マイクロソフトカップ 第1戦 - 試合日程・結果
マイクロソフトカップ 第1戦:東芝府中ブレイブルーパス戦の結果をご報告します。
マイクロソフトカップ 第1戦
2/ 8(日) 14:00
:秩父宮ラグビー場
ヤマハ発動機ジュビロ 10
前半 10-5
後半 0-34
39東芝府中ブレイブルーパス
試合レポート
決着は完敗。全ての一番を手に入れ本当の日本一へ。
トップリーグを3位で終えて2週間、マイクロソフトカップがやってきた。対戦相手は2位 、東芝府中ブレイブルーパス。リーグ戦では引き分け、日本で最も得点力のあるヤマハにとって越えるべき絶好のチームだ。リーグを終え両チームが得た威名「守りのヤマハ」「攻めの東芝」。「事実上の決勝戦」そんな声があがるのも無理はない。それは選手にはむしろ心地よく聞こえ、さらに気持ちを高まらせた。早朝、地元磐田を出発した6台の応援バス、ここにも戦いに挑むメンバーがいた。準備はできた。そして14:00のキックオフを迎えた。
開始から予想通り試合は白熱した。東芝は攻める、ヤマハは守る。どれだけゴール前に釘付けになろうともヤマハがボールを奪う。自陣で展開される試合だが東芝のペースでは決してなかった。接点の強さで定評の東芝、そのチャンスを悉く奪い、接点で負けないラグビーをヤマハは見せた。しかし12分、ラインアウトからの攻撃、一瞬の隙をつかれ先制を許した。ヤマハは直ぐさま反撃に出た。四宮のビッグゲイン、スピードにのった久保のあとわずかでトライというプレー、そして21分、敵陣ゴール前でPGのチャンスを得た。SO堀川が決めスコアは3-5。
その後も東芝の容赦ないアタックは続く。得点は全く動かず、時はすでにロスタイムに入った。前半41分、待ち望んだシーンがやってきた。途中出場、WTBデラサウはこの日も皆の期待を一心に背負いチャンスを生む。キックの応酬からSH村田がダイビングキャッチ、すぐさま左へ展開。SO堀川、WTBデラサウへと繋ぎビッグゲイン、ラックからさらにCTBマットソン、HO中林が、FB四宮と右へ渡り最後はWTB西村が右隅へ飛び込んだ。ゴールも決まり10-5と逆転に成功。「守り、そしてチャンスで決める」ヤマハのペースで前半を終えた。
いつになく明るいロッカールーム、体力も、気力も、集中力もまだ出し惜しんでいるかのような表情。この試合誰もが「ファイナル」だと、それほどの思いだったのだ。後半が開始、やはり直後から試合はすさまじい光景だった。だが数分前の気迫とは裏腹、連続攻撃から再び先制したのは東芝だった。スコアが並んだ。アタックをしかけるも東芝のディフェンスも勢いをつけ始めた。焦りはしない。しかし10分、FWにモールを押し込まれトライを許すと、自慢のディフェンスもいつしか、らしくないペナルティでの抵抗へと変わり始めた。21分にもトライを許し10-22。20分を残し、これ以上のリードを許せない局面 へとやってきた。
だが予想通り、いや予想をはるかに越える日本一のアタックにヤマハは体力、集中力を徐々に欠いた。気力で負けずとも、東芝陣内へ攻めこむことはできず、翻弄される。29分、さらに38分とモールからからのトライを許すと終了間際にも1トライを奪われた。80分で決着をつけられなかったリーグ戦、ロスタイムを合わせ82分が経過したマイクロソフトカップの初戦、守りのヤマハ、今季最多7トライを許し10-39でノーサイドとなった。
「トップリーグで唯一、1敗しかしていないチーム」「最も失点の少ないチーム」、最強のディフェンスという勲章を自信にして戦った。しかし、それだけでは日本一にはなれないのだ。9月に神戸製鋼に帰した1敗以来、「負ける」ことを忘れていた。あの日から華やかで著しいとは言えないまでも、励まされ、1歩1歩上昇し、決して負けずにやってきた。一人一人が自分の力で自分を奮い立たせ「絶好調」と言える渦中であった。だからこそ「完敗」という言葉を口にしたとき、屈辱であったのではないか。けれども、チームの中には誰一人として言い訳をするものはなかった。自分達の『弱み』『課題』を真直ぐ見つめることができた。不完全燃焼だった者などいないからこそ口にできた言葉。
