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先進安全技術を搭載した二輪車の研究車両 「ヤマハASV-2」について

2000年11月06日発表

 ヤマハ発動機株式会社は、96年(平成8年)より運輸省が推進するASV(Advanced Safety Vehicle/先進安全自動車)開発プロジェクトに参画し、最新のエレクトロニクス技術などを応用した二輪車の安全性向上のシステム研究を進めていますが、このほどITS (Intelligent Transport Systems/高度道路交通システム)に適応した研究車両、「ヤマハASV-2」を製作しました。
 「ヤマハASV-2」は、250ccスクーター「マジェスティ」をベースとした研究車両で、来る11月28日から茨城県つくば市で開催される「スマートクルーズ21 Demo2000」(運輸省・建設省主催)に出展します。


 「ヤマハASV-2」には1号車と2号車があり、1号車は予防安全、事故回避、衝突安全等の"自律型システム"を搭載、2号車は道路側インフラからの情報をもとに運転者支援を行なう"路車協調型システム"を搭載しています。



「ASV-2」1号車

写真は「ヤマハASV-2」1号車


【ご参考】
※ASVは、エレクトロニクス技術などの新技術により自動車を高知能化して安全性を格段に高めるとともに、ITS技術の自動車としての受け皿(プラットホーム)となるものです。21世紀初頭に実用化することを目指し、学識経験者および、自動車・二輪車メーカー(13社)、関係省庁を委員とする「先進安全自動車(ASV)推進検討会」(平成3年度設置、事務局 運輸省)において、自動運転をも視野に入れ、将来にむけた安全自動車技術の研究、開発の推進を図るものです。なお、第2期(平成8年度~12年度)先進安全自動車研究開発推進計画では、I )予防安全技術、II )事故回避技術、III )全自動運転技術、IV )衝突安全技術、V )災害拡大防止技術、VI )車両基盤技術などの各テーマから自動車、二輪車メーカーが技術テーマを自主的に選択し、研究しています。



「ヤマハASV-2」の概要

 ヤマハは、「安全」をモーターサイクルの製品開発における重要テーマのひとつとして認識し、最新のエレクトロニクス技術などを投入し二輪車の"走る・曲がる・止まる"の基本性能向上とともに、事故回避性能や衝突時の負傷低減に貢献するシステムの研究開発を進めています。

 このほど製作した研究車両「ヤマハASV-2」は、来るべき21世紀初頭のITS(高度道路交通システム)による"人と道路と車両の一体システム構築"を目的とし、二輪車として具現すべき機能を追求したものです。これまでの安全技術を踏まえ最新のエレクトロニクス技術などを投入して研究・製作を進めました。
 今回発表の「ヤマハASV-2」の1号車には、予防安全、事故回避、衝突安全の3項目計5種のシステムを搭載しました。2号車には、路車協調型システムを搭載し、道路側インフラから提供される情報により6項目の走行支援システムに対応したものとなっています。



「ヤマハASV-2」 1号車の特徴

1) 二輪車の存在を赤外線レーザーを介し四輪運転者に知らせる車車間通信システム
2) 走行中のバンク角に応じてヘッドライト光軸を回転させるアクティブヘッドライト
3) メーター部のモニターで運転者に各種の情報を提供するマルチインフォメーションシステム
4) 緊急時のブレーキ入力が不十分な時にこれを補助するブレーキアシストシステム
5) 二輪車の前面衝突事故の際に運転者の負傷を低減するエアバッグシステム


「ヤマハASV-2」 2号車の特徴

1) 見通しが悪いカーブでカーブ形状等の情報を車両に伝えるカーブ進入危険防止支援
2) カーブ手前で停止車両や落下物等の障害物を検知する前方障害物衝突防止支援
3) 交差点で停止線までの距離を車両に伝える出合い頭衝突防止支援(停止)
4) 交差点で交差道路の接近車両情報を伝える出合い頭衝突防止支援(発進)
5) 交差点で対向車線の接近車両情報を車両に伝える右折衝突防止支援
6) 交差点において横断歩道上の歩行者を検知し情報提供する横断歩道歩行者衝突防止支援



●ヤマハ「ASV-2」1号車に搭載の安全技術

ヤマハ「ASV-2」2号車に搭載の安全技術


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