なめらかな操作性と多様な形状の車イスへの装着性を実現　16インチホイールの車イス電動化ユニット　「ジョイユニットエックス」新発売

　ヤマハ発動機株式会社は、ホイールサイズ16インチの手動車イスを電動化するユニット「ジョイユニットエックス」を2009年10月26日に新発売する。

　「ジョイユニットエックス」は、手動兼用型車イス市場で常にトップシェアを維持している手動車イスを電動化するユニット「JWX-1」を16インチへと小型化したものである。
　「扱いやすさ」「軽さ」「快適性」に加え、車イス使用者はもちろん、介助者の快適・利便性も備えた「JWX-1」の特長はそのままに、「JWX-1」（20、22、24インチに対応）では取り付けにくいリクライニングタイプやチルトタイプなど、16インチ駆動輪が主流のカスタムメイド車イスへの取り付けを可能にした。これにより駆動部分を取り替えるだけで、手動車イスを電動化できる車イス機種の幅がよりいっそう広がる。
　なお、多様な形状の車イスへの装着性向上を目指し、駆動部にはフラットタイプのACサーボモーターを採用。また、バッテリーの取り付け位置の自由度も高めた。

車イス用電動ユニット「ジョイユニットエックス」

2009年10月26日

300台（年間／国内）

　ヤマハ発動機では、健康・福祉分野への貢献や高齢化社会対応への一環として、産業用ロボットや電動ハイブリッド自転車などで培った高度な制御技術や駆動技術などを応用し、90年代より電動車イス事業に取り組んできた。障害者や高齢者の生活の質向上、自立支援に加え、介助者の快適・利便性を追求した製品を開発し、現在7種の電動車イス・電動化ユニットを販売、サービスを提供している。
　今回発売の「ジョイユニットエックス」は、手動車イスの手軽さと電動車イスの快適・利便性を兼ね備えた手動車イス電動化ユニットとして、「JWX-1」の駆動部を16インチに最適化したユニットである。開発にあたっては当社制御技術の原点“人間感覚を重視する”ことを踏襲し、安心、快適、かつ扱いやすさをよりいっそう追求した。

■操作しやすい自走用操作部（ジョイスティックレバー）
　進みたい方向にレバーを傾けるだけで、発進・停止、数センチの微速移動、その場での旋回がスムーズに正確に行える。この操作感覚は、ユーザーの状況・症状に合わせ細かく調節可能。走行速度は、前進1.6km/hから4.6km/h、後進0.9km/hから2.3km/hの間で最適な速度を操作部のスイッチにて5段階から選べる。

■乗り降りしやすい16インチの駆動部に装着性と静粛性を両立するACサーボモーター採用
　16インチの車イスは、リクライニングタイプやチルトタイプなど、カスタムメイドの車イスが多く、多様な形状の車イスに装着できるよう、駆動部には、効率を高めながら低騒音を達成したフラットタイプのACサーボモーターを採用。またバッテリーの取り付け位置も自由度を高めた。なお、タイヤ径が16インチと小さいので、乗り降りや車イスからベッドなどへの横スライドによる移乗が行いやすい。

■電磁ブレーキ、転倒防止バー、ホーンなど、安心装備を標準搭載
　ジョイスティックレバーから手を離すと自動停止する「電磁ブレーキ」、後方への転倒を防ぐ「転倒防止バー」、存在認知や注意喚起のための「ホーン」などを標準装備した。

■リチウムイオンバッテリーや介助用操作部はオプション設定
　小型軽量ながら出力特性に優れ、連続走行距離伸長に貢献するリチウムイオンバッテリーや、介助者の負担軽減を図る介助用操作部もオプションとして設定している。

　品名

　ジョイユニットエックス

　駆動方式

　後輪直接駆動

　重量

　14.0kg

操舵方式

　自走用

　ジョイスティック操舵

　介助用（オプション）

　手動操舵（押しボタン式）

　駆動車輪径

　16×1.75

　制動方式

　電磁ブレーキ＋モーター回生制動

　制御方式

　マイクロコンピュータ制御

　駆動モーター（ACサーボモーター）

　24V 120W×2（30分定格出力）

走行速度

　前進

　1.6～4.6km/h（5段階調節）

　後進

　0.9～2.3km/h（5段階調節）

　介助（オプション）

　1.1～4.9km/h（ボリューム無段階調節）

電池

　種類

　ニッケル水素電池（マイコン内蔵）

　電圧／容量

　24V×6.7Ah

　重量

　2.9kg

充電器

　電源

　AC100V～240V　50/60Hz

　充電方式

　完全自動充電方式（リフレッシュ機能付き）

　充電時間

　約2.5～3時間（常温25℃）

　電動走行距離

　充電あたり 16km

車イス用電動ユニット「ジョイユニットエックス」