Art for Human Possibilities
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なぜ「人間研究」
しているのですか?
「感動創造企業」であるヤマハ発動機が本当の感動を創り出すには、 「人はどのような時に感動するのか」、「どうしたら感動を生み出せるのか」、「AI時代の今だからこそ人間らしさとは何か」などが重要と考え、人間の研究を続けています。
「人間研究」のアプローチについて
教えてください。
様々な研究から、人間の心は身体と切り離しては考えられないことが分かってきています。また、人間は社会の中で生活する生き物ですので、人間の心を解明するには他者の存在も考えるべきです。そう言った意味で、人間を研究するためには「身体性」と「社会性」の双方から研究する必要があります。
その二つの大きなテーマのもとで、現在は「フローの研究」、「ヒトと機械の関係性の研究(ヒューマン・マシン・インターフェイスの研究)」、「コミュニティ研究」などを中心に、国内外の大学等の研究者と協業し、心理学や社会学などの研究に取り組んでいます。
「フロー」とはどのようなものですか?
「これまで出来なかったことも出来てしまうように感じて没頭し、それ自体に悦びを感じること」といえます。「フロー状態」になると、いつも以上のパフォーマンスが発揮されるとも言われています。
例えば、この研究が進むことで、「パフォーマンスをより発揮しやすい環境」を意図的に作り出すこともできるのではないかと考えています。
なぜ「身体性」と「社会性」を重視しているのでしょうか。
ヤマハ発動機は身体性が伴う商品をつくり続けています。ことさらAI時代においては、人間の価値は「ココロで感じて、カラダが動く。カラダが動いて、ココロで感じる。」ことにあります。そのため身体と心の関係を分析し、どうすればより多くの人が「フロー」を経て「感動」に至れるのかを探求しています。
同時に、人は社会の中で生きており、関わる相手によって心や身体の状態が変化します。人の関係が生み出す脳や身体の状態を理解しながら、社会的な体験も設計することでより「感動」を生み出したいと考えています。
人間研究の展望について教えてください。
大きく3つの展望があります。1つ目は、人の身体や感覚をサポートすることで、安全性、安心感、スキルを向上させること、2つ目は、人が楽しみに没頭することを科学的に解明し、楽しむことをもっと長く、また機会が増えていくことを考えています。3つ目は、人の社会性やコミュニティの研究を通じ、生活を楽しむという社会をどう作っていくか?ということです。
それらを研究する過程で、「感動とは、そして、人が幸せな状態にあるとはどういうことか」を、さらに突き詰めていければと思います。