トーナメントは負ければ終わる。カップを手にすることはできなかったが、その厳しさを目の当たりにし「完敗」という姿を曝け出し、そして目標をひとつに搾った。本当に日本一のチームになるためには、日本一のディフェンスだけでは足りない。日本一のディフェンスと日本一のアタックと日本一のチームワークと日本一の応援と「このチームで日本一になりたい」と日本一思う気持ち。そのためにできることを一人一人が全て出しきる。もう一日たりとも無駄 にはできない。今のヤマハにとって日本選手権のチャンピオンこそ記憶に残る、「本当の日本一」。
試合詳細・メンバー
ヤマハ発動機ジュビロ | |
1 | 高木 重保 |
2 | 中林 正一 |
3 | 中越 将通 |
4 | 中野 大介 |
5 | 勝又 貴光 |
6 | 久保 晃一 |
7 | 木曽 一 |
8 | 澤田 昇 |
9 | 村田 亙 |
10 | 堀川 隆延 |
11 | ワイサキ ソトゥトゥ |
12 | タンバイ マットソン |
13 | 今利 貞政 |
14 | 西村 弥 |
15 | 四宮 洋平 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
交代 | 前半36分 | 11→22ヴィリモニ・デラサウ |
交代 | 後半27分 | 9→20田井中 亮範 |
交代 | 後半35分 | 8→18アリフェレディ・ドビベラタ |
交代 | 後半35分 | 22→21中垣 裕介 |
前半 | ||
1 | トライ | 1 |
1 | ゴール | 0 |
1 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
10 | 合計 | 5 |
後半 | ||
0 | トライ | 6 |
0 | ゴール | 2 |
0 | ペナルティG | 0 |
0 | ドロップG | 0 |
0 | 合計 | 34 |
10 | 合計 | 39 |
東芝府中ブレイブルーパス | |
1 | 村上 貴博 |
2 | 松尾 大樹 |
3 | 櫻井 寿貴 |
4 | 釜澤 晋 |
5 | 横山 恒雄 |
6 | 渡邉 泰憲 |
7 | 宮下 哲朗 |
8 | ニコラス・ホルテン |
9 | 伊藤 護 |
10 | 島崎 正吾 |
11 | 日原 大介 |
12 | スコット・マクラウド |
13 | 冨岡 鉄平 |
14 | 森 大輔 |
15 | 立川 剛士 |
交替・入替 | ||
種類 | 時間 | 背番号 |
出血時一時交代 | 前半4分 | 5→18大野 均 |
出血時一時交代 | 前半20分 | 6→18大野 均 |
負傷交代 | 前半20分 | 8→19ルアタンギ バツベイ |
負傷交代 | 前半25分 | 6→18大野 均 |
交代 | 後半22分 | 13→21小山田 淳 |
交代 | 後半32分 | 14→22松田 努 |
交代 | 後半33分 | 3→17笠井 建志 |
交代 | 後半34分 | 10→20品川 英貴 |
ヤマハ発動機ジュビロ(ラグビー)
西村選手のコメント
トップリーグで引き分けた東芝府中、マイクロソフトカップで必ず決着をつけたいと思っていました。試合は予想どおり開始からハードな内容でしたが、前半はヤマハの意図したDFが決まり、予定通 りの試合ができました。ハーフタイムのミーティングも非常に良い雰囲気で後半に臨む準備は万全でした。
しかし、後半が始まってみると単純なミスが重なり、開始早々トライを取られその後はまさに自陣に釘付け状態でした。あのようなレベルの高い試合になると一つのミスが命取りになることを改めて思い知らされました。結果 的には39-10というスコアで完敗しましたが、私達にとって、とてもいい勉強になる点も多数ありました。試合に負けて皆悔しい思いをしていますが、すでに次の試合に向けてのやる気はメラメラと燃えたぎっています!高い授業料にはなりましたが、この先の日本選手権に向けていい課題が出来ましたので、さらに全員がレベルアップできるよう毎日の練習に励みたいと思っています。
また、応援にきてくださった皆様、本当に熱い応援をいつも有り難うございます。選手一同、本当に感謝しております。今度は、勝ってノーサイドの時に皆さんの前で笑顔で応えたいと思っています。