ち続けることがこのチームでしか味わえない明日をつくる。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 高木 重保 |
2 | 中林 正一 |
3 | 中越 将通 |
4 | 中野 大介 |
5 | 勝又 貴光> |
6 | 久保 晃一 |
7 | 木曽 一 |
8 | 澤田 昇 |
9 | 村田 亙 |
10 | 堀川 隆延 |
11 | ヴィリモニ・デラサウ |
12 | タンバイ マットソン |
13 | 今利 貞政 |
14 | 西村 弥 |
15 | 四宮 洋平 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
出血時一時交代 | 前半21分 | 6→19 本間 俊治 |
出血時一時交代 | 前半30分 | 3→17 中村優一郎 |
出血時一時交代 | 前半41分 | 7→19 本間 俊治 |
出血時一時交代 | 後半5分 | 3→17 中村優一郎 |
交代 | 後半26分 | 2→16 浜浦 幸光 |
出血時一時交代 | 後半29分 | 8→19 本間 俊治 |
交代 | 後半32分 | 9→20 田井中亮範 |
交代 | 後半32分 | 3→17 中村優一郎 |
交代 | 後半37分 | 14→22 辻井 厚之 |
交代 | 後半37分 | 4→19 本間 俊治 |
交代 | 後半37分 | 8→18 コリニオ・セワブ |
交代 | 後半37分 | 12→21中垣 祐介 |
前半 | ||
3 | トライ | 1 |
2 | ゴール | 0 |
1 | ペナルティG | 1 |
0 | ドロップG | 0 |
22 | 合計 | 8 |
後半 | ||
2 | トライ | 2 |
2 | ゴール | 1 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
14 | 合計 | 12 |
36 | 合計 | 20 |
ワールドファイティングブル | |
1 | 北迫 孝治 |
2 | 安田 昇 |
3 | 立川 正則 |
4 | 高田 正 |
5 | 羽根田 智也 |
6 | 田中 正純 |
7 | 舛尾 敬一郎 |
8 | ジョージ・スタワーズ |
9 | 中山 浩司 |
10 | 由良 康美 |
11 | 織田 己知範 |
12 | 福岡 幸治 |
13 | 大西 将太郎 |
14 | 南 繁治 |
15 | 三木 亮平 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
出血時一時交代 | 前半5分 | 6→19 大内 亮助 |
出血時一時交代 | 前半29分 | 10→22 中矢 健 |
出血時一時交代 | 前半34分 | 13→22 中矢 健 |
出血時一時交代 | 前半34分 | 6→19 大内 亮助 |
交代 | 後半0分 | 3→17 藤本 護 |
交代 | 後半0分 | 11→20 ルア・ティポキ |
出血時一時交代 | 後半3分 | 10→22 中矢 健 |
負傷交代 | 後半15分 | 20→22 中矢 健 |
出血時一時交代 | 後半19分 | 14→21 平野 雅也 |
出血時一時交代 | 後半21分 | 1→3 立川 正則 |
出血時一時交代 | 後半25分 | 6→19 大内 亮助 |
交代 | 後半33分 | 2→16 本多 貴 |
交代 | 後半33分 | 15→18 黒川 雅弘 |
交代 | 後半33分 | 9→21 平野 雅也 |
交代 | 後半33分 | 6→19 大内 亮助 |
出血時一時交代 | 後半37分 | 1→3 立川 正則 |
得点経過
前半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-ワールドファイティングブル |
前半1分 | ヤマハ | ゴール前20mポスト右から[10]PG成功 | PG | 3-0 |
前半6分 | ワールド | ゴール直前左隅ラックから[9]-[2]と展開し左隅にトライ | T | 3-5 |
ワールド | [10]G成不功 | 3-5 | ||
前半9分 | ヤマハ | 22mライン付近左隅ラックから[9]-[10]-[13]-[11]と右展開し[11]右隅にトライ | T | 8-5 |
ヤマハ | [10]G不成功 | Gx | 10-5 | |
前半12分 | ワールド | 22mライン右中間から[12]PG成功 | PG | 10-8 |
前半19分 | ヤマハ | ゴール前5m右ラインアウトからモール押込み右隅に[2]トライ | T | 15-8 |
ヤマハ | [10]G不成功 | Gx | 15-8 | |
前半37分 | ヤマハ | ゴール前15m左隅ラックから[9]-[10]-[11]と右展開し[11]中央に回り込みトライ | T | 20-8 |
ヤマハ | [10]G成功 | G | 22-8 |
後半 | チーム | 選手 | 種類 | 得点 ヤマハ-ワールドファイティングブル |
後半7分 | ワールド | 相手陣10mライン右中間から[12]PG不成功 | PGx | 22-8 |
後半9分 | ワールド | ゴール前20m左中間ラックから[9]-[10]-[20]と展開し[20]左中間にトライ | T | 22-13 |
ワールド | [12]G成功 | G | 22-15 | |
後半27分 | ヤマハ | ゴール前5m左中間ラックから[9]-[10]-[11]と右に展開し[11]ポスト右にトライ | T | 27-15 |
ヤマハ | [10]G成功 | G | 29-15 | |
後半31分 | ヤマハ | 相手陣10mライン左中間ラックから[9]-[11]-[13]と右に展開し[13]中央にトライ | T | 34-15 |
ヤマハ | [10]G成功 | G | 36-15 | |
後半36分 | ワールド | 22m左ラインアウトからタッチライン隅を[17]-[16]-[18]とつなぎ[18]左隅にトライ | T | 36-20 |
ワールド | [12]G不成功 | Gx | 36-20 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
セワブ選手のコメント
チームにとって初めての日本選手権が私にとってヤマハに来て初めての大舞台でした。
ワールドカップから帰国し、チームに合流して、ヤマハのジャージを着るチャンスに恵まれるまで本当に長い道のりでした。メンバーに選ばれたことが嬉しかったのはもちろんですが、日本のトップレベルのラグビーをこのヤマハの素晴らしいチームメイトと一緒に肌で感じることができたことが一番嬉しかったです。全ての力を出しきるには、充分な時間があったとは言えません。しかし、今日のわずかな時間も、私にとって本当に貴重な時間であり、ラグビーを楽しみ、ひたむきになれました。次戦、東芝戦まで一日一日を大切に過ごし、自らチャンス掴み、そしてチームの勝利に貢献したいと思います。皆様、次なる舞台でもヤマハに暖かいご声援をよろしくお願いします。